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「山神の花嫁_昔話」
薄紅色の花弁

薄紅色の花弁(2)

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「泉。帰ったぞ」
玄関から屋敷の敷居をまたいだ翡翠はそこで泉を呼ぶ。いつもだったら、奥から微笑みながら現れる泉はいつまで待っても出て来なかった。首を傾げて、翡翠は屋敷に入る。すでに日が落ちたというのに屋敷の中には火も入っていなかった。
部屋の中は真っ暗なのに、居間の窓は開け放たれたままで、外では、洗濯物が風に舞っている。
「泉?」
不安が足元から這い上がって、翡翠の肝が冷える。こんなことは今まで一度もなかった。
朝は元気そうに見えたが、もしかして風邪をひいているのを隠していて、どこかで倒れているんじゃないかと翡翠は屋敷中を見て回る。泉ならありうる。翡翠に心配をかけるくらいなら自分が我慢すればいいくらい言いそうだ。だが、屋敷の中も庭も見て回ったが、泉の姿はどこにもない。
「泉。どこへ?」
翡翠は愕然と呟く。
部屋は荒らされた風情もない。だれかが押し入って泉をさらうのも考えられない。ここは、人界だが、翡翠の気を練り上げて強固な結界を張りめぐらせてあるのだ。神ですらここに屋敷があることには気づかないくらいの力を練り上げた。当然、人間は入れない。
泉と自分の2人だけの世界。
作りあげるのに10年は費やしたと思う。
翡翠は泉をここから出す気なんてさらさらなかった。期限を区切らなかったのはそのためだ。泉はずっとここで俺だけ見て暮らせばいいとすら思っていた。
ここのところ、出雲からの要請でやたらと仕事が入らなければ、ここから自分も出る気がなかった。だが、そういうわけにもいかない。出雲が護るこの大和の気がこのところ酷く乱れているのだから。
『宮を一度見に帰りたいのです』
そう願った泉を翡翠は思いだす。
ずいぶん思いつめていたようにも感じられて、どうにかして、泉が一度宮に帰ったのだと思った。だが、宮は閉め切ってしまった。庭で途方に暮れているかもしれないと翡翠は宮へと急いだ。
「泉。泉!」
宮の庭に立って叫んでも泉は姿を見せない。闇に沈む宮は薄ぼんやりとした月明かりが揺れるだけだ。庭には誰もいない。すでに仕事を終えたのだろう、人型すらも見当たらなかった。
泉。どこへ行った。
どうやってあの場所から出たのか、どこへ行ったのか、疑問が頭の中をぐるぐると回って、翡翠は乱暴に大きな手で髪をかきあげる。結いあげた髪がばさりと音をたててほどけた。ぎりりと奥歯を噛みしめても湧きあがってくる不安が翡翠の思考力を奪った。
ざあっと一陣の強い風が宮を吹き抜ける。風はどんどん強くなり、木々がその身を揺らし出す。
「泉」
翡翠の噛みしめた奥歯から唸るように上げた声に、さらに風の勢いが増した。


眠れない夜は長く、それでも朝は来る。
昨夜はひどく風が鳴っていた。春先だからというのもあるだろうが、例年より強い風だった気もする。
風の音のせいもあって、泉はほとんど一睡もできなかった。
起き出して、近くのいずみで顔を洗い、泉はふらりと歩き出す。たった一日、それも一晩、翡翠と離れていただけなのに、辛くて、胸が痛くてどうにもならない。
帰ってきた翡翠は自分が屋敷にいなくてどう思っただろう。
怒っているだろうなと思う。待っていろと言われたのに、全てをおいて出てきてしまった。
一晩経っても自分は消えてなくならないところをみると、側を離れないと言った契約は綻んでいないらしい。
翡翠の力の及ぶ山から出ていないからかもしれない。しかし、ここから出て行くことはきっとできない。山には翡翠の清廉な気が満ちていて、これをなくしたらそれこそ生きていられない気がした。
しだれ桜まで歩いて、泉はその太い幹に背を預けた。まだ、一輪も花はほころんでいない。固いつぼみが枝にしがみついていた。
何もしたくなかった。頭の芯がぼうっとする。
「翡翠さま」
呟くと頬を涙が流れた。たった一晩、それすらも耐えられない自分の弱さを泉は自分で笑う。
涙しながら笑うとは器用だと頭の片隅で思って、泉はまた笑った。翡翠が自分をいらないというなら、このままこの木の根元で朽ち果ててしまいたい。
