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「天空国の守護者」
地上編

均衡の崩壊(2)

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月が天空高く上がっていたから、すでに真夜中過ぎだっただろう。
扉のきしむ音でキリスエールは目を覚ました。誰かが部屋に入ってきて、ベッドに近寄る気配に、キリスエールはがばっと起き上がった。
「んっ……」
声を上げようとすると長い指を持ったきれいな手で口をふさがれた。紫の瞳が面白そうに瞬いていた。キリスエールは驚きに目を瞠る。ここに4人で住むようになっても、夜中に誰かが部屋に来ることなんてなかった。
「セイン様」
声を潜めて囁くとセインは唇で完璧な弧を描いた。そっとキリスエールの口を覆っていた手を離す。
「何かあったんですか?」
「眠れないんだ」
重大なことがあったのかと真剣な面持ちで訊いたキリスエールにセインは切なそうに微笑う。
腕を伸ばして抱きしめたセインにキリスエールは困惑を隠せない。
「ここで寝てもいいかな?」
ぎくりと身体を強ばらせたキリスエールにセインは声をあげて笑った。
「抱いていいってこと?」
意識したことをセインに指摘されて、キリスエールは困ったように下からセインを見上げる。
「そんな瞳で見つめるとねだっていると思うよ」
セインの笑いを含んだ声にキリスエールは慌てて視線を落とした。どうもセインが相手だと自分がひどく子供になった気がするとキリスエールは思う。
うつむいた顎を指でとらえられて、上向かされて、セインは艶を含んだ顔で微笑んだ。
「からかっているわけじゃない。本気だよ」
紫の瞳がそっと近づいてきて唇にやわらかい感触を覚える。
キリスエールは身体を固くした。戯れにでもこのまま何かされたくなかった。ゆるゆると頭を振って、セインの唇を拒んだ。
「そう。僕に抱かれる気はないんだ」
「誰も選べないですから……」
消え入りそうな声で呟いたとたんに、意地悪気に笑われる。
「そうだったね。でも慰めてはくれるんだろう?」
「……セイン様」
そうだ。それすら忘れていたとキリスエールは思う。旅の間中、そしてこの街についてからも誰一人、自分に触れることはなかったから。
「キリスエール。キスを」
キリスエールは首を横に振る。
「キスも嫌?」
嫌ではない。だが、キスしてそれから……?
くすくすとセインが笑う。
「いいよ。久しぶりだからね。でも、キスだけはいい?」
言いながら、セインはキリスエールを抱きしめた。唇を歯でやわやわと噛んで、セインは舌でぺろりとキリスエールの唇を舐めた。
ちくちくした感じのあとに濡れた感触を覚えて、キリスエールはぴくんと身を跳ねさせる。
その反応に気をよくしたらしいセインに深く唇をあわせられて、舌を絡め取られた。
「……ん……ふ」
鼻から抜ける息が甘い音をたて、セインはキリスエールの腰をさらうとさらに口づけを深めた。
ぴちゃと艶めかしい音がして、キリスエールは大きく息を吸う。顔が熱くてやけに恥ずかしい。
名残惜しげに唇を啄んで、セインはキリスエールの額に自分の額を合わせた。
「キリスエール……すっかり大きくなった」
告げられた言葉にキリスエールは目を瞠った。子供扱いされたことに気付いて、くすくすと笑うセインの腕からキリスエールは身を捩って、身体を離す。
「セイン様っ!」
起き上がって、キリスエールはセインを見下ろした。
「ほんとだって。自分で気付いてないの?背丈もあるけど、頬のラインがシャープになった。もう、少年じゃない。旅のせいかな。身体にきれいに筋肉がついているよ。前は華奢だったのにね」
髪をかきあげて、セインはまたくすっと笑った。
キリスエールは自分の身体をまじまじと見る。自分ではどこがどう変わったかなんてわからない。鏡の中の自分も相変わらず瞳が大きくて、年より幼く見えると思っていた。
「心配だよ。お店にはお嬢さん方も薬を買いにくるだろう?」
「目当ては、俺じゃないです」
店主のトリアノンは男女問わずによくもてた。最近は出入りしているタミル目当ての女性もいるようだ。
「ふうん。まあいいや。おいでキリスエール」
寝っころがりながら、セインはキリスエールに手を差し伸べる。その手を見つめたままキリスエールは動けない。
「何もしない。約束するよ。キリスエールの体温を感じて眠りたいだけ。そのくらいいいだろう?」
その言葉にもキリスエールは動けず、差し出されたきれいな指を見つめていた。
「キリスエール」
懇願するような声音に、キリスエールは一度目をぎゅっと瞑った。
そして、そのままセインの腕に抱かれて眠った……。
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