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「山神の花嫁_昔話」
冬の月影

冬の月影(10)

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「……やぁっ……ああっ……」
翡翠の雄芯で身体を貫かれ、泉は甘やかな悲鳴を上げる。月の光がぼんやりと照らす室内に荒い息と濡れた音が響く。
言い訳を聞いてやると言った翡翠は腕に泉を抱えたまま部屋に戻るや、泉を抱いた。
「……んっ……はぁ……んっ……ひすい……さま……」
切れ切れに掠れる泉の声が翡翠を呼ぶとさらに奥まで抉られた。
「あぁぁっ……」
「様はいらない。翡翠って呼べ」
今夜の翡翠はずっとそう言いながら、泉を喰らう。いつもなら焦らすぐらいに中を解すまで身体を繋げないのに、今夜は早急に押し入られた。
熱くて固い翡翠自身が泉をかきまわすたび、泉は自分が溶けて翡翠と一つになってしまうような感覚を味わう。
それでも翡翠が告げる言葉の意味が泉にはわからず、泉はずっと首を横に振り続けている。
翡翠様を翡翠なんて呼べない。
翡翠様は神様で、自分とは違うのだから。
「泉。俺を見ろ」
あまりの快楽に瞳を閉じた泉を翡翠は呼ぶ。泉はゆっくり瞳をあける。視界に広がるのは闇でもわかる金色の双眸(め)。
いつもは琥珀色の翡翠の瞳は感情が高ぶった時だけ、金色に光る。
きれいだと泉は思う。
「なんで、お前が俺を独り占めしちゃいけないんだ?」
身体を繋げたままそんなことを訊くのは反則だ。答えられるわけがない。思考は溶けてぐずぐずで、残っているのは意地だけなんだから。
泉が首を横に振るといきなり背中に回った腕で身体を起こされた。
「……ああぁぁっ……だめっ……」
座った翡翠の膝に座る形になって、泉は背を反らせた。深くておかしくなりそうだ。
「泉……?」
甘く問いかけられるともう何が何だかわからない。
「翡翠様は神様だから……」
うわ言のように何度も答えた言葉を繰り返す。
「俺が他の誰かを、お前以外の誰かを抱いてもいいんだな」
翡翠様が誰かを抱く?今、こうやって繋がっているように?誰かと?
泉は身体が硬直したように動かなくなった。翡翠様が心の臓を鷲掴みにしたんじゃないかと思うような痛みが胸を走る。
嫌だ。誰にも触れてほしくない。その琥珀の瞳で甘く誰かを見るのも嫌なのに。
それでも……。
泉は瞳を閉じる。目尻から涙がこぼれた。溢れる涙は、胸が痛いからだ。心の臓を掴んでいるのは翡翠様なんだから、泣いたっていいだろう。
泣きながら、泉は首を縦に振る。
それでも、翡翠様を私が独り占めしていいわけじゃない。
「ばかだな」
泉の細い体を抱き締めて、翡翠は泉の涙を舌先で舐めとった。
「いいって言いながら、どうして泣く?」
「胸が痛くて……翡翠様が私の心の臓を掴んでらっしゃるから」
身体の中を翡翠がゆすりあげた。
「……ふぁ……あぁっ……」
「掴んでない。お前の中を貫いているだけ」
言いながら、翡翠は泉の腰を取ると浮かせては落とす。
「……やっ……ああっ……」
深いところまで、翡翠が届いて、それに自分の内壁が絡みついて、泉はおかしくなりそうだった。
甘い意味をなさない喘ぎだけが口をつく。
「お前の中の俺を感じるだろう?」
翡翠の声に泉は何度もこくこくと頷く。
熱くて苦しくて、それでも満たされる想いがするのはなぜだろう。
翡翠が自分を喰らうことが生きていることを実感する時だなんて、きっと翡翠は知らないに違いない。
「俺もお前を感じる。まるで俺が喰われているようだ」
甘く低い声が泉の耳を打つ。
「お前の中は熱い……溶けてしまいそうだ」
翡翠は甘い言葉を囁きながら、下から泉をつきあげる。
溶けてしまえばいい、溶けあってどちらだかわからなくなったら、誰にも翡翠様をあげなくてすむ。
「……ああっ……翡翠さま……はぁっ……んっ……」
早く激しくなった動きに泉は背を反らせ、身体の中を駆け回る痺れに耐えた。
「泉、俺の名を呼べ」
背をひっきりなしに駆けあがる快楽が泉の思考を更に溶かし、呪文のように繰り返される甘い翡翠の囁きが、泉の脳を犯していく。
「……んっ……あぁぁっ……ひすい……」
身体が反って、泉は頭の中を火花が散るのを感じる。自分がもう何を口にしているかもわからなかった。
ただ、翡翠の体温と自分を満たす熱に浮かされて、泉は頂を予感する。
意識の片隅で、翡翠がくっと呻いたのを聞く。
「力を抜け……」
強い絶頂感に中を締めつけてしまったのだろう、翡翠の言葉に、泉は首を横に振る。長い黒髪がさらさらと音を立てた。さらに絞りあげるように締めつけると最奥に熱い迸りを感じた。
灼けつくような感覚……。翡翠様の刻印……。
翡翠の全てで自分を埋めたような気がして、泉は口端を微笑みの形に上げた。
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