スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←逃亡の旅(4) →寝ぼけてたらしい
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png はじめに
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
もくじ  3kaku_s_L.png Novel lists
もくじ  3kaku_s_L.png 奇跡の刻
もくじ  3kaku_s_L.png 平行線の恋
もくじ  3kaku_s_L.png 煉獄の恋
総もくじ  3kaku_s_L.png 天空国の守護者
総もくじ  3kaku_s_L.png 巡る季節と恋の順番
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 山神の花嫁_昔話
もくじ  3kaku_s_L.png 告白の向こうへ
もくじ  3kaku_s_L.png 空の月を恋う
総もくじ  3kaku_s_L.png おまけ番外編ショート
もくじ  3kaku_s_L.png 遠回りの片恋
もくじ  3kaku_s_L.png 腕の中の迷い猫
総もくじ  3kaku_s_L.png 蒼い闇の化身
  • 【逃亡の旅(4)】へ
  • 【寝ぼけてたらしい】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

告白の向こうへ

告白の向こうへ(5)

 ←逃亡の旅(4) →寝ぼけてたらしい
ざわざわと店内は人の声でにぎやかだ。天井が高く、明るい雰囲気の店内は女性にも人気なのだろう。女性だけの客も目立った。高宮主催の男性5人、女性5人の合コンはちょっとおしゃれな居酒屋での開催だった。実生は端の席に座って、目の前に座る着飾った女性たちを眺めていた。みんな気合が入っているのか、やたらと色っぽく見える。ちらちらと送られる視線を受け止めかねて、実生は若干、目を伏せた。つと、実生は横を見る。席が一つ空いていた。
「なんかまだそろってないけど、時間だし、始めましょうか」
高宮がそう声をかけるとそうだなという声が口々に上がる。ビールのジョッキが運ばれてきて、それをみんなが手にする。
「堅苦しくない会なんで、親睦を深めちゃってください」
幹事の高宮がそう宣言するとくすくすと女性たちが笑い、男性陣はおおっと賛同し、乾杯という声とグラスが当たる音が響いた。
実生も軽くジョッキを前の女性と合わせる。
「人事課の積木です」
乾杯がすむと目の前の女性がそう自己紹介をしてきた。うす桃色のニットに銀の鎖にかぎ型のトップのついたネックレスをしている。ニットは襟ぐりが深くて、黒のレースをあしらったキャミを着ていた。それでも胸元の谷間がくっきりわかった。化粧も薄いのにやたらと艶っぽいのは目元のほくろのせいかもしれない。
「あ、俺、技術営業の……」
「霧森さんですよね」
名乗る前に名前を言われて、実生は面食らった。なんで名前を知っているのと顔にかいてあったのだろう。積木は悪戯っぽく笑う。
「この間、新入社員に対するメッセージの取材を受けましたよね、霧森さん」
言われてみれば、新入社員募集のホームページに先輩社員からのメッセージを載せるとかで取材を受けた。担当は人事だったはずだ。それを見ていたのだと気付く。
「そうそう。一度はお話したいと思ってたんです」
その横の女性が「私も」と呟くのを実生は驚きの表情で見ている。どう返そうか迷ったところに頭上から声がした。
「遅れて、悪い」
「小野原さん」
聞き覚えのある声とその名前にどきんと鼓動をはねさせて、実生は顔をあげた。そこにはグレーのスーツに白いシャツ、綺麗な青色のネクタイを締めた律人が見慣れた笑顔を浮かべて、拝むように手のひらを前にして、立っていた。
当然のように実生の隣に座る。
「小野原……おまえ……」
呟くと律人は実生を目にとめて、にっと笑った。
「珍しいな、実生。おまえがこういう席にいるの」
律人が出席するとは聞いていなかった。自分も言わなかったが、なにか悪いことをしたところを見つかった子供のような気になる。
「小野原さん、何飲みます?ビールでいいかな?」
律人の前の女性と積木は、律人に訊く。
「ああ。ありがとう」
律人は声のほうに視線を投げると、前髪をさらりとかきあげて、口端をあげた。2人の女子がぼうっと律人を見ていた。
やっぱり律人はモテる。どうしたって女の人はみんな彼狙いだ。
