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告白の向こうへ

告白の向こうへ(8)

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ぱしゃぱしゃとフラッシュが光り、そのたびに、律人が流れるようにポーズを変えていく。第3ボタンまではずした白シャツに細いタイと黒いスラックスを身に着けた律人は男の色気にあふれている。薄暗いスタジオの中で律人の周りだけが光輝いて、実生は一時も目が離せなかった。
これが最後の撮影になるだろうからと、律人が連れてきてくれた撮影現場は、実生が初めて見るものばかりで、何もかもが目新しい。それでも実生の瞳は律人だけを追っている。
モデルの律人はさらに男っぽく、ライトの下でまるで違う人のようにすら見えた。
モデルをしていたことをなんで隠していたと問うた実生に律人は、大学時代に学費のために始めた仕事で、就職と同時に辞めたから、言いたくなかったと語った。それに辞めて3年も経つのに、今回どうしてもと世話になったカメラマンに頼まれて、断りきれなかったそうだ。ギャラをもらってないから、副業じゃないからなと笑われた。それにしたって、女性誌にも写真が掲載されていたというのに、会社でもまったく噂にもならなかったことに実生は首をかしげると、律人は豪快に笑った。
『結構、わからないもんだよな。名前も変えて、生年月日は非公開にして、普段と違う服を纏うだけで別人になれる。似てるねーって言われたことはよくあるけど、まさか本人だとは思わなかったらしい』と笑いながら律人が説明してくれた。『これって、小野原くんの親戚?』とまで訊かれたこともあるらしいが、それにも他人の空似でごまかしてしまったらしい。
はだけたシャツから鍛えられた胸板がのぞいて、実生はどきっとする。あの胸にすがって、散々、喘がされたかと思うといまだに恥ずかしくて、どうにもいたたまれない。頬が熱くなるのを感じ、実生は両手で頬を包んだ。
その実生に律人がさらに視線を流すものだから、さらに血が上り、耳まで熱い。
「実生さん、顔赤いよ」
耳元で声がして、文字通り実生は飛び上がった。そちらに顔を向けると凛が面白そうな顔で微笑みながら立っていた。
「見惚れてたね」
口端をあげて、微笑む凛は相変わらず、きれいだ。だが、実生はその凛を睨み付けた。
「そんな顔してもだめ。実生さんの瞳には律人しか映ってないって感じだったし」
揶揄われているってわかっていても、頬がさらに朱に染まる。それが凛の言葉を事実だと認めていることがわかっても実生にはどうにもできなかった。
「でも、もったいないよね。律人ってモデルが天職みたいなのに、辞めちゃうなんてさ」
それには同感だったので、実生も首を縦に振る。だが、律人はアメリカできちんと研修を積んだら、研究開発部に異動したいと実生に話してくれた。人の生活に役立ち、潤うようなものを開発するのが夢だと。だからこそのアメリカへの短期留学で、これからもどんどん高みへ律人は上がっていくことだろう。
「うらやましいな」
口の中で呟いた言葉は、凛には届かなかったらしい。え?と聞き返されて、なんでもないと実生は首を横に振った。
律人のことを思っていたら、寂しさが去来して、実生はシャツの胸元を掴んだ。
「あと2週間だっけ?」
凛に問われて実生は頷いた。
もう再来週には律人はアメリカに向けて発つ。試験にも通り、表彰までされた律人の前途は洋々に思えた。
「寂しいでしょう?」
続けてしんみりと訊かれたことに実生は凛に視線を向ける。やけに実感がこもっていて他人事に聞こえなかったからだ。
律人は一人で半年の留学に出る。1か月の語学研修のあと9月から半年、アメリカの大学で講義を受けて春に帰国予定だ。成績優秀で向こうの教授の推薦を受けられれば、次の年にもさらに半年、留学の機会を与えられる。
その間、実生は律人のいない日本でいままでと変わり映えのない生活を送ることになる。
「あれ?寂しくないの?」
答えのない実生の顔に視線を向けて、凛は驚いたように訊いた。それに首を横に振る。
「そんなことない。だけど、これは律人が決めたことで、俺が口を挟むことじゃない」
律人のいない生活を想像するだけで、心の奥底から何かが零れ落ちてしまいそうな気がする。だが、行かないでくれと言う権利は実生にはない。
「ふうん」
その心情を読んだのか、凛は目を眇めて実生を見た。ちょっと納得がいかないような表情で、不満げに唇を突き出す。
「はーい、オーケーです」
遠くから撮影助手の声が聞こえ、休憩に入りますと声が掛かった。
だが、見つめ合うように睨み合っている二人には聞こえなかった。
実生の視界が大きな手で遮られ、前髪をさらりとかきあげられる。
「凛。実生に突っかかるのはやめろ」
上から低い声が落ちてきて、凛が両手を降参というようにあげる。
肩にタオルをかけた律人が実生の後ろに立って腕に囲い込むように腰を抱いた。
「まったく。実生も凛なんかに気に入られちゃって災難だな」
呆れを含んだ声に実生は顔を上向けて律人を見た。
「律人……?」
気に入られている……?嫌われているの間違いでは?
