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「天空国の守護者」
地上編

クアール ロト(2)

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扉を開くと甘い香のにおいが立ち込めていた。すっかり部屋の空気が白く染まり、明かりの落とされた室内は淫靡な雰囲気に満ちていた。
「んっ……やぁっ……はぁっ……」
荒い息遣いと濡れた水音がする。絶えず上がる嬌声が甘く響いた。
「もう……やめっ……ロトさま……」
声の方へ視線を走らせれば、暗い部屋でやけに目に明るく映る白いシーツの上で、そのシーツの色に負けないほどの色白の肌がのたくっていた。
四肢に黒い触手をまとわりつかせたまま、口からは唾液が伝っている。
どれだけの快楽に引きずり回されているかそれを見るだけで想像がつく。
「違う。もっとだろう。ファイ?」
ベッドの脇に椅子を置いて片膝を立ててロトは、瞳にだけ欲情の炎をともらせて、薄く微笑みながら、ファイが身体をしならせるのを見つめている。
「やぁっ……達く。達っちゃう……」
ぐっと身体をそらせて、ファイが一際高く啼く。
「まだだ」
ロトが目の前で手を振ると、欲望をせき止められたのだろうファイが甘い悲鳴を上げた。
「ロトさま……やっ……もう……はぁっ……」
口走っているファイ自身、何を言っているかもうわかっていないだろう言葉が口からこぼれて、ロトは満足げに口の端をあげる。
エミールは目の前で繰り広げられてる嬌態にざっと視線を走らせると眉間にしわを寄せ、そのまま部屋を横切った。まっすぐ窓へと向かいカーテンと窓を一気に開け放つ。
明るい陽光が瞬時に部屋を光で満たし、さわやかな冷たい風が、部屋の淀んだ空気を押し流した。甘い匂いのする煙も屋外へ排気される。
「なんだよ」
ひどく不機嫌そうなロトの声が、部屋の奥から聞こえた。のろのろとこちらを向く気配も感じたが、エミールはそれに頓着せずに次々と窓を開け放った。
日の光にさらされた饗宴はひどく白々しい。入ってきたときに感じた退廃的な淫靡な感じは霧散していた。
ただ、ベッドに全裸で四肢を投げ出してうつぶせているファイの肩甲骨が苦しげに上下し、荒い息遣いが、いまだに饗宴が終わっていないことを告げていた。
「ロト」
名を呼ばれて、ロトは鬱陶しそうに髪を掻き揚げた。ずいぶん伸びてしまった黒髪がさらさらと指の間から落ちる。
「いやっ……あぁぁっ……」
ベッドの上のファイがびくんと身体を揺らして、シーツを何度かつま先で蹴り、身体をそらせる。ファイを快楽の底に落としていた縛めをロトが解き、ついでにファイを絶頂へ導いたのだとエミールは思った。
叫んで、ベッドに沈んだファイからロトへと視線を戻せば、ロトは立てた片膝に頭を乗せて、ひどく怠そうに見えた。
エミールは大きなため息をつく。
「ずっと部屋に籠っているから何をしているかと思えば」
相変わらずだと呆れを含んだ言葉を投げられて、ロトは不機嫌な顔をさらにゆがませる。
酷薄な青い瞳で睨まれてもエミールは動じない。付き合いが長すぎてすっかり慣れっこだった。怖くもなんともない。
「腕の具合は?」
訊くと、ロトは足を地面におろし、左手を持ち上げた。何度か握ったりひらいたりして見せる。
「かなりいい。傷口はもうふさがったし、動きも戻ってきた」
ロトの言葉通り、前に見た時より動きがスムーズでエミールは少しほっとした。だが、治っているのならもう人間の生気はいらないだろうと思う。
部屋に籠って人間を弄っているのは、腕のためだと思っていたエミールは眉間のしわをさらに深くした。
「なのに、まだその人間をいたぶっているんだ」
「暇なんだよ。守護者とことを起こすなって、キングから命令が出ているんだろう」
クアールは天空国と違って国を持たない。天空国に属さない翼あるものはすべてクアールだ。だが、彼らは自分たちの頂点に立つ者をキングと呼ぶ。人間が彼を魔王というからそのせいかもしれないし、彼らがキングと呼ぶから魔王といわれるのかもしれない。
「この間の戦いでこっちは被害甚大だったからな。またキングが面白いことを考えるまでは動きなしってとこじゃないか」
エミールの言葉にロトはふんと鼻を鳴らした。
キングの作戦はまどろっこしい。罠のかけ方ひとつとっても何十年とかかるような作戦をたて、それに翻弄されるだろう守護者を見て楽しむ。
