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平行線の恋

答えのない迷路

 ←失墜 →平行線の恋
街のライトが窓の外を流れていく。神栖に助け出され、緊張から解放されると自分が置かれた現実が一気に押し寄せ、聖を打ちのめした。知らずに涙が流れ、景色が歪む。泣くつもりはないのに、安心したからか涙が止まらない。運転する神栖から顔をそむけ、外の景色を目で追っていた。
凌辱されたことに対する怒りや悔恨ももちろんあったが、聖の心のうけた衝撃は、
『カイトは本気で神栖が好きだ。そして、神栖は自分が興味のない他人は徹底的に切り捨てる』
という事実だった。
それが、高じてあの所業……。
聖には全く理解できないが、カイトの属している世界ではあり得ることなのかもしれない。敵を貶めて、自分の欲しいものを手に入れるという戦略が。それとも、人質を取らなければ神栖の目を自分に少しでも向けさせることができないと思ったのか。しかし、神栖がその想いに目を向けることもなかった。
この2週間、実は聖が最も恐れていたのは、神栖がカイトに向けていた冷たい瞳だった。その意味が別れた恋人に対する憎しみでも嫌悪でもなく、なんの関心もないからだということに、聖は先ほどのやり取りで気づいてしまった。
神栖さんは俺に飽きたら、それっきりってこと。嫌われることも憎まれることもなく、どうでもいい他人になる。
心臓を鷲掴みされたような痛みと衝撃が聖を打ちのめす。身体をできるだけ小さくして、神栖から距離をとる。
もう何も考えたくなかった。やはり、神栖と自分とでは住む世界が違ったのだ。
無理だ。聖は神栖が掛けてくれたジャケットを引き寄せて、顔を隠した。

運転する神栖は無言で街の中を走り抜ける。聖を慰めたいのだが掛ける言葉も思いつかず、神栖自身はまだ怒りが身体を渦巻いていて自身を制御できない。怒りは自分のふがいなさに対してだ。
受話器の向こうから聖の抗う声を聞かされた時、息をするのを忘れるくらいの怒りがこみ上げた。そして後悔の念。
相手が常識が通じない相手だったとはいえ、ちゃんと決着をつけておくべきだったのだ。カイトが現れたあの出発の日に。
結局、聖を酷い目にあわせて傷つけた。
自分よりも大事にしたいと思った相手を常に傷つけていることを気に病んでいた神栖にとって、トドメのような出来事だった。
聖に何ていったらいいかわからない。
自分に対する絶対的自信と余裕を失ったことのない神栖が、聖に対しては何もできず、不安で、余裕もない。
言葉のないまま車はマンションの地下駐車場へ滑り込んだ。エンジンを切って、神栖はハンドルに額を押しつけた。握りしめた拳が震える。
ドアのロックが外れる音がして、助手席のドアが開く。聖はそのまま車から降りた。神栖から借りたジャケットを肩から羽織りなおすとはだけた前を閉じる。
音に神栖は顔を上げた。
「聖」
聖の名を呼ぶが、返事はない。ドアがバタンと閉じた。そのまま、エレベータに向かって歩き出す聖を神栖は慌てて追った。
神栖の顔に視線をやらず、口もきかない聖を神栖は部屋に招き入れた。聖は部屋に入るとそのままバスルームにまっすぐ向かい、扉を閉めて施錠する。
扉の外から中を伺うとお湯をバスタブに張る音が聞こえ、神栖は大きく息を吐くとその場を離れた。
いまは、何を言っても無駄だろう。
神栖はキッチンへ向かうと夕食を作り始める。外に食事に行くつもりだったが、あの状態の聖を連れて他人(ひと)の居る所に行くわけにもいかない。ゆっくり二人でここで食事でもいいだろうと冷蔵庫を開ける。
