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「天空国の守護者」
地上編

守護者砦

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「動かないな」
ティーカップを持つのと逆の手で、白い髪を背へ流して、ヴァイスが呟いた。
「そうですね」
カミールが苦笑を返す。
白軍、翠軍が北の砦に詰めてからすでに2月が過ぎた。首都には藍・紅軍が、そして、主を失った黒・黄軍も首都に留め置かれている。もちろん、ほかの砦にも守備隊は置いてあるが、クアールの脅威を感じない今、そちらはそう人数はいらない。
セインが天空国から見張りの隙をついてあっさり消えて以来、翠軍が北への移動を余儀なくされた。3軍に取り囲まれ籠城していたセイン一人を逃がした責を国主が藍・紅軍に課した結果だが、アズールもフレミールも更迭されることなく、首都で国主とともにあった。
「ずいぶん、大きな街に逃げ込んだものですね。」
彼らの前のテーブルには、大きな世界地図が置かれていた。初夏のさわやかな風が窓から入り、かさかさと地図が揺らめいて音を立てた。
「レイラースが結界を張ったみたいですよ」
クリルの街からの街道にはすでに、いくつかの部隊を待機させている。だが、その結界のせいで、街にはそう近寄れないでいた。
地図に視線を走らせて、ヴァイスはため息をついた。
「ここから見張るにもそろそろ限界の距離です」
すでに、国を一つ挟んだ向こうの街だ。気配を探るにも遠見をするにもさすがに遠すぎた。
かといって、人間界に軍勢を展開するわけにもいかず、ヴァイスもカミールもこの遠方の土地から指揮を執っている。
「たかが、3人の守護者をとらえるために2軍も投入し、手もだせないのですから、先が思いやられます」
半年前には、クアール撃退のためにともに戦った仲間を裏切り者として追わねばならない胸中も複雑で、カミールは口元に刻んだ苦笑をさらに深めた。
「街ごと破壊できれば、そう難しくはないと思いますけどね」
不可能を知っていてあえて口にしたヴァイスの言葉にもカミールは眉を軽く上げて見せただけだ。
「味方だとあれ以上に心強いものもいないでしょうが、敵ともなれば本当にやっかいです」
「元の部下の説得も功を奏しませんでしたしね」
二人は同時にため息をついた。
「こんな状況をクアールに付け込まれたらとは思いませんか?」
カミールの言葉にヴァイスは目を見開いた。
「数は我々が有利ですが、守護者の誇る2軍の将と将軍がこぞっていないんですよ」
「国主は何もおっしゃっていなかったが」
ヴァイスが絞り出すように言った言葉にカミールが笑う。
「予見ですか」
カミールには今の国主が何を見ても誰かにそれを伝えるとは思えなかった。天空国は滅びの坂を転がり始めたのではないかと不吉な予感が消えない。
「確定した未来しか見えないのが予見です。それに頼るのはいささか危険かと」
カミールはそれだけを口にした。
「しばらくは様子を見ましょう。彼らが動き出せば、戦闘も可能ですし、あのまま街から出ないようであれば、こちらから人を送り込むなりしなければなりません。もしくは、彼らが街を出るように仕向けるか……」
「トレジャの住人ですか……?」
ヴァイスの言葉にカミールがそっと微笑んだ。
「しばらくは、クアールに気付かれないようにそっと見守るだけにしましょうか。情報だけは収集しながらね」
うっすらと微笑んだカミールにヴァイスも微笑んだ。
「すでに手は打ったということですか」
「そういうことです」
紅茶のカップを口元に運びながら、カミールは窓の外へ視線を投げた。強い日差しに濃い緑の木々が色を鮮やかにきらめかせている。
いたって平和に見えるこの世界がなくなってしまうことを想像するのは難しかった。
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