そんな眼差しで律人を見ると、艶っぽい笑みを返された。鼓動がどくんと跳ねる。
「災難ってなんだよ。俺が律人を褒めまくったから、実生さんが律人に惚れなおしたんだろう」
怒ったような声が傍らから聞こえて、実生は凛へと視線を戻した。
「おまえが余計なことをいうからややこしくなったんだろうが」
同じく怒りとあきれた律人の声が上から聞こえる。
「まったく。いくら実生が好みのタイプだからって兄貴の恋人を口説くのはやめてくれ」
「今は口説いてない」
憮然とした口調で凛は呟く。
律人の「恋人」という言葉に驚き、また、凛の「今は」という言葉に、実生は目を丸くして凛を見た。凛はそっぽを向いている。
「やっぱ、兄弟なんだよな。趣味が似ているんだよ、凛とは」
実生はさらに驚いた。
「だから、凛に不用意に近づくなよ、実生」
危ないからと釘を刺されて、さらに目を瞠った実生だった。とてもじゃないが凛が自分とどうこうなんて考えられない。
「ふうん」
凛は口元に意味ありげな笑みを刻んで、律人を睨んだ。
「半年も恋人を一人で置いていくんだよね。その間に、寂しくなった実生さんを俺が優しく慰めるから心配しなくていいよ」
「ふざけんな。実生に少しでもちょっかい出したら、赦さないからな」それにひどく不機嫌な律人の声がかかる。だから、凛には会わせたくなかったんだとぶつぶつ言う声がさらに落ちてくる。
「休憩終了です。5分後に撮影開始しますので、スタンバイお願いします」
撮影助手がスタッフを集める声がスタジオに響き、律人は後ろから実生の顎を手ですくいあげた。
「凛は空手有段者だからな。ほんとに気をつけてくれ」
自分の弟にいうセリフじゃないなと実生が思っていると律人の顔が近づいて、掠めるようなキスをされた。
「律人っ」
こんな人前でと思って、かっと顔が熱くなる。実生が文句を言う前に律人は身を翻すとライトの下へと戻っていく。
「律人、ほんとにマジなんだね」
律人が離れると同時に凛が傍らに寄ってきて呟く。その言葉にさらに恥ずかしさが増して、実生はこのまま帰りたくなってしまう。だが、そんな実生の腕をとると凛が向かい合って真面目な顔で口を開く。
「律人がいない間は俺が側にいるよ、実生さんの」
「凛くん……」
「でも、心配しなくても律人の彼氏に手は出さない。っていうか、俺にも好きな人いるしね」
最後の言葉に目を瞠り、実生はなんと返していいかわからない。だが、そんな深刻な雰囲気を飛ばすかのように、「それより、実生さんって男女問わずにもててるのに、自覚なしの方が怖い」って付け加えて、凛は実生をぎゅっと抱きしめた。
「凛くんっ」
叫ぶと、撮影の準備をしている律人がそれを見とがめて、律人が「実生に触るなっ」と怒鳴る。抱きしめている腕がふるふると震えて、押し殺した笑い声が鼓膜を震わせ、実生は兄をからかって遊んでいる凛に深くため息を落とすしかできなかった。

たぶん凛のせいだろう。
快感に白くかすむ頭の片隅で実生は思う。ひっきりなしに上がる喘ぎ声も乾いて掠れている。もうどれだけ啼かされているかわからない。撮影が終わって攫われるように、部屋に連れ込まれた実生は律人に体中をゆっくり触られて、キスで埋められ、達きたいのにはぐらかされ、もう、喘ぐか名を呼ぶしかできない。
「りつと」
舌がまわらずに舌っ足らずな言葉になってしまうが、律人は愛撫の手を止めたりしない。
鎖骨を強く吸い、甘噛みして、所有の印を残していく。
触れられずに立ち上がった実生の中心が痛みにすら感じてその身を震わせる。
絶えず背を走る感覚に実生はシーツを強く握った。身体に溜まった熱がもどかしくて、すべて吐き出してしまいたくて、身をよじる。
「どうした。腰が揺れている」
胸の飾りは嬲られすぎてぷっくらと赤く立ち上がり、律人の舌が掠めるたびに、ピクンと背が跳ねた。
「りつと……やっ……はぁっ……」
その快楽に耐えるさまが、男の劣情を煽っていることに気付かない実生は、こんなに律人の執拗な愛撫は凛が律人を煽ったせいだと思う。「もう……はぁ……んっ……んっ……」
触ってほしい。実生自身に触れて、思うさま弄ってほしい。
「実生」
囁きながら、律人は実生の胸を舌先でつついた。反対の胸は指でこねる。
「やぁっ……さ……さわって」
身体が跳ねるほど感じるのに、それでも欲を吐くには至らなくて、実生は腰をよじって訴える。熱がこもって苦しい。