昨日、家事代行が入っているので、冷蔵庫の中は食材で満ちていた。魚と野菜を出すと典型的な和食を作り始める。白いご飯に煮魚に、野菜を彩りよく煮る。汁物のための出汁を取り始める。自分の中に答えのない考えが嫌で、神栖は料理に没頭した。
食事もすっかり出来上がったが、聖は一向に風呂場から出てこない。時間はすでに1時間半は過ぎていた。いくら長い風呂でもそろそろおかしい。神栖はさすがに心配になって、バスルームのドアの前に立つとノックをしようとした。その瞬間に扉が開き、聖が現れた。脱衣所に置いておいたバスローブを素肌の上に羽織っている。神栖の横をすっと通り過ぎるとリビングのソファにどさっと横になった。
神栖は掛ける言葉を思いつかないまま、黙って後を追う。
「聖……」
声をかけると、聖は自分を見下ろして立つ神栖にちらりと視線を走らせた。そのまま両手を差し出すと
「来いよ」
と告げる。何を告げられたかわからず神栖は聖を見つめた。
「ここにきて、俺を抱けよ」
聖のあまりのセリフに神栖は絶句した。その神栖に聖はさらに自虐的な言葉を積み上げる。
「あんたならわかるだろう。途中でお預け食らったからどうにもならなんだ」
「聖、やめろ。そんな風に自分を貶める必要はないんだ。おまえは悪くない。悪くないんだ……」
神栖は拳をぐっと握り締めた。
「はっ!確かに俺のせいじゃない。でもあいつは、あのカイトは俺だった」
いきなり聖は、大声を上げた。
「俺がカイトだったら同じことをしたかもしれない。あんたの興味を再度向けるためだけにね」
「聖、何を言っているんだ、再度ってなんだよ」
起き上がって喚く聖の肩に伸ばした手を聖に跳ねのけられた。
「もう嫌なんだ。あんたといると俺はどんどん俺の知らない俺になっていく。」
神栖を下から睨みつけ、聖は溢れてくる言葉を神栖に叩きつける。
「俺は他人とは距離を置いてきた。それで充分だったんだ。それなのに、それなのに」
聖はここで言葉を切った。
「俺はあんたに関する事は、過去もこれからも全て俺のものでないことが許せない。あんたが通り過ぎてきた、触れてきた全ての人に嫉妬している。身が焼けるように」
これ以上のない想いの強さに神栖は眩暈がする。
「聖、おまえ自分が言っていること、わかっているのか」
声が掠れて、うまく言葉にならない。
「もう嫌なんだ。こんな想いでかきまわされるのも、あんたのことばかりを考えて暮らすのもまっぴらだ。その上、カイトみたいなのに次々出てこられたら……。恋人だったんだろう。なんであんなに冷たくできるんだよ。あんたがあそこまでカイトを突き放さなかったら、カイトは俺にこんなことはしなかった」
「ちょっと待て。聖、落ち着けって。おまえ言っていることがめちゃくちゃだ」
「めちゃくちゃでいい。もう、これ以上はごめんだ。俺を抱けよ。それで終わりだ。全て」
神栖は手を伸ばして、聖の頬に手を触れた。俺を抱けと叫んだ割には、神栖に触れられるとビクリと身体を固くする。
そのまま顔を近づけ、唇を唇に寄せる。重ねた唇に再度身体を震わせる聖に構わず、深く口づける。息を奪い、舌を絡め、聖の思考を溶かしつくすことを願うような熱くて激しい口付け。
思うように息もさせず、聖の身体に力が入らず、おとなしくなるまで、神栖は聖の吐息を奪った。
「俺の話しも聞けよ、聖」
耳元で囁き、聖の身体を抱きしめる。
「カイトとは仕事以外の関係はないんだ」
腕の中で聖が暴れた。
「そんなこと聞きたくない、やめてくれ」