木に寄りかかりながら、泉は午前中いっぱいをそこで過ごした。午後になると近くの川で水を浴び、食べるものを探す。
そうして暗くなると床につく。身体は疲れていくのに眠りは浅く、昔を夢見る……幸せだった翡翠との生活を……。
「泉」
呼ばれて泉は声のする方へ廊下を行く。慣れた宮だから、声の方向もすぐにわかった。庭に面した縁側に翡翠が立っている。白い着物に濃紺の袴姿だ。足もとは裸足だった。
「泉、ここに座れ」
現れた泉をまっすぐに見つめ、翡翠は縁側を指さす。なんだろうと思いながらも泉はそこに腰を下ろした。
何か間違えをしただろうか。
「足は崩していていい」
正座をして、膝に両手を揃えて座った泉に苦笑した翡翠はそう告げると泉の横にどっかと腰を下ろした。
言われた通り、足を崩して座りなおすと翡翠が身体を倒す。
「翡翠さま」
驚く声を上げる泉を面白そうに見上げながら、翡翠は泉の膝を枕にごろりと寝転んだ。
「いいな。泉の顔がよく見える」
気持ちよさそうに翡翠が笑い、泉は首まで赤く染めた。
風がわたる縁側で翡翠は寝息をたてている。それを泉は飽きずに見つめていた。自分の膝に散る緑の髪も翡翠の頬に影を落としている睫毛も愛おしい。
そっと手を伸ばして、翡翠の髪を手で掬った。起こさないように気をつけながら、それでもさらりと手の中から逃げる感触が気持ちが良くて、楽しくて、泉は眠る翡翠を見ながら好きなだけ翡翠の髪を弄ぶ。しばらくそれを続けて、するりと逃げる髪を追った手を不意に握られた。
「あっ」
声を上げると翡翠が泉の細い指に唇を寄せていた。下から悪戯っぽく光る琥珀の瞳がのぞいていた。
「起こしてしまいましたか?」
「いいや」
そう言って瞳を逸らさずに翡翠は泉の指を口に咥える。
「んっ……」
指の柔らかい皮膚を舌で舐められて、泉は吐息を洩らす。翡翠の強い瞳に射ぬかれながら、泉は手を取りかえせずに翡翠のしたいままにさせていた。
ぽっかりと泉は目をあけた。真っ暗な闇の中、自分を包む藁の香りにここが宮でないことを知る。そして、今まで膝の上に感じていた心地よい重みもまた夢だったことを自覚し、泉は溜息をついた。
翡翠と過ごした数十年。瞳を閉じるたびにくり返される思い出。
そして、目が覚めるたびに、それが夢だと思い知る。
翡翠との思い出はどれも喜びと嬉しさに満ちていて、そちらが夢だったのではないか、翡翠と出会ったこと自体が夢だったんじゃないかと思う。神の花嫁になんてならなかったんじゃないかと。
日に一度、会いに来る銀王がいなかったら、泉はそう思いこんでいただろう。
翡翠がどうしているかは怖くて尋ねられなかった。銀王も何も言わない。
泉の話だけ訊いて、銀王は帰っていく。銀王の瞳に心配そうな影がちらついても泉は気づかないふりをした。
もう少しだから、放っておいて、好きにさせて。
心のなかで泉は銀王に謝りながら、微笑んで別れを告げる。
「泉、私とこないか?」
そう言ってくれる銀王ににっこり微笑んで、泉は「また、明日。銀王さま」と言う。
そうして、7つの夜が過ぎた。

今日も朝から泉はしだれ桜を背に佇む。あんなに固かった蕾はほころび始めたらあっという間だった。視界を霞むようなうす桃色が染めている。枝はまるで泉を抱きこむように垂れ下がり、枝という枝にはびっしりと花がついていた。
風が吹くたび、花弁が風に舞う。
耳に聞こえるのは風の音だけ……。
だが、泉の目には、この幻想的な風景が映っていない。もう、思い出を追うのも考えるのも疲れてしまった。
翡翠は迎えに来ない。
自分から出てきたのだから当然だ。大体、ここに泉がいることを翡翠は知らないのだから。
今頃、誰かをその腕に抱いて眠っているかもしれない。
ふるりと泉は身体を震わせた。それでも、翡翠を諦められず、でも怖くて訊くことすらできない。
ぱきんっ。枝が折れる音に泉ははっと我に帰った。
「だれ?」
音のする方へ視線を送る。翡翠さまが迎えに来たのかもしれないと心を躍らせ、自分を見つめている黒い瞳に落胆を覚える。泉が見出したかった琥珀色の瞳はそこにはない。
驚いて声もないらしい相手を泉は興味なく見返した。そこに立っていたのは、若い人間の男性だった。黒髪の顔立ちの整った青年は、まるで幽霊でも見たかのような顔で泉を凝視していた。
