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遠回りの片恋

「遠回りの片恋」11

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二人で部屋へ戻ってくると葵はそのまま布団に倒れ込む。さすがにとても疲れて、身体を起こしているのが辛かった。
「ちゃんと布団掛けないと風邪引くぞ」
それに「うん」とか答えた気がするが、葵はそのまま眠りに落ちた。

写真でみた澄江が滝を背に微笑んでいる。オレンジ色のワンピースを着て、そこからすっきりのびた長い手足が眩しい。辺りは細かな霧で覆われている。真っ白な視界に澄江のオレンジ色だけが浮かび上がるようだ。
『私はここよ』
とびきりの笑顔で澄江は笑う。
暗くて見えないが、男が自分に乗り上げて笑っている。下卑た笑みが恐ろしい。男の腕が首に伸びて強く絞める。それを澄江は滝を背に笑って見ていた。
『ここにいる』
葵は助けを求めて澄江に手を差し伸べる。澄江は葵に手をさしのばし、そして滝が水しぶきを上げて落ちる池へと背中から落下する。
オレンジ色の鬼百合。
笑顔の澄江。
葵は声の限りに叫んだ。

「葵!……葵!」
自分の悲鳴と片桐が呼ぶ声と抱き締められた強い腕に葵は目を覚ました。身体は冷たい寝汗をかいており、片桐の着ている浴衣の襟を力の限り掴んでいた。身体に回った片桐の腕だけが熱を持ってここが現実であることを葵に知らしめる。
「片桐……さん」
目を何度か瞬いて、葵は顔を上げた。片桐の胸にすっぽり抱き締められ、見上げた先に片桐の心配そうな顔が見えた。
「大丈夫か?うなされていた」
腕を解かずに片桐は葵を見つめて問う。
「怖い……。首絞められて、滝つぼに……」
葵はさらに手が白くなるほど、片桐の浴衣を握りしめた。この手を離したら現実から引き離されてとても怖いことが起こる気がする。
恐怖に葵は身体をさらに片桐に擦り寄せる。片桐の葵を抱く腕の力が強まった。
「ごめん。片桐さん。しばらくこのまま……」
掠れた声で葵は哀願し、額を片桐の胸に付けた。怖い夢を反芻しないように、ゆっくり深呼吸を繰り返す。片桐は葵の願いどおりに熱い腕で葵を抱き締めたままでいた。
片桐の心音が聞こえる。強く早めの音が葵に現世を思い出させ、あれは全て夢なんだと思わせた。もう一度葵は大きく息を吐き出し、そして、掴んでいた片桐の浴衣の襟から手を離した。掌で片桐の広くしっかりとした胸板を押し、顔を上げる。
「ありがとう。もう、大丈夫……」
離していいよという言葉は、発することができなかった。片桐の顔がすっと近づいたかと思うと唇を片桐の唇で塞がれていたから。
なんで……?