「聞くんだ、聖。あいつは確かに俺によくちょっかい掛けていたが、俺は手を出していない。だいたい、あいつは俺のタイプじゃないんだ」
信じていないのが丸わかりの顔で、聖は神栖を睨み付ける。だが、それは本当だった。カイトはちょっとないくらいの美人だが、神栖はああいう派手で遊んでそうなタイプより、聖のような清楚で真面目そうな方が好みだ。
「そんなこと信じられない。あんなにきれいな人なのに」
神栖は案のじょうの返しに、聖を見つめた。聖が視線をそらす。その体を離したくなくて、神栖は聖をさらに胸に抱き寄せた。
「こんなこと言うつもりはさらさらなかったんだが……」
そう前置きして、神栖は一つため息をついてから続けた。
「俺はいままで誰にも本気になったことがない」
腕の中で身じろいでいた聖が動きを止めた。
「おまえと俺は似ているんだよ。俺も他人とは距離を置いて、適当に付き合える奴と付き合ってきた。会いたいときに会って、別にほかの奴と付き合っても何とも思わなかった。それでよかったんだ。だけど、おまえは違う。違うんだ、聖」
聖を抱きしめる腕に力を込めた。この温もりを手放す時がきたら、自分は狂うだろうとすら思う。
「おまえを一刻も早くあそこから連れ出す必要がなかったら、俺はあいつらを八つ裂きにしていたかもしれない。今でも思い出すと全員ぶち殺したくなる。おまえに触れる全てのものが許せない、おまえが微笑いかける全てのものに嫉妬する。ここにおまえを閉じ込めて誰にも合わせず、俺だけを見つめてほしい」
聖を抱きしめる神栖の腕が震えた。「おかしいだろう?」と問うが、腕の中の聖は動きを止めたままだ。
「おまえは初めて俺を心ごと攫ったんだ。覚悟しておけよ。おまえに飽きることなんてないからな。おまえは全部俺のモノだ。絶対に手放さないし、おまえが逃げたらどこまでも追いつめる」
聖はだまって、神栖の告白を聞いている。否、言葉が出ないのかもしれない。
「好きなんだ、聖。おまえを傷つけないために、俺以外のだれの目にも触れないところにずっと閉じ込めておきたい。俺だけのモノに」
狂おしいまでの自分の心情を神栖は囁くように聖に告げる。
激した感情で聖を抱く腕が震えた。聖を一番傷つけるのは神栖なのかもしれないという事実には目を向けない。
「聖。俺はおまえから何があっても離れない」
聖の肩に額を押し付けて、神栖は祈るように告げた。

「神栖さん……」
やっと喉の奥から絞り出した声は掠れていた。
自暴自棄になって、このままひどく神栖に抱かれて、それですべてをなかったことにしてしまおうと思っていた聖は、神栖の告白に思考が止まるほどの衝撃を受けた。
恭しく自分を抱きしめ、懇願の響きさえ含む声音で「離さない」と告げられ、身の内に湧いた感情をなんといえばいいのか。
この自信過剰で快活な男がこんな昏い欲望を押し隠し、自分を思っていたことに、聖は冷たい幸福感を味わっていた。昏くて恐ろしいまでの独占欲。それが恐ろしくもあり、心地よくもあった。それで、そのまま自分を縛って二度とほどけなければいいと願うほどに。
「神栖さん」
聖は神栖の名を囁くと腕をそおっと神栖の首にまわした。そのまま抱きしめる。
神栖の身体の熱さが心地よい。この質感と聖を抱く腕の震えが、神栖の真実を示していることを聖は感覚で理解していた。