「あ……」
声を出そうとし、口を閉じる相手を泉は見つめ返す。
人間に会うのは何十年ぶりだろうか。
二人はしばらく桜の枝を隔てたまま動かなかった。青年は何度か瞬きをし、驚きに見開いた瞳がもとに戻るころ、ふっと微笑んだ。
ひどく嬉しそうな笑みだった。
そのまま泉の元まで歩いてくる気になったらしい。桜を目指して歩を進める。
逃げる気にはならなかった。あまりに邪気のない笑みだったから。笑うと整った顔が少し幼く見えた。
「こんにちは」
目の前に立って微笑んだまま青年は挨拶を口にした。
「こんにちは」
ついつられて泉は挨拶を返す。
「凄い桜ですね」
青年は自分の頭上を振り仰いだ。垂れ下がった枝が風に揺れ、ざざっと音を立てる。
「樹齢千年を超える桜が山の奥にあるって噂を聞いて来てみたんですけど、想像以上です」
答えない泉には頓着せずに青年は話をする。
「山道は相当きつかったですけどね」
山道を登ってきたというにはやけに青年は軽装だった。靴も柔らかそうだし、荷物も特に持っていない。
「ここは神域なんですか?」
泉は首を傾げた。人間は神域には入れない。なぜ、そんなことを聞くんだろうと思ったのだ。
「神主さんでしょう?」
相手も不思議そうに泉を見る。
泉は自分を見下ろし、相手を見て、ああと思った。着物のせいだと。
相手は黒いズボンに西洋のシャツ、もこもこした上着を着ていた。すでに人間界に疎い泉でも、ここ50年ですっかり洋服が主流になってしまい、着物やもんぺをきている人間はいなくなってしまったことは知っていた。あの当時も街から来る人は、西洋の服を着ていたことを思い出す。
泉は青の着物に濃紺の袴、その上から白の直衣を着ている。髪は下ろして後ろで緩く結んでいた。
こういう服装は、すでに特殊な職業の人間しかしないのだろう。
泉は首を横に振って、枝の隙間から見える空を見上げた。
「主は別にいます」
青年はすっと瞳を細めた。つと泉に近づくと横に並び、その太い幹に自分も背を預け空を見る。
泉と青年は言葉なくしばらく空を見上げていた。時折、風が吹き、桜の花びらが視界をうす桃色に染める。
「誰かを待っているんですか?」
ぽつりと零れるように囁かれた言葉に泉は背を桜の幹から離した。驚いたように青年を見る。青年は動かずにあいかわらず空を見つめていた。
「なぜ?」
「先ほどのあなたの言葉で……」
一度言葉を切って、青年は瞳を閉じた。
「俺も待ってたから」
青年の声はいたって穏やかだった。底に諦めすら含んだ声。泉は、青年の横顔で視線をとめた。青年の顎から首が微かに震えている。
何かに耐えるように奥歯を噛んでいるんだと泉は思った。
「でも、もう疲れてしまった」
青年の言葉に泉の心がぎくりと音を立てた。目の前の青年と自分が重なる。
ずっと何かおかしい翡翠の様子にその理由も問いただせずに、泉はずっと悩んでいる。もう、ずっとだ。理由が泉の知りたくないものだったら、それが怖くて、それなら知らない方がいいと思い、だけど、翡翠が時折見せるあの瞳が切なくて、心が痛い。だが、悩み続けて、泉は考えることにすっかり疲れてしまった。
言葉もなく見つめ返す泉に気付いたのか青年が瞳を開き、幹から身体を離した。
二人の視線が絡みあった。
青年がふっと微笑んだ。透明で消えてしまいそうな笑みだった。
「変なことを言いました。花の精でも驚くんですね」
神主の次は花の精だと呼びかけられて、泉は困った顔をする。確かに自分はもう長いこと年もとらないし、本来だったらとうに寿命も付きている。竜胆にも昔、言われたではないか。すでに人の範疇を越えていると。だが、翡翠たち神様のように特別な力が使えるわけでも空が跳べるわけでもない。
相変わらず、2本の足で立って歩いて、何も変わらない。自分ではまったく変わったように思えないのに、どこかすでに違うんだろうか。
「人間に見えませんか?」
青年は一瞬きょとんとして、それからいきなり笑いだした。消えてしまいそうに儚げに見えたのに、目の前の青年は身体を折ってまで笑っている。
ちょっと憮然として、泉は溜息をついた。
「す、すみません。失礼ですよね……」
笑い過ぎで息が乱れたらしく、息継ぎしながら、青年は謝った。だが、泉はなにか釈然としない。