なんとなく面白くない気分を実生は味わった。自分に向いていた目が律人に向いてしまったことを羨んでいるのか、それとも彼女たちの律人狙いのあからさまな視線が不快なのか。
もやもやとするなんともいえない気分の悪さが心の底を漂っていた。ビールジョッキを席の前の積木さんと合わせている律人を横目で睨みながら、実生もビールに口をつける。
あいかわらず、律人はジョッキ半分くらいあっという間に喉に流し込んでいる。彼の喉元が飲み込むたびに上下するのを男っぽいと思ってついじっと見てしまった。
ビールで喉を潤すと律人は、会話に参加しだす。不思議なことに、律人が現れた途端、場がまとまって、ここかしこで交わされていた会話が、一つに集約した。
話題は最近流行の映画だとか、ゲームだとか、スマホの機種だったりとたわいもないが、場は終始和やかで楽しい。
「霧森さんって、お休みの日はなにしているの?」
右斜め前の女子からそう尋ねられて、聞き役に徹していた実生は慌てた。
「え?あ、ああ。特に何も。家で本読んだり、ゆっくりしたりかな」「お掃除とか洗濯は?」
積木が驚いたように尋ねるのに、逆に実生がびっくりした。
「実家なんだ。通勤に便利でなかなか家を出る気にならなくて」
「びっくりした。やってくれる人がいるのかと思っちゃった」
「いないよ」
積木の言葉に驚いて実生は即座に否定した。そんな人がいたら、ここにはいないだろうと思う。困ったように横を見れば、律人と瞳があった。
「あんまりからかわないでやってよ。霧森は真面目だからさ」
一度、瞬いた律人は実生の助けを求める瞳に即座に反応した。だが、助けてくれたのだか、からかっているのだかわからない言葉に実生は律人を軽く睨む。
「霧森さん、イメージ通り。可愛いですよね」
ちょっと離れた席に座る女性が微笑みながら、こちらを見ていた。
「紗枝さん。男に可愛いは褒めてないって」
紗枝と呼ばれた女性の前にいた営業部の武野がさわやかに笑う。たしか彼も有名私大出身で営業部のホープと噂されている。高宮のおかげなのか、そういうものなのか、この合コンは何気にレベルが高い。マーケティング部の豊津は最年少の主任だし、営業の作田はK大出身だ。なんで、この中に自分が入っているのかはよくわからなくて、実生はちょっと自分だけ浮いている気がした。
「そんなことないですって。可愛いは褒め言葉です。ねー?」
横に座る同じ秘書課の河合と顔を見合わせて、紗枝は可愛く首を傾げる。それに、豊津と作田がため息をつく。
「霧森さん、スポーツは?」
話をそらそうとしてくれたのか、積木の質問に実生はそちらを向く。「高校時代には、水泳やってたけど、いまは時間なくてね」
「自由形?」
「平泳ぎで四百メートル。派手さはない競技だよ。小野原はテニスだよな」
自分のことばかり訊かれて、困ってしまい律人に話を振る。律人は、大学でもテニスサークルに入っていたと聞いている。ひどくレベルの高いサークルで、確か、高校でも県立大会くらいに出てないと入部が認められなかったと笑っていた。
律人は高校で県内ベスト4までいった実績がある。
「まあな、趣味みたいなもんだ」
「私もテニスを最近始めたんです。よかったら今度、ご一緒させてください」
律人の前に座っている女性が、律人を見つめて、お願いする。
20代も後半になるとなんとなく恋人が欲しいものなんだろうと熱っぽく律人を見つめる女性を見て実生は思う。学生時代と違って、出会いはなかなかないし、だから、こんな合コンをやっている意味があるんだろう。とくに、本社の事務系には年配の男性が多くて、適齢期の男性と知り合う機会なんてないと給湯室で女性が話しているのを聞いたことがある。先輩からも仕事が忙しくなって、恋愛どころじゃなくなるから、早めに嫁さんもらったほうがいいと言われたことを思い出した。
だから、みんな躍起になって合コンとかしてるんだよな。
まるで他人ごとのように実生は思う。目の前に並んだ女性たちもかわいらしかったり、色っぽかったりとさまざまなタイプがいたが、興味をそそられるほどの子はいない。
やっぱり自分は好みが相当狭いのかもと実生は内心、ため息をついた。
会が始まって2時間も経つと、次はカラオケに行こうかという話が出始めた。
それを横目に聞きながら、実生は席を立った。律人にどこに行くんだと小声で訊かれ、トイレと答える。
居酒屋の中の一番奥の通路をトイレを探してきょろきょろしていると
「霧森さん」
後ろから名を呼ばれた。振り返ると紗枝が立っている。実生が立ち止ったのに気をよくしたらしい紗枝は、とことこと近づいてくると実生の前にやってきた。やけに距離が近くて、実生は後ろに足を下げるが、ここは通路で後ろは壁だった。