もう、言葉はいらなかった。神栖の過去はきっと聖をこれからも苦しめるだろう。例え、神栖がその人を愛していなかったとしても。神栖と関係のあった他人に会うたび、同じ思いを繰り返すだろう。それでも興味のない他人には、感情を向けない神栖が昏くて激しい想いを自分には向けている。今はそれでいい。ここで神栖の手を振りほどかなかったことをいつか酷く後悔する時が来るかもしれないが、今は目を瞑ろう。
これでいいんだ。これで。
聖は何度も自分に言い聞かせた。
神栖が抱きしめた腕の力を少し緩め、聖の顔を見る。無理にでも聖は口の端をあげて笑みを作った。
「聖」
名を呼ばれ、神栖の顔が近づいてくる。少し上向けた聖の顎を手で捕え、かすかに開いた唇に唇を重ねられる。舌を絡みとられ、口腔を舐め上げられた。喘ぐ聖の声はさらに神栖を狂わせるようで、神栖は聖のバスローブの合わせ目に手を差し入れた。聖の身体がビクリと震え動きを止めた。身体を神栖以外の男の手が這ったことを思い出す。ぞっとして、身体が冷えた。
「聖、おまえが欲しい。覚悟しろよ。逃がさない」
ぐっと抱きしめられて、熱い神栖の体温に聖は恐怖と安堵を感じた。
「止めても無駄だからな。おまえが俺を駆り立てたんだ。そして終わりはない」
あっという間にバスローブをはぎとられ、神栖は聖の首筋から肩へそして胸へと愛撫を繰り返す。唇で、大きな手で。
「……あぁ……や……嫌だ、神栖さん、駄目だ」
「おまえのいやだは嫌じゃないから、だめ」
胸の突起を硬くした舌先でつつかれ、舐め上げられて、聖の腰が浮く。かすかに開いた唇から吐息が上がり、甘い悲鳴が漏れる。
「いや……あぁ……くるす……さ……」
いつもより激しく愛撫されて、聖の頭が左右に振られる。身体の奥から快い疼きが襲ってきて目が回る。神栖に触られるとどこでも変に感じて身体に火が付いていく。
「今夜はしないつもりだったのに」
聖の耳元で神栖が意地悪げに囁く。
「神栖さん?」
「おまえの言葉が俺の理性を飛ばしてくれたんだから責任とれよ。何度でもイかしてやる」
耳の中にキスされ、耳たぶを甘噛されて、聖はまた甘い吐息を洩らす。
神栖の攻撃的で刺激的な言葉さえ聖を煽り、身体を熱くする。
「泣いて許しを請うまでやめてやらない」
「神栖さん……はああ」
勃った聖に手を掛けると、神栖は慣れた手つきで聖を翻弄し始める。
「いやだ……いやだ……」
息の音にしかならないセリフを聖は繰り返す。おかしくなりそうな快楽の波が聖のなかでせめぎあい、身体の中を駆け抜けていく。何度も何度も火花のような光が脳裏をよぎり、聖は声をあげる。
「ああ……だめ……イく……」
聖の申告は無視して、神栖はあっさり聖を絶頂まで追い詰める。
「――あぁああ―――」
肩で息をしている聖を神栖は器用にもソファの上で、くるりとひっくり返した。
うつぶせにされて、膝を立たせられる。
後ろから抱きしめて、胸の突起を両方とも指先で転がしてやる。
「――あ――はぁぁっ……」
首が後ろにのけぞるとその顎を左手で捕えて上向かせる。そのまま手を滑らせて、指を聖の口の中に差し入れる。中指と薬指が口の中を蠢き、神栖の指を聖の唾液が伝う。そして、右手はそのまま聖の感じるところをさらに攻める。
「ここ触れるの、好きか?」
胸の突起を摘まれ指ではじかれ、転がされて、聖は左右に頭を振る。
「素直じゃないな。いいって言えよ」
さらに触られ、撫で上げられて、また甘い声が上がる。
「好きだろう?」
追いつめる言葉に聖は首を縦に振った。
「いい子だ」
右手はそのままに、左手の指で双丘の間の蕾に触れる。触れただけで、蕾の表面がどくんと波打つのがわかった。入り口だけ指を挿れ、すぐに出す。触れては出すだけの動作に聖の腰が切なげに震えた。聖が焦れるまでじっくり指先を入れては出す。