「面白い人だ。そういう意味じゃなかったんです。最初にここに辿りついた時、桜の見事さにも圧倒されたんですが、ここに佇むあなたが、あまりにきれいで、このしだれ桜とともにあると桜の化身にも見えたから」
そこで言葉を切って、青年は泉を見た。
「久しぶりに笑った気がします。あなたに会えてよかった」
そう言って微笑んだ青年に泉は胸騒ぎを覚える。まるで最後にと言っているような気がした。確かにここで別れたらもう2度と会うことはないだろうが、何か胸がざわざわした。
「人間じゃないんです」
溜息と共に吐き出した言葉に青年が驚きの瞳で泉を見つめる。
「花の化身でもありませんけど、だから、ここで何を言っても独り言です」
さらに瞳を見開いて、青年は言葉もなく泉を凝視した。沈黙が落ちる。かなりの間のあと青年は「まいったな」と呟いた。
「まいったな」
もう一度呟いて、よろけるように桜の幹に背を預け、両目を左手で覆った。
泉は何も言わない。促すことも慰めることもなく、ただ、そこに佇む。青年の肩が震えていた。泣いているのかもしれない。
「6年……。6年だ。それだけ一緒にいたのに……」
泉の言葉の意味を汲み取ったのか、思いが溢れてきてしまったのか、青年はぽつんと話しだした。
「結婚するんだ。ちいさくて可愛い花嫁さんと」
泉は黙って聞いていた。これは独り言なんだから。
「なんで俺じゃないんだって、どうしてって何度も聞きかけて、でも言えなかった。同性じゃ結婚できない。世間的におおっぴらにもできない。でも、それでも……」
青年は顔を両手で覆った。
「……離れたくなかった」
泉は大きく息をのんだ。彼の気持ちがまるで今の自分のようで、胸がきりきりと痛んだ。翡翠も隠しているだけでだれかいい人ができたのかもしれない。だから、自分をあんなところに閉じ込めて、隠してしまおうと思ったんだ。
「終わりだって言われたんですか?」
泉がぽつんと尋ねた言葉に青年は頭を横に振ることで答えた。
「言われてない。結婚するのに、他の人と暮らすのに、俺には何も言わない。あたりまえのように俺の部屋に来る……」
でも、許せないんだと青年は告げる。
ああ。同じだと泉は思う。誰にも渡したくない。自分だけを見ていて欲しい。あの瞳に他の誰かが映ることすら許せない。微笑わないで、その手で触れないで。
悲鳴のように心の中を黒く、暗い想いが痛みを連れて暴れまわる。
「好きなんですね」
溜息のように絞り出した声は掠れていて、そのとたん、青年の頬を涙がつたった。
泉はもうなにも言えなかった。青年も黙って涙する。
為すすべもないまま、音を立てずに時が行く。
足もとの影が徐々に伸び、山の端に太陽がかかってもうずくまったまま青年は動かない。もう泣いていないかもしれないが、桜の幹を背に、膝を抱えて丸くなって、青年は顔を伏せていた。
「このままだと夜になってしまいます。そろそろ下山しないと……」
声を掛けても動かない青年に、泉は一つの可能性に気づく。
「俺につきあうことないです。かたみちのつもりで来たし。この桜になってしまうなら、いいかもしれない。この世のものとは思えないくらいきれいだし」
顔を伏せたまま青年は自嘲気味に呟く。軽装の意味も、一人でこんな山奥まで歩いてきたのも、合点がいった。
「……だめ。そんなのだめです。待っているかもしれないじゃないですか。いなくなって怒っているかも」
「それはない。それに俺がいたらあいつが幸せになれない」
青年の肩が小刻みに揺れた。
「そんな。だって、ずっと一緒にいたんですよね。そのあいだ、その人も笑っていたんでしょう。それなのに、どうして……」
「不思議なことを言う。同性では結婚できない。同居だっておかしいかもしれない。ばれたら地位もなにも失うかも。そんな関係にあいつを巻き込むのか?俺の都合で?」
できないと青年は呟く。あいつには幸せになってもらいたいんだと告げる。
「……」
声もかけられず、声を殺して涙する青年を泉は見つめた。ぐっと喉がなる。青年が自分のようで、目の前で泣いている自分を見ているようで、泉は顔を歪めた。
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