押し付けられた唇は熱くて柔らかく、疑問を口にするために開いた唇の隙間から、片桐の舌が押し入ってくる。口腔内を硬くとがらせた舌で辿られ、葵の息が上がる。逃げた舌を絡みとられ、思うまま貪られる。甘く情熱的な口づけだった。
「片桐……さん……息が……」
喘ぎと一緒にそう言うと片桐の唇がゆっくりと離れた。葵は息を継いだ。その次の瞬間にはさらに深く唇が合わせられていた。身体を組伏せられて片桐が葵の上に乗る格好のまま抱き締められた。目が回りそうなほどの恍惚感が葵に襲ってくる。口腔内のどこもかしこも舌で辿られて、上あごを舐められ、舌の上をざらりと舌でなでられ、
「あぁぁっ……」
葵の口から甘く切ない吐息が漏れる。
これも夢?片桐さんが俺にキスするなんて。
そう思った途端に、浴衣の合わせ目から片桐の大きな手が滑りこんできた。胸の上を掌が滑る。
「ちょっ……片桐……さん?」
深い口づけに口の端を伝った唾液を舌でなめとられ、唇を解放された葵は片桐を呼び、肌を這う片桐の手を浴衣の上から押さえた。
「葵」
熱い声で片桐は葵の名を囁き、人差し指と中指を曲げた。
「んっ……あっ……」
掌を押さえた位置が悪かったのか、片桐の指が葵の胸の突起を掠めて、葵はビクリと身体を揺らし、喘ぐ。
「怖いことは全部忘れたらいい」
耳元で片桐が囁き、耳たぶを甘噛された。
「んっ……」
それすら身体が反応し、声が漏れた。
「夢を見るならいい夢を」
耳たぶを咥えたまま片桐はそう告げた。耳にかかる片桐の息が熱い。
「ほ、本気?」
葵の言葉にまた指を動かされて、それが胸の突起を挟んで、葵は身体をのけ反らした。
「やっ……んっ」
「冗談じゃできないだろう」
上から見つめられて、合わせた瞳は牡の情欲で満ちていた。葵の答えは待たずに片桐は葵の首筋に顔を近づけ、ぺろりと舐める。そのまま唇を寄せると首筋を辿る。
「あぁっ……んっ……」
葵が押さえているのとは反対の手で葵の浴衣の肩をはだけた。白く滑らかな肩まで、首から舌と唇が辿って行く。
「片桐……さ……」
名前は喘ぎで遮られる。
「章」
名前で呼べとばかりに告げられた。葵には何が起きているか認識ができない。ノンケのはずの片桐が自分を抱き締めて、身体にキスを落としているなんてあるわけない。
「俺、男だよ」
それには答えず、片側だけはだけられた葵の肌を片桐の舌が伝っていく。胸のピンクの突起にそっと唇が触れ、それから舐め上げられた。
「やぁっ……んぁっ……」
身体を電流のような痺れが走り、混乱した思考が溶けだしていくような気がする。
「敏感だな」
「なんでこんなこと……」
「葵が欲しいから」
感じていることが嬉しいらしい顔で、葵を見上げると片桐はそう言った。葵の瞳が大きく見開く。
「ありえない」
呟いた言葉に、片桐は再度葵の胸の突起を舐めた。
「……ぁああっ……」
「現実だ。葵が気づいてくれるのを待っていたんだが、さすがに我慢も限界。お前が欲しい。それとも男は嫌か?」
口を胸につけたまま囁く片桐に葵の腰が浮く。
片桐さんは何を言っているんだろう。男の俺を欲しいって。俺を抱くって言っているのか。
「嫌じゃないなら、もう黙って」
片桐はそう言って、身体をずり上げると葵の唇を自分の唇で塞いだ。
嫌じゃない。ずっとこうなることを望んでいたんだから。でも、何故?同情?それとも男に手を出すほど溜っているんだろうか。
舌で葵の唇を割り、そのまま差し入れられる。舌が葵の口の中をゆっくり辿って行く。舌を絡められると葵もそれに応えて、片桐の舌を辿る。
熱くて、甘い……
ぼうっとなる頭で葵はそう思う。好きな人との口付けはなんて心地良いのだろうと。
離れて行く唇を名残惜しそうに見つめる。
「あっ…やっ…」
葵の身体がのけ反った。いつの間にか離していた片桐の両手が浴衣の中に入り、すっと胸から腰へと手を滑らせたからだ。片桐の手は葵の肌を味わうように辿って行く。掠るように、時には指で押して、葵に声を上げさせる。
