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 ←第1章 せつない気持ち →『煉獄の恋』を改稿し、お引越し
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煉獄の恋

第2章 素直になれなくて

 ←第1章 せつない気持ち →『煉獄の恋』を改稿し、お引越し
約束通り、聖は21時過ぎに神栖の部屋に戻ってきた。リビングに入ると灯りはついているが、神栖の姿がない。
書斎を確認し、寝室を覗いて、ベッドにうつ伏せで横たわっている神栖を見つけた。
そっと側に寄って、身をかがめて顔を覗き込む。
眠っちゃったのか。
瞼にきつい瞳が隠れ、端正な顔がさらに際立って、神栖の寝顔は綺麗だと聖はいつも思う。だが、今日はさすがに疲れた感じがあり、心なしか顔色もあまりよくない。
仕事、かなりきついんだな。大丈夫なのか。なんか痩せた気もするし。
心配になって、そっと手を伸ばし、長い前髪の下の額に掌で触れる。手に感じた体温は特に異常はなく、このまま寝かせておこうと聖が手を引いた途端に、手首を掴まれた。
「神栖さん」
下から見上げられて、その瞳に宿る光の強さに聖はドキドキする。
「聖か。今何時?俺、寝ていたのか」
身体を起こし、頭を2、3度横に振る。
「なんか、すごく疲れているみたいだけど、大丈夫?」
「ああ」
枕元の時計を見て、それから再度、聖を見た。
「いま、帰ったのか」
聖は頷く。
「そうか」
なんだか少しほっとした顔を神栖はした。
「帰ってこないと思った?」
「違う。いや、違わないか」
自嘲気味にそして、寂しそうに神栖は微笑った。
こんな神栖を見るのは初めてだと聖は思った。いつも自信に満ちて、なんだか尊大で、光り輝いているのが普通みたいな人なのに。
「少し考えていた。お前に俺は必要とされているかと」
「なんで、そんなこと……」
「お前は俺に会いたいと言わないからかな。俺はお前を想わない日はない。何があっても心には常にお前がいて、会いたい、触れたいと願っているのに」
静かに語る神栖に聖は俯いた。
神栖の重荷になりたくなくて、会いたい、声を聴きたい、触れたいと思う気持ちを常に押し殺すのがあたりまえになってしまった。神栖はいつでも電話してこいと言ってくれる。それでも、こんなに疲労するほど忙しい人の邪魔はできない。会いたいと言えば、神栖は時間を割いてくれるだろう。でもそれで、この人に無理をさせたくはなかった。だから、俺からは電話もメールもしないと決めた。忙しさに目を向けることで、できるだけ神栖のことは考えないことにした。
考えたら、会いたくて、触りたくて、抱いて欲しくて、眠れぬ夜を重ねることがわかっているから。
このところ増えたバイトも大学での課題の多さも聖を救っている。勉強していれば、他に忙しいことがあれば、余計なことは考えなくてすむ。
だから、バイトを増やした。もちろん、生活のこともあったけれど、バイトをしていれば神栖のことを想っている時間が減る。それでも、どこかでつながっていたくて、国家試験も終わったのに、この部屋で過ごしている自分がいる。
矛盾している……。
「聖?」
唇を噛みしめ俯いたまま動かなくなってしまった聖を神栖は呼ぶ。
聖は首を横に振った。
言えない。できない。神栖さんの重荷にだけはなりたくない。立場も生活サイクルも違う、年齢も社会的地位も。でも神栖さんとは同じ目線でいたい。従属も庇護されるのもまっぴらだ。
「約束しただろう、戻ってくるって。俺、約束は破らないよ」
瞳をまっすぐ神栖の瞳に合わせ、そうだろうと問う。
「そうだな。悪かった」
神栖はらしくなく視線を外して、そう言った。
聖にはわからない。相手を思いやっているようで、こうやって心を告げないことが、大切な人を傷つけていることを。