「神栖さん、やめ……、変だよ、身体が熱い……」
果てたばかりの聖自身もすでに勃っている。その聖を右手で掴み撫で上げる。前も後ろも手で攻められて、聖の息が上がる。切なげに眉が寄せられ、身体を翻弄する快感に頭の中が溶けていくようだ。
神栖は聖をさらに追いつめる。さらに愛撫は激しさを増し、聖の啼く声だけが夜気を切り裂く。
聖が達すると神栖は聖をそのまま担ぎあげ、寝室まで運ぶとベッドにどさりと降ろす。息をするのも苦しいくらい心臓が拍動し、聖は腕をあげるのも辛い。
身体をベッドに投げだして息を整えている聖の傍らに膝を乗り上げると神栖は、聖の身体に手を這わす。体中、神栖に触られていないところはないくらいに、肌の感触を楽しみながらなでまわされ、聖の感じるところを探し当てると責め立てた。
「もう、でき……な、や……だ……」
すでに2回も達しているのに、聖は飢えと渇きに似た感覚は全く衰えず、神栖の指が肌を行き来するだけで吐息があがり、快楽の波が聖を押し流す。
「ここは、できないって言ってない」
神栖はすでに昂ぶっている聖に指を絡めた。背筋を電流のような感触が走り、声が漏れる。
「やぁっ――」
身を捩り、手から逃れようとするが腰を攫われ逃げられない。
「くるす……さん、もう、やっ……」
身体は素直に反応して昂ぶっていくのに、身体の熱は内にこもり飢餓感は高まる一方だ。聖は何とか身を起こし、手を伸ばすと神栖の手を上から押さえつける。
もう耐えられない……。
「せい……」
怪訝そうな神栖の声を無視すると聖は動きが止まった手を掴んで引きはがし、そのまま自分の口元へ運ぶ。掌を舐め、指の間に舌を這わし、神栖に潤んだ瞳を向ける。
均整のとれた身体の線が綺麗だと思い、開いている手を伸ばし、胸に掌をあてる。肌の下のしなやかな筋肉の感触が気持ちがいい。
そのまま、神栖の胸板を撫で、力を込めて後ろへ押し倒す。それと同時に手を離した。
急な動きにバランスを崩し、神栖はベッドへ仰向けにどさりと倒れ込む。その神栖に覆いかぶさるように聖は神栖に手を伸ばし、好き勝手に触りだす。
身体の線をなぞり、神栖の股間までたどり着くとすでにそそり勃っている神栖のそれに指を絡める。
熱い……。
ゆっくり動かして神栖の熱さを堪能する。

聖の突然の様子にどうするつもりなのかと神栖は聖の好きにさせていた。聖の思考を飛ばしたくて、何も考えて欲しくなくて無茶苦茶に聖を責め立てたが、確かに理性はぶっとんでしまったらしい。聖からこんな風に触られるのは初めてだ。
いつもは俺が一方的に好き勝手にして、何もさせないんだが。
何故か冷たい指が自分を締め付け動くのが、妙に新鮮で官能的だ。神栖の下腹部に力が入る。
自分の手の中で大きさを増し、さらに熱く猛る神栖のものを弄りながら、聖は嗜虐的な喜びを感じたらしい。かすかに微笑んで、身体を神栖の足もとに下げ、手の中で一段と熱さを増すものに口づける。
聖に咥えこまれて、神栖の口から呻きに似た声が上がる。
「っ…せい…おまえ…」
たどたどしく舌を絡ませ、舐め上げ、口で扱くのが嬉しいと神栖は思った。喘いでいたせいか聖は口の中ですら体温が低く冷たい。それがまた刺激となって感じる快楽に神栖は腰を動かす。さらに張りつめ猛り狂い、これ以上ないくらい反らせたとみるや聖は口を離した。
上半身を起こし、神栖に膝立ちでにじり寄ると神栖の腰を跨いだ。右手を身体の後ろへ回し、神栖の勃ったものを握ると聖は腰を落とし、紅く息づく自分の蕾へそれを誘導する。神栖の先端が蕾に触れ、