ロトにしてみれば、キングの暇つぶしに加担させられているとしか思えないのだろう。ロトはもっと直接的にやりたかったがっていた。前にも
『戦いてえな。特にあの黒髪の守護者とやったときには、身体の血が湧くような、身体がしびれるようなすげえ感じだった。あれに比べたら、こんなセックスはお遊びだ。あいつとやりてえな』
と剣呑なことを言っていたことをエミールは思い出す。
ロトの黒髪の守護者への執着はすさまじい。恨みも多分に含まれるのだろうが、互角に張り合ったことが忘れられないのだろう。
「キングも奥殿から出てこない。何か考えはあるんだろうけど、それはまだ通達されてない」
「めんどくせえな」
エミールの言葉に、また、何十年、何百年、おあずけを食うのかとロトは鼻の頭に皺を寄せた。
「ロトならそういうと思ってた」
嬉しそうに答えてやるとロトは嫌そうにエミールを見る。
「で、お前は何しに来たんだ?俺のお楽しみを邪魔するのが目的か?それともお前も混ざりたいとか?」
ロトの軽口にエミールは眉の間に皺を寄せて、思いっきりしかめっ面をした。人間と遊ぶなんて冗談じゃない。
「興味なし。そういうお遊びに付き合う気はないね」
「そうか?ファイはなかなか遊び甲斐があるけど」
「面白そうな話を聞いてきてやったのに、そういうこと言うと話さないからな」
怒ったように告げてもロトは全くめげないが、面白そうな話とやらには興味をひかれたらしい。
「なんだ?」
早く話せと視線を向けられてエミールはベッドの上に横たわるファイを見た。それだけでロトは察したらしい。椅子から立ち上がるとベッドのそばまで行き、手を伸ばすとファイの顎を掴んだ。
ファイはぐったりとしていたが、意識があるらしく、うっすらと目を開けた。
「ロトさま……」
「動けるか?」
ロトの言葉にファイは両手をベッドについて身体を起こした。怠そうでつらそうな様子だが、歩けないほどではないようだ。
「身体を清めてこい。そのまま自室に帰っていい」
簡潔なロトの命令は、平坦で情は感じられない。だが、ロトがこの青年を気に入っていることだけはエミールにもわかった。
ファイは「はい」と返事をするとベッドから降りて、ベッド脇の椅子の背にかけられた薄物を羽織ると隣室へと消えた。
それを見送るとロトはエミールへと視線を戻す。
「で、面白い話ってなんだ?」
エミールは一つ小さく息を吐くとロトを見る。この男、時々、ガキみたいだと内心思っていることはおくびにも出さずに、エミールは片方の口端をくっとあげた。
「なんだよ」
「守護者が人間を襲ってる」
さすがのロトも予想外の話だったらしい。すっと瞳を眇め、ロトはどういう意味だと無言で先を促す。
「詳しいことはわからない。時折、隊を率いてやってきては、さびれた街道に降りるらしい。戦闘を見たってやつもいるが、どうだろうな」
「人間狩り?」
「まさか。ロト、お前じゃないんだから、そんなことするか」
エミールの突っ込みも聞いていないようで、ロトはさらに首をかしげる。
「あいつらって人間を守ってるんだったか?」
言いながらもロトは何かを考えているようだ。腕を胸の前で組み、足を前に一歩出す。
「パラドース国の奴らだけだろ。今回も他国の人間の苦情はすべて無視らしいしな」
「目的はなんだ?」
「さあ」
エミールにも守護者が何をしているかも考えているかもさっぱりだった。それに、実はそれほど興味もない。キングが今は静観の構えだからというのもあるが、人間を守護者が襲おうが、それで地上から人間が消えようが、エミールにとっては取るに足らないことだからだ。だが、たぶん、ロトが興味を持つだろうと思ったから、持ってきた話題だ。
案の定、ロトはひどく考え込んでいる。
エミールはそんなロトを見ていた。沈黙が落ちる。しばらく二人とも一言も口をきかなかった。
どれくらいか経った後、ロトが「ふうん」と呟いた。
「どうした?」
「なにかありそうだ。暇だし、左腕のリハビリもしたいしな、調べてみるか」
いきなりやる気になったロトに、新たな遊びを提供したエミールは微笑った。
「やっぱりお前は変わってる」
クアールの誰もがきっとどうでもいいと思っていることに首を突っ込むロトをエミールは面白そうに見た。
「暇なんだよ」
うんと伸びをしてロトは大きな欠伸を一つする。
エミールは苦笑して、少し元気になったらしいロトを満足気に見つめた。
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