「神栖さん、疲れているんだよ。もう少し眠ったほうがいい。ここのところ寝てもいないんじゃないの」
神栖は口端を上げてわらった。その笑みが苦く笑ったようで、自分の言葉を肯定したようで、聖はひどく心配になる。
「週末、ずっとここにいろ、そしたら寝る」
命令口調で告げられ、心配が杞憂だったかと思う。
「なんだよ、それ」
「お前が帰らないと約束しないと眠れない」
偉そうにきっぱり宣言されて、聖は呆れたように微笑んだ。神栖は聖の前で時々、子供のようなことを言う。聖はそれが嫌でなかった。それが全て自分に関することだったからかもしれない。
「わかった。日曜の夜まで、ここにいるよ」
「月曜の朝まで」
はあと溜息をついて、片手を挙げる。
「わかりました」
降参とばかりの言い方をすると神栖は嬉しそうに笑って瞳を閉じた。聖の手首を掴んだままで。

日が昇る前の薄明るさで聖は目を覚ました。神栖の寝室には遮光カーテンが使われていない。朝は光が入った方がすっきり起きられるという神栖の好みのせいだ。
そうだ。神栖さんの部屋に泊ったんだった。
温かいと思って、横を見ると神栖の腕が自分の身体に乗っていた。
あれ。俺、昨日ベッドで寝たんだっけ。
聖は寝起きの頭で昨夜をたどる。
神栖が自分の手首を掴んだまま眠ってしまい、仕方なくベッドの脇の床に座って、ベッドに頭を乗せて神栖の寝顔を見ていた。
日頃より柔らかく見える神栖を綺麗だと飽きることなく見つめていたのだ。そのうち、神栖が本格的に寝入ってしまい、聖の手首を離したのでリビングに移動した。
ここに泊るときはいつも神栖に抱かれて好きにされているので、どこで寝ようか考えたことなんてなかったとリビングに戻って自嘲気味に微笑った。
別に神栖の横で寝てしまってもいいのだが、あんなに疲れているなら一人でゆっくり寝かせてあげたい。割と気配には敏感な人だから、他の人がいるとすぐに目を覚ましてしまうと聖は思った。実際、神栖の寝顔なんて数えるほどしか見たことがない。大抵、聖の方が先に眠り、後に目が覚める。
ここで寝るかとソファに腰を下ろす。今夜、一人でゆっくり寝れば神栖は元気になるだろう。
眠りに落ちる前、やけに弱気だった神栖のことを思い出し、なんだかとても自分が彼に酷いことをしている気がする。
「会いたいって言って欲しいって言ってた」
口に出してみると胸が痛かった。
聖も神栖に会いたいし、そう言ってあげたい。でも、一度でも口にしたら、気持ちが止められない気がする。
神栖さんを困らせたくないし、嫌われたくない。
自分で自分を抱き締める。あの腕の温かさを知ってしまったから、もう手放せないことは自分が一番よく知っていた。心囚われてしまったから、失ったら生きていけない。
自分がこんなに他人に執着するだなんて、聖は自嘲する。
やっぱり、神栖さんが好きだ。
どさりとソファに横になり聖は腕で目を覆った。繰り返し想う。彼が好きだ。
涙が出る。抑えていないと溢れてしまう想い。こんな気持ちをぶつけたら、きっと神栖は重く感じるだろう。うっとうしくなってしまうかもしれない。
聖は大きく息を吐くと硬く目を瞑った。
またその気持ちを思い出してしまいそうになり、聖は頭を振った。しかし、やっぱりソファであのまま眠ってしまったはずなのに。
「聖」
天井を見つめながらもの思いに沈んでいた聖を神栖が呼んだ。
「目が覚めたのか」
「神栖さん……」
抱き締めなおされて、肌に神栖の肌があたり、ドキリとする。
「俺、なんでここに」
「覚えてないのか。やっぱり」
額を合わせられ、軽く睨みつけられる。
「ソファで寝てたところを起こしたら、抱きついてキスしたくせに」
「嘘、なんで、俺……そんな……」
思いっきり狼狽した聖に、神栖は少し機嫌を直したようだ。
「ほんと。俺は嘘はつかない。寝ぼけてたけどな」