「霧森さん」
鼻にかかったような甘えた声で呼ばれて、実生は困ったように笑い返した。紗枝はさらに足を一歩踏み出した。距離がまた縮まり、実生は身の置き所がなくて、ひどく困惑した。
「これからどこか行かない?」
そういう紗枝は他の女性同様、襟ぐりが広いレース風のトップスにタイトなミニスカートという出で立ちだ。そう背の高くない実生でも見下ろすくらいの身長の紗枝の胸元からはタンクトップが見えているがさらにその下の下着の白いレースも重ね着的に見せているようだ。実生はどこに視線を置いていいかわからずに彼女のつむじを見ていた。カールのかかった薄茶色の髪に、少し丸めの輪郭、二重の瞳が下からじっと実生を見つめている。
「みんなはカラオケ行くって言ってたけど、紗枝はあんまり歌得意じゃないし。それより二人で飲みなおそうよ、ね?」
お酒も入っているから大胆になっているのか、彼女はさらに実生に近づいた。このままだとすがりつかれてもおかしくない距離で、実生はうろたえる。
合コンに出ているのだから、当然、こんなことも期待しなかったわけではないが、積極的に誘うのは自分のほうであって、女性からとは想像もしていなかった。
普通、こういう場合はどうすればいいんだろう。
めまぐるしく頭の中で言葉が回るがどう返していいかわからなくて、実生は困ったように紗枝を見つめた。
かわいいとは思う。襟ぐりから見える肌も白くて、肉付きのいい身体もきっと男だったら、一度は触ってみたいと思うんだろう。
だが、実生の困惑は深まるばかりで、この場から早く逃げたいとしか思えない。
「ねえ?霧森さん、紗枝みたいなの嫌い?」
「霧森」
しなだれかかられそうな状態で、どうしたものかと思案していた実生の意識を自分を呼ぶ声が引き戻した。
顔を向けると通路に律人が立っている。紗枝も律人を認識してばつがわるかったのか、すっと後ろへ身体を下げた。
「邪魔」
通路をふさぐ形になっていることを指して、律人は言ったのだろうが、その口調がやけに冷たい。
二人の間を抜けるような形で通ろうとした律人の後を実生は慌てて追った。男性トイレの扉をくぐると実生は大きく息を吐いた。
さすがにここまでは紗枝も追ってはこない。
「何やってんだ」
イラついたように吐き捨てられて、実生は律人を見る。律人は怒っているようだ。眉間の間に皺が寄っている。
何が気に食わないのかわからずに、実生は律人をきょとんと見返した。「え。別に何も……」
「おまえって……。ああ、もう」
文句を言いかけて、律人は言葉を切り、うんざりしたように髪を乱暴にかきあげた。せっかくきれいにセットした髪が乱れ、はらりと前髪が額に落ちた。
何に律人がイラついているか実生にはわからない。さっきの娘、狙いだったのだろうか。
ああいう肉感的なのが好みなんだろうか。胸がふっくらしていて、ミニスカートからのぞいた足も全体的に肉付きがよかったことを思い出して、実生は首をかしげる。その割には口調が冷たかったが。
「あの女、好みだったのか?」
同じことを考えていたのだろう律人に訊かれた問いに実生はとっさに首を横に振る。美人は美人だったが、あんな風に迫られて実生はただ困っただけだ。あの肉感的な身体にも何の感慨もなかった。どちらかというと助かったという気持ちが強い。
「あのさ……」
「いいか、店の外で待っているから、すぐに来い」
実生が言いかけるとそれを遮るように、説明も脈絡もなく、ただ命令するような口調で律人は一方的に実生に告げるとそのままトイレから出て行った。
何を怒っているんだろう。実生は不安になる。律人はそうめったに怒らない。わりと何を考えているかわからない顔で、口元に笑みを浮かべていることが多い。
今日は、実生は特にお酒に酔っているわけでもないし、律人とはほとんど会話をしていないから、怒らせること言った覚えもないが、どうしたんだろう。
実生はとりあえず、用を足すと慌てて、店の外へ向かった。席には戻らなかった。
店の外に出ると、実生の荷物を持った律人がイライラした様子で待っていた。
「律人」
声をかけると荷物だけ差し出され、受け取ると同時に律人が歩き出す。それを実生は慌てて追った。
「みんなは?」
「おまえが酒に酔ったみたいで、具合がよくないから俺が送るって言っといた」
背中からイラつきと怒りを抑えている気配を漂わせながらも律人は実生の質問に律儀に答えを返す。だが、その声はいつもより低くて、何かを耐えているように聞こえた。
実生は何も訊けずに、律人についていく。こんなに機嫌の悪い律人を見るのは初めてかもしれない。