浴衣はすっかりはだけて、着ているとは言えないような状態になっている。身体の脇を指で辿られ、腰骨のあたりで円を描き、くすぐったさと熱をもった疼きに葵は身体を捩った。背中を見せて逃れようとする葵の腰に腕をまわし、難なく押さえつけるとあいている手で、浴衣を剥いで、片桐は葵の背中に唇を寄せた。背筋に反って、舌の先でつつっと辿られ、葵の背がひくりと震えた。
「んっ……あんっ……」
「葵」
低く甘い声が耳元でした。腰にまわされていた手がすっと降り、帯をほどかれた。そのまま浴衣は取り去られる。さらに手は、葵の内腿を這い、トランクスの隙間から指が葵自身に触れた。
「ああっ……やっ……」
掠っただけなのに甘い嬌声が葵の口をつく。焦らされる愛撫に葵は熱くなった身体が止められず、緩やかに腰を振る。
「片桐さん……」
「章」
即座に訂正され、また指先が葵の先端を掠って、葵は身悶える。
「んっ……触って……」
「名前呼んだらね」
そう言って片桐は葵のトランクスのゴムに指を掛けると手前に引いて、少し下げる。
すでに反りかえるくらい勃っている葵自身が夜気に震える。片桐は指をゴムの淵に反ってそのまま後ろへ滑らせ、後ろもするりと下げてしまった。
全裸にされて片桐の下で葵は大きく息をする。そして目を開け、首を後ろに向けて肩越しに片桐を見た。片桐は葵をじっくり見つめていた。夜の明かりでうっすら白く浮かび上がる裸体を。
「こっち向いて、葵」
ここにきて急に恥ずかしくなった葵は顔を布団に伏せた。視線で犯されているようでいたたまれない。
「こっち向いて」
葵の好きな低く甘い声がすこし掠れていた。どうしていいかわからず、葵は言われるまま、身体の向きを仰向けに変えた。闇夜に片桐の浅黒い引き締まった身体が見えた。いつの間に取り去ったのか片桐も浴衣を脱ぎ棄てていた。
きれいな身体だな。
葵は片桐の肌を見てそう思う。きちんとついた筋肉が肌を内側から押し、弾力と固さのありそうな肌だ。腰は引きしまって細い。
見惚れていると片桐の腕がすっと動き、人差し指を鎖骨の間に置いた。
そのままゆっくりと指は葵の足もとに向かって移動する。胸の間を滑り、おへそを軽く押して、さらに下へと指は滑って行く。
日本人にしては淡い色の茂みに指が辿りつくとそこで止まり円を描くように動かされた。
「片桐さん。いやだ……」
身体が熱くてもうすぐにでも触って欲しいのに、片桐はふるふると揺れる葵には触れずに焦らす。
「名前呼んで」
「し…しょう……」
「なに?」
少し意地悪く片桐が笑ったのが見えた。
「章。焦らさないで。もう嫌だ」
恥ずかしくて葵は腕で顔を覆って頭を左右に振った。片桐は上体を倒すと葵の茂みに顔を寄せ、指が蠢くところに唇を落とした。
「ああぁっ……」
触れて欲しいところではなくて、葵は切なげに啼く。それにまた微笑みながら、片桐は上目づかいに葵を見つめた。顔を覆っていた腕を降ろしてしまったせいで、何かを促す目をする片桐と視線が交叉する。
「さて、どうしようか」
口端を舐めて、片桐が問う。その表情が獰猛な獣のようで、いつも紳士な片桐とは思えない。
それでも、葵は片桐が待っていることを理解した。して欲しいならねだれとその瞳が語っている。
「して。俺に触って……」
身体の熱に耐えきれず、片桐の手が、葵がいつも見つめていた指が自分に触れるかと思うだけで、身体が震え、葵は片桐の望む言葉を口にした。
呟くように言うと片桐が愛おしそうに目を細める。
「――俺を抱いて……章」
葵の囁きに満足げに口端を上げると片桐はいきなり葵自身を咥えこむ。
熱い口の粘膜に自身が包まれて葵は背を反らした。
「あぁぁっ……んっ……やぁっ……」
片桐の唇が葵自身を扱く。舌が葵自身を辿り眩暈がしそうな感覚が下肢から襲ってくる。
「やっ……あぁ……んっ」
嫌だと言いながら葵は腰を振る。片桐は葵を舐め、扱き、追い詰める。
「あぁ……章……そ、そんなにしたら達く……」
身体をのけぞらせ、片桐の舌の動きに翻弄されながら、葵は頭を左右に振った。