神栖の言葉に頬に朱が上って、聖はますます狼狽えた。そんなはずはないと思い、こんなことで神栖が嘘をついても仕方がないと思い、聖は困惑する。
あんなこと考えながら寝たからか。
「大体、なんでソファなんかで寝ていたんだ。ここに来ればいいのに」
神栖の言葉に聖は視線を逸らした。
「邪魔だろう。寝ているところに誰か来ると」
なんだかすごく気恥ずかしくて、つい言い方がぶっきらぼうになる。
「お前ならいいよ。あんなところで寝たら風邪をひく。お前が側にいないと俺も寂しいしな」
神栖の言葉にさらに頬が熱を持って、どうしようと思ったとたんに唇を塞がれた。
「……んっ……やっ」
言葉は吐息とともに封じられる。口腔内に深く舌が入り込み、聖を翻弄する。上に乗られ思い切り深く深く口づけられて、身体がしびれ、思考が溶けていく。
やっと唇を離したかと思えば、神栖は聖の首筋に唇を這わせ、耳たぶを甘噛した。
「ちょっ……神栖さん……何を」
「決まっている。お前が欲しい」
言われた言葉の意味を悟って、聖は真っ赤になった。その間にも神栖は器用に聖のシャツのボタンをはずしていく。
「ちょっ……」
もう陽が昇ろうかという時間に何を言っているんだ。この人は。
「神栖さん!もう、朝だし、明るくなってるし。やめろよ。離せっ……やっ」
腕を突っ張って、神栖を身体の上からどかそうと聖はもがくが、胸の突起を指で軽くはじかれて、甘くかすれた声が喉をつき、背がのけぞり腰が浮いた。
「嫌だ。離さない」
神栖は聖の身体に腕を回し、抱きしめると、首筋に舌を這わせ、鎖骨の辺りを吸った。
甘い痛みが走り、聖の腰が再度浮き上がる。
「我慢は限界。聖が側にいるのに、触らないなんて無理だ」
「いや……んっ……あっ」
暴れても難なく押さえつけられて、胸の突起を口に含まれたとたんに身体が甘く蕩けだす。
神栖に触られると身体が熱くなり、どこもかしこも敏感に反応する。大きな手が腰を撫で上げるだけで、背筋を電気のようなしびれが走る。
それなのに胸の突起のさらに敏感なところを舌と歯で責められて、聖は背をしならせながら、身体全体が神栖を求めて走り出すのを感じた。
それでも、こんなのは嫌だ。だめだ
「やっ……やめっ……さわるなって」
身体を反転させて逃げようとしたが、うつぶせになった両方の胸を指先で撫で上げられて、背筋にキスをされる。
「もう、待つだけ待った。逃がさないし、離さない」
後ろからきつく抱きしめられる。このまま流されてしまえと囁く声が自分の中から聞こえる。しかし、それに耳を傾けてしまうほど聖のプライドは低くなかった。
「神栖さん。離せって。俺の話も聞けよ」
「聞いている」
それでも聖を責める手は動きを止まらない。
聖は吐息を噛み殺す。
「……んっ……明るいところは嫌だ」
「なんで」
「恥ずかしいだろう。おかしいし」
理由はないが、陽の下でというのはどうも聖の感覚だとおかしい気がする。起きて無理やりというのも気に入らない。
「いまさらだろう。お前の身体で俺の知らないところはないよ」
耳そばで低い声で囁かれて、ぞくりとする。あまりに淫靡な言葉に明度が下がったような錯覚にとらわれる。思わず身体を硬くし、瞳を閉じる。
唐突に腕の縛めが解かれた。
「明るくなければいいのか」
身体を起こし、神栖は前髪をかきあげる。少しいらだたしげなその仕草に聖は心臓が跳ね上がった。
飢えた肉食獣のような様子の神栖に聖は怖くなる。
「他の文句は受けつけないからな」
神栖は窓際まで歩み寄ると窓枠の上方に纏められていたブラインドシェードを引き下げた。一気に部屋が暗くなる。
聖はしまったと思った。神栖は本気だ。そして、聖は自分で自分の退路を断ってしまった。
「神栖さ……」
身を起して後ずさったが、膝でベッドに乗り上げた神栖に二の腕を掴まれ、強く手前に引かれた。抵抗することもできずに腕に抱きこまれ、唇で唇を塞がれた。