大通りに出ると律人はタクシーを拾い、実生をそれに押し込める。
行先は知らない地名だった。
「どこ行くんだよ」
「まだ、8時過ぎだ。もう少し、飲めるだろう?」
それだけ言うと律人はタクシーの後部座席の背もたれに背を預け、大きく息を吐いたきり、黙って目を閉じてしまう。
自分でかきあげて乱してしまった前髪が律人の額にかかって、いつも見慣れた律人と違って見える。律人の顔の上を街の陰影が通り過ぎ、それがやけに男くさく見えて、実生は心臓が大きく鳴ったのを感じた。かっこいいよな。
何度思ったかわからない感想を繰り返し、こういう男になりたかったと再度思って、実生は律人から視線を引きはがして、背筋を伸ばしたままシートに座り、通り過ぎる街の景色を見るともなしに眺めた。
律人はどこへ行く気なんだろう。それになぜこんなにも不機嫌なのか。実生はあまりにも普段の飄々とした態度と異なる律人に不安を感じる。時折、窓に映る律人を見ても彼は腕を組んで目を瞑ったままだ。
実生の不安は募っていく。こんな不機嫌な律人は知らない。実生は必死に律人を怒らせた理由を考えたが、まったく思い当らなかった。
会話のないまま、行き先についたのかタクシーが止まり、律人が実生を連れてきたのは、看板も扉にプレートもない、半地下の店だった。重厚な木の扉を無造作に開いて、律人は慣れた足で店に入る。照明を極力落とした店内は、テーブルの上のキャンドルがやけに目立っていた。扉の割に広めの店内は8席以上あるソファ席と、一番明るいカウンターは、ざっと10人ほどが座れる広さだ。後ろからついてきた実生はやけに大人の雰囲気のバーに気後れして、うつむいたまま律人に続く。律人はさっさとカウンターのあいている席に腰を下ろし、実生はその隣におずおずと座った。
「ここ、よく来るのか?」
小声で訊いた実生の問いにも律人は答えない。目の前に立ったバーテンが渡してくれたおしぼりを実生に差し出して、モルトのロックとカシスソーダを頼んだ。
「ちょっと、律人。何勝手に……」
自分の意見も聞かずに勝手に注文をした律人を咎めるときつい瞳で睨まれる。そんなことどうでもいいんだと瞳が語っていた。目の前に酒が運ばれてくるまで律人は実生を睨み付けたまま口をきかなかった。実生は律人の不機嫌がやはり怒っているからだということに気づき、身体を小さくする。
俺、何をしたんだろう。
さっきまで、横で機嫌よく飲んでいたのに、どうしてこんなに怒っているのか実生にはまったく理解できない。ちらりと律人をうかがっても、律人は実生をきつい瞳で射抜くように見つめている。視線に貫かれてしまいそうだ。
バーテンダーが酒のサーブをして、目の前から離れるのを確認して、律人は大きく息をついた。息の音に実生はびくんと肩を揺らす。
「なんで、合コンな訳?」
律人の言葉に実生は絶句した。何を言われるかと思えば、話はそこなのか。
「なんでって……出会いもないしさ」
まさか、自分の性的嗜好に不安があるとは実生は言えない。女の子とつきあったことがないから、つい身近にいる男性に憧れているんだとずっと思うようにしてきた。それなのに、身体に触れられた高宮になんの感慨も抱けなかったのだ。自分が男ですらなくなったような気がする。こんな想いを律人であっても言うわけにはいかなかった。
いや、律人だから言いたくなかったのかもしれない。律人に軽蔑されたり、疎まれたりしたくない。彼は大事な友人で、ずっと一緒にいて欲しいのだから。
「そんなことないだろう?」
実生の言い訳を律人は、ばっさりと切った。
律人の言うとおり、営業部にも女性はたくさんいる。確かにそうだが、それだって話をするほど親しい異性は実生には数えるほどしかいないのだ。
「でも、会社の同僚だ。彼女じゃない。そうなる可能性も限りなく低い。だけど、合コンなら……」
相手もそのつもりなんだから出会いのチャンスだと実生は思った。ここで、気の合う女の子を探してつきあってみれば、自分はまともな男だと証明できる。経験がないから不安なだけで、彼女ができればこんな気持ちは笑い話になるだろう。
だが、結果はどうだ。
「あれ、そういうつもりだったよな?」
廊下で迫られたことを思いだして、呟いた実生の問いに律人は片眉を跳ね上げた。グラスを持つ手が止まる。持ち上げようとしたグラスをとんっと音がする勢いで置いて、律人は実生を睨み付けた。
「ばかかおまえは。それ以外のなんだっていうんだ。あそこで割って入らなかったら、おまえ今頃、食われてた」
ひどくイラついたように言われて、実生は律人がいつから見ていたんだろうと思った。
「食われるって。逆だろう?」
