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「山神の花嫁_昔話」
冬の月影

冬の月影(5)

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「旦那さま」
そっと襖が開き、控え目な声に、そちらに顔を向けた泉は息を飲んだ。
正座して開いた隙間から顔をのぞかせたのは、艶やかな黒髪を後ろでゆるく束ね、白皙の肌を持つ絶世の美女だった。
「こっちへ、耀華(ようか)」
ひどく優しい顔で竜胆はその女性を手招いた。それに華やかな笑顔で応え、耀華は部屋の中へ入り、末席に腰を下ろす。
どの動作も流れるようで、泉は瞳が離せない。
「紹介するよ、泉。こっちは耀華。耀華、こっちは緑の花嫁、泉だ」
「初めまして。よろしくお願いします」
初めて見るようなうつくしい人に泉はどぎまぎと挨拶をする。
「泉様ですわね。お噂はかねがね。こちらこそよろしくお願いします」
ころころと鈴が鳴るような声で、耀華は挨拶を返した。
様つきでよばれて、泉は慌てて首を振る。
「耀華様、私のことは泉と呼んでください……」
「まあ。私にも様はいりませんわ」
くすくすと笑われて、泉は頬を染めた。
「緑の主様にもお久しぶりでございます」
耀華は翡翠にも頭を下げた。
「かわいらしい方ですのね。主様の大事な方は」
「相変わらずだな、耀華」
にっこり翡翠が笑う。
「泉、耀華もお前と同じに元は人間だ。青の主が惚れこんで、ここに連れてきた」
翡翠の言葉に泉は翡翠と耀華を交互に眺めた。
こんな綺麗な人が神様じゃないとは泉には驚きだ。どうみても都にいるというお姫様のようだった。泉はこんなうつくしい人を見たことはない。
「どうした?」
言葉なく耀華を見つめている泉を心配そうに翡翠が覗き込んだ。
「い、いえ……」
不躾だったかと泉は俯いた。
「あ、あまりにお綺麗なので、つい……」
消え入りそうな声で答えると、場が静寂に包まれる。
やっぱり礼に失したかと泉は耳まで真っ赤になる。
一瞬後、いきなりその場にいた泉を除く3人が笑いだした。
それが咎めるようでなく、いかにもおかしいという笑いで、泉は困ったように3人を見、そして、肩を震わせて笑っている翡翠で視線を止めた。
「翡翠様……」
情けない声を出した泉を翡翠はちらりと見て、さらにくっくっと笑う。
「泉。お前は鏡を見たことがないのか」
笑いながら、竜胆が泉に訊いた。
「どういう意味です」
「言葉通りだけど。泉も『あまりにも綺麗だ』っていう意味」
さっくりとあまりなことを言われて、泉はさらに面食らう。
「泉。竜胆は綺麗なものに目がないんだ。言わなかったか?その竜胆が気に入ったのがお前なら意味もよくわかるだろう」
それに、いつも俺が言っているのに信じてなかったのかと翡翠は泉にだけ聞こえるように耳元で囁く。
さらに首筋まで紅に染めて、泉は下から翡翠を睨んだ。自分の容姿などあまり気にしたことのない泉は、二人の言葉に戸惑う。
耀華は女性で、自分は男だ。耀華は細身なのに均整の取れた身体に、小さく綺麗な顔が乗っている。どう見たって、美しいとは彼女のためにある言葉のようだった。
「光栄ですわ、泉様」
ころころと耀華も笑っている。
ようやっと笑いをおさめて、竜胆は泉を見た。
「挨拶はこのくらいにして、泉、屋敷にいる人を見たいって言ってたよね。耀華に案内させるから、屋敷の中を見て回ったらいい」
竜胆を泉は見つめ返す。
確かに、そんな話を竜胆とした。
翡翠の家来衆は人形だけだから。竜胆のご家来はもと人間とか精霊とかだという話だった。
「竜胆様。ありがとうございます」
泉はすっと頭を下げた。なんだかんだ言っても竜胆様は良い方だと泉は思う。
「翡翠様、行ってきてもいいですか?」
翡翠は笑って頷いた。
「耀華、泉を頼む」
「緑の主様、お預かりしますわ」
二人は立ち上がると部屋を出るために襖を潜る。
「いいのか、緑の。泉は耀華に見惚れてたぞ。心配じゃないのか」
「あほか。そんな心配は無用だ」
そんな会話が背中から追いかけてきて、泉は逃げるように部屋を出た。
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