「ぁあ……ん……やっ……」
舌で口腔内をくまなく舐められ、逃げる舌はあっという間に絡みとられる。いつもよりさらに深い口付けに息ができない。苦しくて甘くて、頭の芯がぼうっとなる。
「いや……だ」
唇が離れると吐息とともに拒絶する。それが、神栖の気分をさらに猛り狂わせたらしい。
身体で押し潰され、聖の股間に手が伸びてくる。手早くベルトを外され、前を寛がされて、聖は後ろに身体を逃す。だが、それはただ、服を脱がす神栖の動きを助けたに過ぎなかった。
「本当は嫌じゃないだろう」
「……やっ」
聖自身を直接握りこまれ、聖は背をしならせた。神栖に触られたら、キスされたら、身体は正直に反応する。甘いしびれが全身に回ってまるで毒に侵されているようだ。
それでも、それに溺れて流されるのは聖の自尊心が許さない。こんな神栖に逆らうのは自滅行為だとわかっていても、実力行使で自由にされるのは嫌だ。
首を左右に振って嫌だと宣言する。
それをあっさり無視して、神栖は握りこんだ聖を扱く。先を指でゆっくり撫で、また動かす。
「いやぁ……やだ……ぁあぁぁ」
うわ言のように聖は嫌だと繰り返す。理性が全て溶けて飛んでしまうまで、聖はいつも神栖を拒絶する。
神栖の舌打ちが聞こえ、神栖をいらだたせていることを知る。
だが、追いつめるような激しい愛撫に、身体はどんどん熱をあげ、聖はあっけなく絶頂を迎えた。荒く息をつき、目尻から涙がこぼれた。
潤んだ瞳はやけに扇情的で、神栖を煽ることにしかならないが、それすら聖にはわからない。
「神栖さん、おかしいよ。どうして……」
荒い吐息とともに言葉を紡ぐ。今日の神栖はどこかが妙だ。怖い感じさえする。
「お前が欲しいんだ。たまらなく」
言うと神栖は聖の顎を掌で掬い、瞳を合わせる。
「拒絶するな、聖。歯止めがきかなくなる」
言って、また深く口づける。
「……くる……すさ……」
神栖の言葉の響きがやけに切なくて、聖は名前を呼ぶしかできない。
追いつめたのは、俺?でも、なぜ?
神栖の切なげな表情と声が、聖の最後の抵抗を打ち崩した。体中にキスを落とされ、長い指で聖の弱いところを責め立てられる。身体にまとわりつくだけになっていた服はすべてはぎ取られていた。
「ぁあ……やぁ……」
口をつく言葉はすでに意味をなさない。いつもなら、思考は彼方へ飛んでいてもいいのに、聖は、いつもと様子の違う神栖が気になっていた。
満たされない、飢えた獣のような神栖は、一体、俺に何を求めているんだろう。
俺は何をしてあげられるのだろう。
「ぁああ……」
自身を口に含まれ、聖は甘い悲鳴を上げた。舐め上げられ、腰が浮く。
頭の中は白い光が踊り、思考が溶けだす。身体は神栖を求め、満たして欲しいと願う。
それでも、思考の隅に神栖を気遣う想いだけが残る。
何かしてあげたいがどうしていいかわからない。
「……やっ……ん……」
首を左右に振り、両腕を上げる。
神栖さんを抱きしめたい。強く。
神栖は聖を追いつめる。絶妙に舌を絡ませ、歯で刺激し、知り尽くした聖の身体を想うがままに扱う。
「輝……さぁあ……んっ!」
名を呼ぶ聖に顔を上げる。聖が名前を呼びだしたら、もうほとんど思考が残っていない証拠だ。
外気が聖自身に当たって、身を震わせた。上げた腕が落ち、シーツをきつく握る。
「だめ……イクっ……」
「いいぜ」
獰猛に笑って、神栖は聖自身を咥えこむ。さらに激しく、抜き差しを繰り返した。
「やぁぁぁっ……」
あまりの強い刺激にあっという間に頂まで登らされて、聖の腰が跳ね上がった。ビクンと身体が跳ね、神栖の中で果てる。荒い息で胸が上下し、心臓が壊れてしまいそうに拍動していた。
おかしくなりそうだ。こんなにされているのに、身体はまだ、もっととざわめいている。
神栖さんが欲しい。こんな一方的な愛撫ではなくて。