つい訊いてしまい、あきれたように目線を上に向けた律人に実生は、むっとする。
「だいたい、おまえに関係ないじゃないか」
実生の憎まれ口に、律人は実生の左の二の腕を右手でぐっとつかんだ。「痛っ」
「おまえ、俺の話、聞いてた?関係なくないだろう」
律人はぐっと実生の顔に顔を近づけ、強い視線で実生の瞳を睨み付けた。怒りの波動が押し殺した声からも感じられて、実生は怯みそうになった。怒りに火を注いでしまったことに実生は気付く。
「聞いてたよ。おまえが俺をバカにしてんだろう」
だが、負けたくなかった。女に慣れてないからおまえには無理だと言われた気がしたからだ。
「違う。社食でだよ。憶えてないのか?」
ぎくりと実生は身体を固くした。動きを止めた実生に律人はさらに顔を近づけて、
「憶えているんだろう。あのキスは?」
唇が触れそうな距離で律人が囁く。どくんと実生の鼓動が一つ跳ねた。忘れられるわけはない。ただ、からかわれただけだからと心の奥底に沈めただけだ。そうしないといつまでもあの律人の舌の熱さを思い出しては、おかしくなってしまいそうだったから。
「か……からかうな」
喉の渇きを覚えながら、実生はかろうじてそれだけ口にする。声が掠れた。
「俺をからかって楽しいのか?」
「からかう?」
意外な言葉を聞いたとばかりに律人が驚いた顔をした。その途端、律人の怒りの気配が霧散する。その隙をついて実生は腕を振り払う。少し後ろに身体を下げた。律人との瞳の距離があいて、実生は少しほっとする。勝手に走り出す鼓動を実生はどうにもできずにいた。
それでも律人は腕を伸ばして、実生の腕を捕まえる。だが、先ほどのように引き寄せはしなかった。逃げないように捕まえただけのように思えた。真摯な眼で実生を見つめ、一呼吸おいて律人は口を開く。
「なんでそう思う?」
静かな口調だった。
「俺は女じゃない」
「知ってる」
律人の声は低くて優しかった。
「同性に言うセリフじゃない。同性じゃ、恋人になれない」
吐き捨てるように告げるとふっと律人が微笑った。
「なれるよ」
カウンターの椅子は回転式で、律人は実生の肩を後ろを振り向けるように少し押した。
「見てみろよ」
耳元でささやかれた声に実生は店内へ視線を向けた。さっきは暗さに目が慣れていなかったからわからなかったが、ソファ席は結構、人で埋まっていた。雰囲気のいい店だから、当然、ソファ席に座って身を寄せ合っているのは2人連れが多かった。見るからに恋人同士という人たちが、さんざめいてお酒を楽しんでいる。中には肩を抱き寄せて、耳元でささやいている姿も見えた。別に夜のバーなら珍しくない光景だ。だが、どのカップルも相手は同性だ。それも圧倒的に男性同士が多い。
「どう思う?」
律人に問われて、実生は店内から律人に視線を戻した。実生は途方に暮れる。どう答えていいかわからない。椅子を元に戻されて、カウンターを向いた実生は律人を困ったように見上げた。
「気持ち悪いと思う?」
耳元に唇を寄せて、律人が囁く。実生は首を横に振った。嫌悪感はまるでなかった。男女の恋人同士を見るのとなんら変わらない。
「でも、俺はゲイじゃない」
絞り出すように声を出す。認めるのは怖い。自分が違うものになってしまいそうな気がする。
「ああ」
あっさりと律人が肯定した。あっけなくそういわれて、実生は律人を見た。律人は口元にいつもの微笑みを浮かべて実生を見つめた。
「そんなことどうでもいいんだ。実生が同性に憧れの気持ちが強いのも知ってる。別に女性が嫌いなわけじゃないことも。俺は同性しか愛せない性質(たち)だけど、だから実生を好きになったわけでもない。関係ないんだ」
そっと壊れ物を扱うように律人の右手が伸びてきて、実生の頬に触れた。
実生は律人の告白にこれ以上ないほど瞳を見開いた。
いま、律人はなんて言った?同性しか愛せないって言わなかっただろうか。
律人の告白は実生の思考の域を超えていた。
「男が好きなのか?」
律人は首を縦に振ってから、再度横に振る。ひどく切なそうな寂しそうな光が律人の瞳で揺れていた。
「女性に興味がないのはホント。でも、男とか女とかじゃなくて、実生がいい。気付けば、実生ことばかり考えている。いつだって側にいたい。おまえが誰かと楽しそうに話しているだけでむかつくんだ。これって恋っていうんじゃないか」
囁き声なのにやけに耳に響いて、実生はどうしていいかわからず、瞳を伏せた。
「冗談……じゃないんだ?」
「ああ。だったらよかったのにな。実生は?」
語尾が掠れて苦しそうに揺れたのに気付いて、実生は膝に置いた手をギュッと握った。
「わからない。小野原は友達だ」
「友達とはキスしない」