ねだった実生が可愛くて律人は実生をぎゅっと強く抱きしめた。
「りつと」
「メールも電話もする。実生以外には触れない」
耳に唇をよせ、律人が囁く。低く甘い声を耳に注がれて、実生は目を開く。
「毎日、きっと夢に見ると思う」
自分で決めて行ってしまう律人ですら寂しいんだとわかって、実生は律人を抱き返す。
「半年なんてすぐだ。年始年末休暇は有給も使って遊びに来いよ。一緒にクリスマスを過ごそう。だから」
俺を待っていて。この手を離さないでと律人が訴える。
実生は頷いて、頭を持ち上げると律人の唇にキスをした。押し当てるだけのキスだったが、それだけで律人には意味が通じたのだろう。後頭部に手のひらを当てて、律人は口づけを深くした。舌で口腔内をたどられて、実生はさらに体温が上がる。
「……んっ……」
律人がいない生活がどんなものかはこの1か月半、嫌ってほど味わった。それが半年もかと思うと耐えられる気がしない。だけど、この熱を覚えていられたら、律人の心が自分にあるんだと思えたら、我慢できるだろうか。
こんなに好きになっていたなんて気が付かなかった。それとも双方向の想いがこの気持ちを加速しているんだろうか。
「りつと……すき……」
口から零れ落ちた言葉は無意識だった。実生を抱きしめる律人の腕がぴくりと震えた。
顔をあげて、実生を見つめる。
「実生」
「んっ?」
目を開けると目の前に律人の黒い瞳が見える。瞳に映る実生はどこか夢見心地な顔をしていた。
「りつと?」
見つめたまま何も言わない律人に実生は首を傾げる。身体が熱くて、かぶさっている重みが嬉しくて、実生は微笑った。
「おまえって、やっぱりひどい」
舌打ちして、律人は再度唇をふさぐと、実生の中心に手を伸ばす。ずっと触れられたくて仕方のなかったところに触れられて、実生の腰が浮いた。背がしなる。
「ああっ……」
直截的な刺激に躰がわななく。さっきのゆるい愛撫が嘘のように、律人は性急に実生を追い上げた。
「りつと……やっ……ああっ……」
腰をよじると両足をぐっと広げられて、奥の蕾に律人の指が沈んだ。「だめっ……やだっ……」
その違和感に実生の腰が逃げるのを律人に押さえつけられて、さらに奥をぐるりと抉られる。
「だめだ、俺、余裕ない。ごめん、先に謝っておく」
言うなり、実生はぐっと腕を引かれ、またぐように律人の上に座る。指を増やされて、ぐちゃぐちゃと中をかき回され、実生は背を反らした。
「ああっ……はぁっ……やっ……」
違和感が熱を生んで、中が柔らかくなり始めると痛みでも違和感でもない感覚が腰の奥から這い上がる。
「りつと……りつと……」
律人の名を繰り返し呼べば、また、唸るような声と舌打ちが聞こえ、腰に当てられた手で身体を持ち上げられた。いわれるがまま膝で立つと後ろの蕾に熱く固いものが押し付けられた。
「あっ……だっ……」
だめだと口にする前に甘い嬌声が口をついた。ゆっくりと律人の膝に座らされて、自重で律人が実生を押し開き中を犯す。実生はすがるように律人の肩に両手を置く、
「やっ……ああぁっ……んっ……」
「実生、可愛すぎ……」
息遣いも荒く律人が囁き、下から押し込むように腰を進めると実生の背がさらに反った。さらされた喉に下から噛みついて、律人が舌を這わす。
もう、意識は真っ白で何も考えられない。律人から与えられる熱と味わったことのない快楽だけが実生を翻弄し、背を駆け上がる快感のたびに悲鳴のような嬌声が口から洩れた。
「やぁっ……りつと……ヘン……こんなの」
下で腰を振られると濡れた音がした。揺さぶられるまま、実生は肌をうっすら上気させ、しがみつくように律人の首に腕をからめる。
「やだっ……もうっ……やっ……」
さらに深く奥まで抉られて、実生は背をしならせた。
眦から涙がつっとこぼれる。それを舌で救い上げて、律人が実生の髪を撫でた。
「実生。好きだ」
愛おしそうに囁かれた掠れた甘い声に腰の奥から脳天まで痺れるような快感が駆け上がり、はじけた実生自身が腹を汚した。
中が収縮して、律人を食む。律動が早くなり、律人のうめく声が聞こえて、最奥に熱い飛沫を感じた。
律人の欲望に染められて汚されるのが嬉しいと思うなんて、すでに終わっていると実生は手放す意識の端で確かに思った。
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