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「天空国の守護者」
地上編

嵐雲(3)

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「ふうん」
建物の影から見かけた姿にロトはちいさく声を上げた。
目の前の道を大門に向かって急ぐキリスエールを見かけたからだ。ずっとこの人間の行動を追っているが、数日前までは家から一歩も出なかったのに、今朝はこんな早くから出かけている。
こんな朝早くからどこいくのかね。
黒の守護者の弱みになら面白いと思って、ずっと付け回しているが、なかなかひとりにはならなくて手はだせないは、最近は家から出てこなくて、どうするかと思っていたところだった。
今日は誰も護衛なしか。
面白いことになるかもしれないとロトは気配を消して、あとを追う。
キリスエールは、大門まで来ると3日前に茶屋で会っていた守護者とちっこい人間が待っていた。
「あの守護者、どうやって街に入ったんだか」
小さくひとりごちる。この街はすっぽりと妙な力に覆われている。自分たちクアール対策かとおもいきや、守護者に反応するようになっていて、あの色付き守護者は仲間に追われているのかと思ったほどだ。
数日前に、色付きの一人が負傷したらしいという噂を聞いたが、それも原因なのかもしれない。
「あれ。街から出てくよ」
3人を物陰から見つめているとキリスエールは、守護者と人間と連れ立って大門を出ていく。この街にいれば守られているというのに、なんの酔狂なのか。護衛も連れず、結界の外へとは、守護者から逃げる気なのか。
「捕虜って感じじゃなかったけどな。黒いのが後生大事にお守りしていますって顔していた」
ますます面白くなって、人波に姿を紛れ込ませながら、ロトはキリスエールの後を追った。
しかし、追跡も大門から伸びる街道が東西に分かれるところまでだった。西に行ってくれればいいものを東に進路をとってくれたものだから、旅人のふりして後を追うのが難しいのだ。
その上、あまり近づくと人の気配を纏っているとはいえ、あの守護者に気付かれる。
遠くなっていく、3人の背を見送りながら、ロトは舌打ちする。
「どうするか」
このまま強引にあの人間をさらってしまうのもありだが、それだと側にいる守護者と一戦交えないといけなくなる。いま、戦いたいのは黒の守護者であって、あんな雑魚とやりあって目立つのは得策ではない。
それに、あの人間が黒の守護者から逃げるつもりなら、切り札にならないかもしれない。
何をしたら面白いかとロトはしきりに考えていたが、ふと感ずるものがあって、頭を上げる。
頭上には青々と澄んだ早朝の空が広がっており、薄くたなびく雲が刷毛をひいたように白い。その向こうにざわざわする気配を覚えて、ロトは腕に鳥肌が立っていることに気付く。
「まじかよ。あいつら戦争でもおっぱじめる気か」
守護者の気配がものすごくかすかだが空の高みから感じられる。それも1人や2人ではない。
エミールを呼んだ方がいいかと思ったが、声を飛ばせば、色付きに気付かれる可能性があるため、迂闊なことができない。
「どうすんだよ。エミール。なんか、キングが動きそうな面白いことが起こっていそうなのに」
エミールに言われていた言葉を思い出して、ロトはいらいらと爪を噛む。
だが、気配はかすかにするものの、目に見えての変化はないも起きない。相変わらず、のどかな早朝の草原の景色が目の前に広がり、多くの荷馬車や旅人がロトの脇を通り過ぎていく。
ロトの一番嫌いな変化のない平穏な世界。
荷馬車を見送るふりをして、しばらくそこで思案していたロトだったが、顔を上げて、キリスエールが去っていた方角を見つめる。
やっぱり、多少強引でもあの守護者を蹴散らかして、あの人間をさらうか。
「なに?」
ロトのいるところから見える丘の上あたりに張られた街を覆う結界が、複数個所で鋭い音を立てるのが聞こえた。
次の瞬間、空に金の髪をなびかせた守護者が唐突に現れる。その後、銀と黒の守護者も。
あの3人でない守護者が結界に触れたためにあいつらが現れたのだとロトはとっさに判断した。
大門の上の物見台の人間が空を指差して騒ぎ出す。
「面白くなってきやがった」
つぶやくと同時に空が真っ白に染まる。
悲鳴とものがぶつかる音で騒然となるのを気にもせずに、ロトはそちらに駆けだした。
街は結界で護られていたから、この辺りに光は落ちてこない。ドームのような半球を光の矢が滑り落ちて世界が白く染まっているだけだ。
人間にはわからないらしく、右往左往した人々が門の中へと取って返す。物見台からも門を閉じろと怒鳴る声が聞こえ、中へ避難しようとする人が閉めるなと門へ殺到する。
その波に逆らいながら、ロトは草原へと足を向けるが、いかんせん人が多すぎた。
力を揮ってなぎ倒してしまいたくなるのを拳を握りしめて耐える。先ほど感じた守護者の気配はさらに強くなって、すでに上空へと目をやれば、空は守護者で覆われている。白い羽が陽光にきらきらと光っている。