「あぁっ…」
満足げに聖は息を吐き出した。そのまま座ろうとする聖の腰を神栖は両手で押さえた。
「だめだ」
「なぜっ」
欲望を止められて聖が叫ぶ。瞳を閉じ、眉をよせると頭を左右に振る。
「神栖さん……もう……」
「輝って呼べよ」
神栖の言葉に聖は瞳を見開く。そして、瞳を閉じるとまた頭を左右に振る。
「嫌だ」
拒絶を口にする聖に、神栖は顔を歪めた。
「なぜ?」
「だって……カイトと同じになってしまう」
息だけで囁いた聖に神栖は瞳を見開いた。そうまで気にしていたのかとすら思う。だが、誰が自分の名を呼ぼうが、聖が呼ぶのとは意味が違う。それをわかってほしかった。
「おまえに呼んで欲しいんだ」
聖を見つめて神栖は甘く囁く。
「聖、俺を見て」
聖は瞳を開く。きれいだが、冷たい瞳を神栖はじっと見つめた。できるだけ優しい視線を聖に向けた。
「聖」
呼んでと目線で促す。
「輝さん……」
消え入りそうな声で聖が呟く。神栖は小さくため息をついた。
まあ、いいか。今はこれが限界の様だ。
神栖は聖を抱きしめる。神栖の首に両腕を回し聖も、神栖に抱きついた。
「輝……さん、欲しいんだ」
吐息混じりの言葉、熱い吐息が神栖の耳を掠める。腰の奥がぐんと重くなった。押さえている欲望が聖を求めて暴れだす。
「あなたが……欲しい……」
聖からねだられて、無視できるはずがなかった。神栖は聖を自分から引きはがすとベッドにうつぶせにする。両ひざを立て、両足の間に自分の身体を入れる。自身を聖の息づく蕾に押し当てると一気に貫いた。
「あああぁっ……」
長く尾を引く満足げな悲鳴が上がる。奥まで呑み込んで蠢く体内に神栖も唸り声を上げた。すぐさま動き出した神栖に聖の喘ぎ声が高くなる。荒い息使いと聖の啼き声が夜気を震わし、官能が空気をも染めた。
「もっと……」
このまま自分を壊して欲しいとばかりに聖はもっとと繰り返し囁く。入り口と奥を行き来する神栖のモノが聖の体内を擦るたびに、背をしならせた。
「ああっ……もっと……輝さ……ん……」
「聖……」
荒い息で聖の名を呼び、神栖は一度自身を抜くと聖を仰向かせた。
「んっ……やだっ」
まだ足りず、満たされないのだろう聖は抗議の声を上げる。
その聖の足を大きく開かせると神栖は何も言わずにまた奥まで一気に刺し貫いた。
「っあぁぁぁ……」
聖の口から歓喜の声が上がり、神栖は聖を見つめながら自身を動かす。
聖は泣いていた。目尻から涙の筋がつたう。快楽のせいなのか苦しみのせいなのか。
見ていられなくて神栖は自分の身体おまえに倒すと聖の目に唇を落とす。涙を吸い取られ、聖は自分が泣いていることに気付いたようだ。
「どうした」
神栖の問いに左右に首を振る。
「わからない」
聖は自分の感情が自分で理解できないようだ。
「輝さんが欲しい。やめないで……俺をあなたで満たして……」
快楽で潤んだ瞳で見つめられ告げられた言葉に神栖は苦笑した。
究極の殺し文句だ。
「その望み叶えよう」
神栖は告げると激しく動く。聖の腰が浮き、身悶えるのを押さえつけ、できうる限り激しく聖を求める。身体の奥までえぐり、自分をのみこむ聖を感じる。
聖の喘ぎと啼き声は止まることなく闇を引きさき、そして、
「……あぁ……もう……だ……め……あぁぁっ……」
背を思い切り反らして叫び、同時に神栖からも苦しげな吐息が漏れ、二人は同時に官能の頂に登りつめた。
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