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平行線の恋

平行線の恋

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そのまま眠ってしまった聖の傍らで、神栖は煙草に火を点けた。闇に赤い光がともり、ふうという息の音とともに白い煙が立ち上る。
重い身体と言いようもない満足感が神栖を満たしていた。
自分から俺を求めたのは初めてだと神栖は聖を見下ろして想う。
鎧が硬くてプライドが高くて、追い詰めないと欲望に素直にならない聖。
手を伸ばし、うつぶせで眠る聖の髪をなでる。指の間をさらさらとした感触が流れて行く。
聖は俺に好きだと言わない、一度も。
簡単なことだ、あんな血を吐くような告白ではなく、好きだの一言で通じるにもかかわらず、この青年はそんなこともわからない。
まあ、こいつが俺に惚れているらしいということだけはよくわかったけどな。
煙草の煙を吐き出し、神栖は獰猛に笑った。
そして自分もまた、目の前で眠るこの青年に深く心奪われている。
「おまえが好きだ、聖」
聞こえないだろう相手に囁き、煙草の火をベットサイドの灰皿で消すと、神栖は聖に覆いかぶさり髪に口づけた。



重い。
意識を取り戻して、聖は自分の背の上が重いと目を覚ました。
あたりは薄闇が広がり、早朝の気配が部屋に忍び込んでいる。聖はうつぶせたまま頭を巡らせ、自分の背に神栖が頭をのせたまま眠っているのに気づいた。神栖の腕は聖の腰に回っており、半分押さえつけるように眠っている。
身体の節々が鈍く痛み、激しかった情事を思い出させ、聖は顔が熱くなるのを感じた。脳の中までかき回されるような強烈な刺激が聖の全てを狂わせ、現実味を奪われて、何かひどくすごいことを口走った気がする。理性が戻ってくるといたたまれない想いがした。どんな顔をして神栖と向かい合えばいいのだろう。
触れ合った肌から流れてくる体温が優しく気持ちがいいが、神栖の重さでだんだんうつぶせた体勢が辛くなってきて、聖は身じろいだ。
神栖の頭が聖の背から落ちる。聖は身体を横に向けた。眠る神栖の顔が見える。光の強い瞳が閉じていると年より幼く見えると聖は思った。鼻筋の通った端正な顔立ち。
眠っているとカッコイイというより綺麗だと、聖は手を伸ばして神栖の髪に触れた。長めの髪をすくい上げ、耳の後ろへ流す。耳から首筋、肩のラインがきれいに見えて聖は少しどぎまぎし、手を離す。その手首を腰にまわされてた腕に掴まれた。神栖の瞳がぱちっと開く。
思いがけず見つめあうことになったが、聖は瞳が逸らせない。
「起きたのか」
聖が問う前に神栖に問われる。頷くと掴まれた腕を思い切り引かれ、あっという間に体勢を変えた神栖の胸に抱き込まれる。
肌が密着し、足を絡められて身動きが取れない。
「神栖さん」
どうしていいかわからずに聖は神栖の名を呼ぶ。
「まだ、朝までは間がある。もう少し、眠れ」
抱きこまれた身体から声が響く。
抱きしめられたまま眠れといわれても鼓動が速くなっただけで、眠るどころではない。
「離せよ、これじゃ眠れない」
恥ずかしくてできるだけそっけなく言うが、これだけくっついていたら、鼓動がとび跳ねたのを見透かされているに違いない。
「大丈夫、何もしないよ。あっためてやるから寝ろ」
何が大丈夫なんだか、こんなに肌を寄せ合っていたら大丈夫の訳がない。
「せめて服を……」
「いまさらだ」
言いかけた言葉はあっけなく神栖に切って捨てられる。神栖には聖を離す意思はないということだ。
大きな溜息を一つ吐き、意識しているのは自分だけなのかとまた恥ずかしくなる。
体温の高い神栖は確かに温かく、妙に意識しなければいいのだろうが、他人と接したまま眠ったことのない聖としては意識せざるをえない。
「明日は、仕事を入れてないし、一日おまえと過ごすからな」
「また、命令」
「お願いだ」
それは絶対お願いしている態度じゃないだろうと強く思うのだが、そんなことを言うのもだんだん馬鹿馬鹿しくなってくる。
この人はこういう人だ。
聖はまた深いため息を一つ吐く。頭の上からは規則正しい呼吸音が聞こえる。
「神栖さん、寝たの」
問いかけても答えはない。言いたいことだけ伝えて、神栖は寝てしまったらしい。さすがの神栖も海外から帰ってきた日にこれだけのことが起きれば疲れもでるのかと聖は思い、抱きしめられたまま居心地のいい姿勢に身体の位置を変えると瞳を閉じる。
神栖のゆっくりとした鼓動の音と一定のリズムで上下する胸、温かい体温を感じているうちにそれがだんだん不安や恥ずかしさを消し去っていく。
こういうのも悪くはないのかもしれない。
そんな風に思った記憶を最後に、聖もまた眠りに引きこまれていった。
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