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煉獄の恋

第9章 心の在り処(3)

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岸が出ていく扉の音を聞きながら、身動き一つせず、薄暗い部屋の天井を見るともなしに聖は見つめていた。
何度も心の中で聖は岸に謝る。傷つけただろうこともわかっているし、もう二度と許してはもらえないだろうが、それでも謝らずにいられなかった。
ずっと側にいてくれた岸の好意を利用したのは聖だ。あれだけ側にいてくれた岸の気持ちなんて見ようともしていなかった。友情にしては行き過ぎていると思わなければいけなかったのに。
それでも、聖は岸の気持ちには答えられない。キスされて、肌を撫で上げられただけでわかってしまった。自分が欲しているものが何かを。
「ばかだろう」
ぽつんと呟いた言葉がむなしく宙に霧散する。
自分の心はとうの昔に神栖さんに囚われていた。
唇の、掌の感触が違う。キスの仕方も、自分を煽るやり方も違う。岸に抱きしめられている間中、何もかも神栖と比べていた自分に吐き気がした。
忘れたかった。逃げたかった。胸の中に押し込めているには強すぎる感情を全て捨てて元の何も知らなかった自分に戻りたかった。
何度も何度もそう願ったのに叶うことはなかった。結局、全ては神栖さんにつながってしまう。そして思い知るのだ。もう、神栖さんから逃げることは叶わないと。神栖さんにとって自分が一番でなくても、もう二度と自分を見てもらえなくなったとしても逃げられないし、忘れられない。
岸の告白で、自分が心の奥底に自分でもわからないところに押し込めて目をそらし続けた感情の正体をとうとう知ってしまった。
神栖のことを好きだという自覚は今までだってあった。彼を誰にも渡したくないと思うくらいの強い気持ちがあることも知っていた。
「ここまでだったなんて」
ぐっと漏れた言葉に聖は奥歯をかみしめる。
誰かを想う心の全てを彼の上にあずけていた。神栖でなければ自分にとってなんら意味がなく、他は通り過ぎて行くだけのもの。そして、それは神栖が自分から離れていなくなったとしても変わらないのだ。
それに気づくのが嫌で、そこまで神栖に想い入れている自分を自覚したくなくて、そのことを神栖に知られたくなくて、逃げ回っていたことを聖はやっと認めた。
忘れるにしても、逃げるにしても、自分の心を神栖のところに置いてきてしまった以上、神栖と対決することなしに、それは叶わないということを思い知ったのだ。
吉井のきちんと決着をつけろという言葉も聖の背中を押していた。
そして、それ以上に、神栖の様子も気になっている。吉井が自分に告げに来るくらいの異常な状況に神栖がいるのなら、救えるのは聖だけだという吉井の言葉が真実なら、このまま見て見ぬふりができるはずもなかった。
神栖さんに別れようと言われたら、世界が終る気がしていた。実際、そうかもしれない。怖くて、恐ろしくて、自分から手を切って見て見ぬふりをしようとした。
実際は何も変わらないのに。
どんなに怖くても決着はつけないといけない。そして、そのあと自分がどうなるかはその時に考えようと聖は思った。
「約束までは待っていられない」
がばりと身体をベッドから起こして、床におり、服を整える。
帰って来たままだった鞄を取り上げ、椅子の背に掛けたコートを羽織ると、聖は部屋を出た。
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