この中で力を使ったら、クアールだとばれてしまう。さすがにこの数を一人で相手にするほど酔狂じゃない。
ロトは街道を逸れて草のたなびく方へ足を踏み入れ、黒の守護者がういているところまで、なんとか行けないかと模索する。
背後では、大門が逃げ惑う人々を収容しながらも、無情に閉じていく。間に合わない奴は閉めだすつもりらしい。
「人間らしい」
クアールを悪魔と呼ぶ連中のほうがよっぽど性質が悪いとロトは閉まった門をたたいて啼く人々を切り捨てた街の人間に対して思う。
空へと目を移せば、色付きの守護者が、あの大軍に突っ込んでいくのが見えた。
「あいつら、バカか。自軍をあれだけの数、相手にして戦うつもりか」
何をしているかはここからでは全くわからない。ただ、金、銀、黒の守護者が仲間であるはずの白銀の部隊を切り崩している。
「エミールっ」
これだけの混乱の中なら、聞こえないだろうとロトは街にいるだろうエミールに声を飛ばした。
何度叫んでも応答はない。
「あのバカも寝てんのか。こんなに面白いのに」
かなり力を込めて呼ぼうとした時と、守護者の軍が黒い鎧の一軍に切り崩されるのが同時だった。
「エミールか」
クアールの軍が守護者軍に側面から襲い掛かっていた。黒と白の鎧が入り乱れる。
守護者の支配の及ばないこんな街で守護者軍が陣を張って闘っているのだ。これは協定違反であり、当然、クアールが出張る口実にはもってこいだ。
「ロトも合流して」
頭に響く声に、ロトはやはりエミールがこの軍を動かしていることを知る。
この頃の守護者の動向は逐次、キングに報告を上げていた。もちろん、エミールがだ。
何がキングの興味を引いたが知らないが、傍観の構えのキングが動く気になったんだろう。
空ではクアールと守護者軍の戦いが始まっている。そちらにずっと気をとられていたロトは、ふとした小さな気配に視線を前に向ける。
「あいつは」
丘を下りる途中で、空を振り仰いで、絶句しているのは紛れもなくキリスエールだった。
あの丘の向こうで何が起きていたかはロトには知るすべもないが、獲物は目の前だ。
ロトとしては、こんな混戦で軍を率いて、黒の守護者と相対するなんてことはしたくない。
それより、やはり当初の目的通り、この獲物を捕まえて、黒の守護者をなぶったほうがあいつも本気になるだろうし、面白そうだ。
瞬時に判断するとロトはふっとキリスエールの前に移動した。
「こんにちは」
声をかけるとキリスエールがこちらに首をめぐらす。はしばみ色の瞳が不思議そうにロトを見る。
可愛い顔をしているが、どこにでもいる人間だ。
「キリスエールだよな」
名を呼ぶと、どこで会っただろうと顔にかいて、首を傾げ、思い至らなかったのか、足を後ろに下げる。警戒心だけは有るらしいと唇をにっと笑みの形にあげるとロトは口を開く。
「一緒にきてくれるよな」
言うや、目を見開いて逃げを打とうとしたキリスエールに駆け寄り、みぞおちにロトは拳を沈めた。ぐうっと唸って、ロトの腕の中にキリスエールが倒れこむ。
「おっと」
それをやすやすと抱えるとロトはふわりと宙へ浮いた。
「お姫様をさらったのが俺だってわからないと意味ないからな」
すっかり混戦になってしまっている戦場を見渡し、ロトはクアール軍の殿にキリスエールを抱えたまま移動した。
「ロト」
戦いには参加していないらしいエミールが飛んできたロトを迎えてくれる。
「エミール。お前が指揮者じゃないのか」
「まさか。隊長さしおいて、俺が隊を率いるなんてありえない」
状況を報告した功績が認められて、一兵卒として戦えと言われることだけは避けられたとエミールは言う。
「で、その荷物は?」
「まあ、ちょっとな。それより、黒の守護者は?」
「それが、なんだかよくわからないんだ。俺たちが隊を切り崩してからは、守護者軍はクアールと相対しているが」
言いながら、エミールが「あそこを見ろ」と指を指した一角に視線を向けると、金の軌跡を描いて、守護者軍が二つに割れる。
「あっちも」
守護者の一隊が、一人の守護者を守るように取り囲み、その者の手の動きで、軍が動く。
銀の髪が日に輝いているのが遠目に見える。
「俺たちと戦っているのか、それとも自滅しているのか?」
「さあな。俺にもわからん」
ロトは戦場を見渡すが、ここからでは黒の守護者の居場所は全くわからない。あの黒の翼は異質だが、クアールの鎧が黒のため、これだけ混戦になるとどこだかはっきりしない。
まいったな。せっかく獲物を披露しようと思ったが。
かといって、この戦場を飛び回って探すわけにもいかない。
「どうするかな」
肩に担いだ獲物と目の前の戦場を交互に見ながら、ロトは口の端を上げる。
「向こうからこさせればいいか」
酷く楽しそうにロトは微笑んだ。
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