親指で目の下をたどられて、囁き声に、実生はびくりと身体を震わせた。
「気持ち悪かった?」
それはなかった。律人のキスは熱くて甘くて、気持ちがよかった。だが、素直に認めてしまったら、実生は律人が好きだということになってしまう。実生は律人の瞳を見たまま固まった。どうしようという言葉が頭を回る。
「ほかに好きな人がいるの?」
さらりと言ったように聞こえたが、覗き込んできた律人の瞳の奥が微妙に揺れた気がした。
「小野原……?」
「お隣のお兄さん?」
訊かれたとたんに、実生は瞠目した。あのとき、家の前で豊かにばったり会ったとき、律人が豊を睨んだことを唐突に思い出す。久しぶりに豊の顔を見たから、確かに嬉しかったのは事実だが、律人にはそんな風に見えていたんだろうか。
「実生の理想ってあの人だよな?」
律人の問いに何一つ答えられずに実生はひたすら律人を見つめ返した。もう、何を言いつくろっても律人にはすべて見抜かれている気がする。
「俺にもよく見惚れてた。これはうぬぼれじゃないと思う」
違うかと目で問われて、実生は耳まで赤くなった。律人の言うとおり、実生はよく律人に見惚れてた。自分がなりたかった理想の男性だから。
「憧れでもいいよ。そこから始めても。実生が俺を嫌いじゃないなら、お願いだ。俺と付き合って」
頬をするりと滑った律人の手が実生の髪にもぐりこみ、ぐっと手前に引かれた。頬が律人の胸に当たり、頭を抱き込まれたんだと気付く。こめかみがどくどくと音を立てている。ここがどこだかも忘れそうだ。身体が熱くて、特に耳なんて燃えてしまいそうだ。
きっと傍目に見ても自分は真っ赤になっているだろう。
心臓は破裂しそうに脈打っているし、実生は止まってしまった思考をなんとか立て直そうともがいた。
とりあえず、ここはお店で、これ以上は恥ずかしすぎて耐えられない。それだけは認識されて、実生は両手で律人の胸を押した。
「実生?」
抵抗せずに律人は身体を離し、実生を覗き込む。
「小野原。ここじゃ……ちょっと……」
口走ったことの重大性に実生はまったくこの時点で気付かなかった。ただ、こんな店の中で律人に抱きしめられているなんて、恥ずかしくてどうにかなりそうだったのと、考える時間が欲しかっただけだ。
うれしそうに律人が口端をあげたのにも実生は全く気づきもしなかった。
「わかった」
律人はただ一言そういうと立ちあがる。実生は喉が渇いて、目の前のグラスを取り上げると一気に喉に流し込んだ。氷の解けた冷たいカシスソーダがすっと喉に染みて、実生の火照った体を少し冷やした。
「実生」
名を呼ばれて、実生も立ち上がった。
思考はまとまらず、頭に上ってしまった血をどうにかしたかった。実生は手をつながれていることに気づく余裕もないまま、外に出た律人の後に従った。

「俺の部屋、ここから近いから」といわれて、実生は律人についていく。律人は店から出ると実生の手を離し、それきり、実生には触れなかった。肩があたるかあたらないかの微妙な距離を保ったまま実生を案内する。
店から駅へそして、電車で3駅通過して、連れてこられた律人の部屋。友達になってけっこう経つが、律人の部屋に来たのは初めてだ。一人暮らしだとは聞いていたけど、そういえば誰かを誘っているのも聞いたことがない。
「適当に座って」
そう言われて通された部屋を実生は興味深く見渡した。
律人の部屋は、ダイニングキッチンとそれにつながる八畳ほどの部屋、さらに扉が見えるから3DKというつくりのようだが、一人で暮らすには結構広い。八畳ほどの部屋には小さな座卓、壁際にある腰高の本棚にはCDと本がずらりとならび、そのうえにはCDステレオが乗っていた。テレビはダイニングに置かれていた。壁にはカレンダーだけがそっけなくかけられ、窓は濃紺のカーテンが引かれていて、すっきりとした印象はいかにも律人に似合いだった。
「突っ立ってないで、座ればいいのに」
そういいながら、律人は麦茶の入ったグラスを差し出した。
実生は困った挙句、本棚の置かれていない壁を背に座卓に向かって腰を下ろした。床はこげ茶色の絨毯が敷き詰められている。
律人は躊躇もなく、実生の隣に座った。肩が触れ合って、実生の心臓が跳ねる。とっさに身体をひねって、律人のほうに身体を向けた。律人は熱っぽい眼差しで実生を見ていた。すっと右手が動いて、頬に当てられ、親指で目の下を撫でられた。せっかくここに来るまでに醒めた熱が上がってきて、頬が熱い。
「あ……あのさ」
口から心臓が飛び出てしまいそうだった。店からここに来るまで時間はたくさんあったはずだ。止まった思考は動き出したが、だがそれだけだった。どうしようという思いだけが頭を回って、うまい考えは全く出てこなかった。