だから嫌だったのに。一度、自分がどんなにこの人を求めているか認識してしまったら、どこまでも際限がないから。
また、会えない日が辛くなるから。求めて求めてやまなくてもあなたは俺の側にいてはくれないのに。
「輝……さ……」
上げた腕に神栖が気づいて身体をずりあげる。聖は神栖の首に腕をまわした。きつく抱き締める。
「どうした」
神栖の声はいつものように低く身体に響く。それにすら感じる自分が嫌だ。
「おかしいよ……いや……だ、こんなの」
ビクリと身体を震わす神栖をさらに強く抱き締める。
「俺ばっかり。輝は……?」
荒い息とともに言葉を吐き出す。
「何したいんだよ。何して欲しいんだ」
身体をぴったりと寄せ、聖は腕にさらに力を込めた。
でも、もう遅い。わかってしまった。どんなにこの人を求めていたか。こんな一方通行の行為ではなくてこの人が欲しい。
「聖……」
自分に抱きついた聖の腰を抱きしめ返し、神栖は聖を呼ぶ。
「勝手に一人で、俺だけ翻弄して……違うだろう。こういうことって……」
言って腕を緩めると聖は神栖の頬を両手で包み、唇を近づけた。
「せ……い……」
神栖の唇に唇を重ね、噛みつくようにキスをする。舌を入れ、神栖の舌に絡みつかせる。身体で押して、片手を離すと神栖の肩を押し、くるりと体勢を入れ替えた。
神栖の上に馬乗りになって、さらに唇を深く重ねる。
自由になった手で神栖の胸板を撫でた。滑らかな肌。無駄のない筋肉。それも決して太くないしなやかな身体。
唇は重ねたまま、掌で神栖の肌を確かめる。いつの間に神栖が脱いでいたのかも知らない。手のひらから伝わる裸体に羨望さえ感じて、さらに身体の線を辿り、肌を堪能する。
なめらかで力強い肌は、熱くて、気持ちがいい。
「聖?」
そして、神栖自身にたどり着く。口づけをほどいて、聖は指が触れた神栖自身を握りこんだ。
熱い……この人はどこもかしこも。熱い……
高い体温と手の中で猛る神栖が嬉しい。
「聖……?」
身体を起こすと身を沈め、聖は神栖を咥えこんだ。頭の中は欲しいという欲求しかなかった。神栖が欲しい。余すところなくすべて欲しい。
「んっ……」
神栖が一瞬身を硬くし、息を飲む。聖は神栖のものに舌を這わせ、手で扱き、そしてまた口に含む。
「せい……。お前」
神栖の戸惑う声に、口の中で質量を上げた神栖のものに聖は悦びさえ感じた。
「あっ……、くう……」
喉の奥まで神栖を含んで、聖は一心に神栖を貪る。喉の奥で先端を絞ると神栖が低く呻く。それが嬉しくて、聖はますます神栖を口で愛撫した。
「やめ、聖」
神栖の制止も全く無視して、聖は浮かされたように神栖を昇りつめさせる。
「せっ。……ぁうっ。聖、やめっ」
聖を引きはがそうと伸ばされた腕を手で阻んで、神栖を追い詰めると小さな声が聞こえ、聖の口腔内に熱くて苦いほとばしりを受けた。喉をならして精液を飲み干すと、聖は顔を上げて満足げに微笑った。壮絶に綺麗な笑みで。
神栖が自分の愛撫で達したことが嬉しかった。彼が欲しいのは自分も同じで、自分を感じてくれたことに幸せすら覚えた。
強く腕を掴まれ、神栖は聖を引き寄せ、そのまま口づける。
「お前も俺を求めていると思っていいのか」
瞳を覗き込んで神栖は問う。
「あなたの全てを俺にくれるの、輝」
問いに問いで返す。
求めはじめたらあなたを奪いつくせずにはいられないほどなのに、それでも俺にそれを求めるの。
俺の望みは告げない。きっと告げたらあなたは俺から逃げたくなるから。
「聖」
神栖は聖を抱き締める。最後まで心を見せない聖の真意は届かない。それでも、神栖は聖の言葉を言葉通りにとるだろう。
俺を抱いてと。
身体がきしむほど抱きしめられて、神栖の指が背を下へとたどる。
神栖が自分の中を蹂躙することを期待して、聖はうっすら微笑んだ。
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