律人は実生を見ている。目線で先を促されて、実生は言うべきことがないことに気付き、下を向く。何から話せばいいのかも実生にはわからない。
「友達じゃだめなのか?」
消えてしまいそうな声で、実生は唐突にそれだけを聞いた。顔はあげられなかった。
「だめだな」
律人は即答した。実生の肩が揺れた。唇を噛む。言葉は出てこなかった。
律人は本気だ。冗談でもからかっているのでもない。それだけは、認めざるを得ない。
沈黙が落ちる。実生にとっては永遠とも思えるような時間だった。
「……2年だ」
ぽつんと律人が言った。
「え?」
律人の声に苦しげなものを感じて、実生は顔をあげた。律人はまっすぐに実生を見ていた。いままで見たこともないような男っぽい瞳で、実生を射抜くように見ている。
「友達でいようって努力した時間。これでも、いい友達としてずいぶん頑張った。でも、もう無理。無理なんだ。友達じゃあ、おまえに触れられない。キスもできない。抱きしめるのも休日に独り占めするのもできないだろう?」
実生は息をのむ。艶っぽい律人はやたらと大人の男に見えて、実生は息が苦しくなってきた。
「おまえは嫌だと思うかもしれないけど、ずっと想像してた。おまえのどこもかしこも触って、キスで埋めて、俺の腕の中で可愛く啼くのを。全部、俺のものにしたい」
「お……小野原……」
「友達でいるにはもう無理なんだ」
ぐっと頬を親指でなぞられた律人の手が震えている。
「好きなんだ、実生」
実生はごくりと喉を鳴らした。気持ちが悪いとは思わなかった。ただ、律人の視線が熱くて、あまりに未知なこと過ぎて、実生の理解を超えていた。
律人が左手を伸ばして、実生の肩に触れ、ぐっと押す。そのはずみで実生はそのまま後ろに倒れてしまった。
上からのしかかるようにして、律人が見下ろしている。見たことないほど真剣で牡を感じさせる視線にさらされて、実生は身をすくめる。「小野原、何を……?」
「ここまで来て、それはないよ、実生」
「小野原」
自分の選択が誤ったことに実生は、今更ながらに気付いた。実生にしてみれば、律人に抱きしめられたのが恥ずかしかったのと、込み入った話を誰かに聞かれたくなかっただけだ。だから、律人の部屋についてきた。だが、律人は……。
「ちょ、ちょっと、待て。小野原」
「もう待たない」
律人が自分の首元に指を入れ、ぐっとネクタイを緩めるのに実生の心臓が跳ねた。そのまま律人の顔がゆっくり降りてくる。実生はとっさに腕を伸ばして、律人の顎を押し戻す。
「待てって」
律人は顎を押す実生の手をつかむと自分の口元に持ってきた。指先に唇をあて、舌でぺろりと指を舐める。
「なっ……」
それだけで動きを止めてしまった実生を見下ろして、律人は艶っぽく微笑む。その笑みに実生は視線をとらわれて、呆然と律人を見つめてしまった。
抵抗を止めてしまった実生の手の指をゆっくり口に含み、舌を指の脇にそっと這わせる。
「んっ」
それだけで甘い声が出た。実生の指を舐めながら、律人はゆっくり身体を前に倒してくる。指に舌があたるだけなのに、身体の奥からざわざわした感覚が上がってきて、実生はますます混乱し、身体を固くして、目をギュッと閉じた。
微かに笑う声がして、律人の大きな手に手を握りこまれ、律人の唇が実生の唇に重なった。
とっさに実生は唇を引き結んだ。だが、律人は気にせず、実生の唇を舌でたどった。律人の濡れた熱い舌先が実生の唇の隙間をなぞる。
最初にキスされた時の感覚がよみがえってきて、実生はふるりと身体を震わせた。
「やっ」
動悸が激しくなって、息も苦しくて、実生は身を捩ってそれだけを口にする。だが、それは律人を受け入れるだけだった。伸ばされた舌が実生の口腔内にするりと入って、舌をなめられる。口づけがぐっと深くなった。逃れようと身をよじっても体重をかけられて体中で押さえつけられると動けない。酔ったように熱い舌に口の中のどこもかしこもたどられて、実生はさらにぎゅっと瞳を閉じた。
優しくて頼りがいのある友人がある日豹変し、自分を押し倒したかと思ったら、息もできないキスをするなんて考えもしなかった実生はパニックになる。
どうしてという言葉と舌を舌で嬲られると湧き上がる背筋を走る感覚とどんどん上がる体温に振り回された。
「泣くなよ」
目尻をなめられて、実生は律人が唇を離していたことに気付く。これ以上ないくらい瞑っていた目から涙がこぼれている。それを律人が優しく舐めとる。
「怖くないから。俺を感じて」
低く甘い声であやされて、実生はさらにしゃくりあげた。頬にこめかみにキスを落として、律人は実生の髪を撫でる。最後に唇を啄んだ。
「実生、好きだよ」
何度も何度も律人はそう囁いて、実生の唇を啄み続ける。実生は首を横に振る。律人から与えられる口づけは身体の奥底をざわめかせ、実生の心をかき回す。
律人はたまらなくなったのか、実生の背に腕を回してぐっと抱きしめた。すっぽりと律人の腕に抱かれて、隙間なく身体が密着した。律人の身体はひどく熱かった。合わせた胸も背に回った腕すら、服越しだというのにその熱を感じた。その熱は不快でなかった。自分の中にも同じ熱がある気が実生はした。
「実生は温かい」
かすれた声で律人は囁く。それきり黙って、律人は抱きしめる腕に力を込める。実生の鼓動が速度を上げた。このままではやばいと思うのに、律人の腕を振りほどけなかった。
うっかり流されるか、もう少し、律人が強引だったらよかったのかもしれない。だが、律人は嫌がる実生に乱暴することもなかったし、実生も雰囲気に流されてしまうこともなかった。
しばらく実生を抱きしめていた律人はそっと腕を解いて、身体を起こした。実生はそのまま床に転がっていた。律人の顔も見れなかったし、いろんなことが起こりすぎて、ひどく疲れていた。右腕を持ち上げて、目の上に腕を置き、大きく息を吐く。泣いてはいなかったが、律人に顔を見られたくなかった。
律人の気配が遠ざかって、実生は身体の力も抜いた。しばらく律人は実生のそばに戻ってこない。その間も実生は床に寝転がったままの姿勢で、すべてのことから目も耳もふさいでいた。
友人の豹変に打ちのめされていたのは事実だが、実生にとって衝撃だったのは、律人の行為に身体が熱くなったことだ。律人が気が付いていたかわからないが、実生の身体は確かに律人のキスに反応していた。自分がおかしくなってしまったと実生は思う。憧れていたとはいえ友人に抱きしめられて、キスをされて、身体が熱くなるなんておかしい。このままでは、自分の立ち位置も友人も失ってしまう。実生はそれを恐れた。ぐっと奥歯をかみしめて、硬く目を閉じる。もう涙は出なかったが、何も見たくない。
「実生」
声をかけられて、実生はびくりと身体を震わせた。
「送っていく」
自分のことで精いっぱいだった実生には律人の声にかすかに含まれる切なげな諦めを含んだ色などわかるはずもなく、促されるまま、のろのろと身体を起こした。
鞄を取り上げて、玄関へ向かう。律人が後ろからついてくるのがわかった。実生はそれを気にすることなく、部屋を出、駅へと向かい家路を辿った。
律人は実生の家に着くまで後ろを黙ってついて歩き、玄関の扉に手をかけた実生に「お休み」とだけ告げて、背を向けた。
実生は振り返らずに家へと入り、閉じた扉に背を預けてそのまま立ち尽くした。
あまりに自分の理解範囲を超えて混乱する思考を持て余しながら、実生は確実に見えない何かが手のひらを滑り落ちたことを感じた。
律人の熱い腕が想いが、重くて優しくて、悲しかった。
自室へと階段を上がりながら、実生はまた溢れてきた涙を腕でぐっと拭った。
関連記事


にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png はじめに
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
もくじ  3kaku_s_L.png Novel lists
もくじ  3kaku_s_L.png 奇跡の刻
もくじ  3kaku_s_L.png 平行線の恋
もくじ  3kaku_s_L.png 煉獄の恋
総もくじ  3kaku_s_L.png 天空国の守護者
総もくじ  3kaku_s_L.png 巡る季節と恋の順番
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 山神の花嫁_昔話
もくじ  3kaku_s_L.png 告白の向こうへ
もくじ  3kaku_s_L.png 空の月を恋う
総もくじ  3kaku_s_L.png おまけ番外編ショート
もくじ  3kaku_s_L.png 遠回りの片恋
もくじ  3kaku_s_L.png 腕の中の迷い猫
総もくじ  3kaku_s_L.png 蒼い闇の化身
  • 【逃亡の旅(4)】へ
  • 【寝ぼけてたらしい】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【逃亡の旅(4)】へ
  • 【寝ぼけてたらしい】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。