このままだとすぐに達ってしまいそうだ。
片桐は一度口を離すと根元からゆっくり先端まで舌を這わす。
「んっ……あぁっ……」
それから先端もゆっくり舐めた。ひくんと身体が官能に震えた。
「っあぁっ……」
何をされても感じて、気持ちが良くて、葵は霞みがかかる頭を必死に左右に振った。久しぶりにしたって、この感じ方は自分でも信じられない。あまりに手慣れた愛撫に葵は自分ペースも何も保てなかった。
達きそうなぎりぎりのところで、心地よい愛撫を繰り返され、その都度、背筋を駆け上る痺れが思考さえも麻痺させていく。
膝を立てられて、足を開かされていることも朧げな意識の彼方で感じただけだ。
「ぁぁあっ……やぁっ……」
自身を舐め上げられる甘美な感覚に酔いしれていた葵の後ろの蕾を濡れた指で円を描くように撫でられた。
強烈な刺激が背筋を駆け抜ける。
「大丈夫。怖くないから」
片桐の言葉にそうじゃないと思う。初めてじゃないから怖いわけではない。
いや、怖いか。やったことない人がここに知らずに突っ込むと怪我をするのは葵だ。
「ちがっ……」
言おうとした言葉は、蕾に差し入れられた細い棒とそこから中へと入れられたローションの感覚に途切れた。入れられたものはあまりに細くて刺激にはならなかったが、中を満たすローションが壁の熱さでさらに粘度を増し、気持ちが悪い。
「だめっ……やぁっ……」
制止する隙も与えてもらえず、片桐は葵の蕾をローションをつけた指でなぞる。ゆっくり押して、ローションを擦りこむように押したり、擦ったりを繰り返し、つぷんと指を沈めた。
「んっ…ぁんっ……」
慣らすように焦らすように指は入口をゆっくり彷徨う。だんだん身体が快楽の記憶を取り戻し、早く奥まで入れて欲しいと叫び出すのを葵は感じた。
それでも片桐はゆっくりと葵の後口を解していく。入り口が柔らかくなるまで何度も何度も指一本を出し入れする。それも奥までは入れずに。
「……ぁぁんっ……やっ……もうっ……ああぁぁ……」
最初の圧迫感は消え、だんだん柔らかくなった入り口と内壁が片桐の指に絡みつき、葵の喘ぎ声がますます艶を帯びた。
片桐は指を二本に増やし、葵の内壁を指の腹でゆっくり擦りあげる。少しずつ奥へ奥へと指が進んで、さらに葵の嬌声が部屋に響いた。
びくんっ。葵の腰が跳ね上がり、啼き声が高く上がる。
「そこっ……やっ……」
大きくのけ反った上体に片桐はいいところを探り当てたとさらに執拗にそこに指を這わした。
「やっ……だめっ……ああぁぁぁっ……」
何度も葵の感じるところを掠めて指が中で蠢く。知らないうちに指は三本に増やされていて、葵は指の動きに合わせて腰を振っていた。
よがる葵自身にも舌を這わせ、前も後ろも攻められて、あまりの刺激に頭の中に火花が飛び始める。背筋を絶え間なく駆け抜ける感覚もどうしていいかわからない官能も葵を苛んだ。絶頂まであと少しなのに、ぎりぎりのところで片桐に躱される。その絶妙な感じが堪らなく気持ちが良くて、どうにもならないほどじれったい。
「もうっ……、やっ……お願い……」
「葵?」
頭を振って哀願する葵を顔を上げて片桐が見る。葵は霞む瞳で片桐の姿を探し、なんとか視線を合わせた。
「おかしくなる……もう、お願い……」
「葵?」
「達かせて……。あなたので……お願い……」
自分でも何を口走っているか良くわからない。でも、はやくこの中途半端な快楽から解放して欲しかった。身体の疼きは奥底から絶え間なく湧いてきて、奥まで片桐のモノで刺し貫かれたい欲望と早く全てを吐き出してしまいたいと急く願いが葵を責めたてた。
体内の指をぐるりと回転されて、また嬌声があがり、こんな声だったかと遠くなった理性の片隅で思う。
「もう少しな」
片桐はそう言うと葵の中をかき回す。
「やぁっ……」
懇願したのにかなえられなくて、指で与えられる刺激では足りなくて、葵は頭を左右に振った。細くてウェーブした髪がさらさらとシーツを擦る音がする。
「章。やぁっ…はやくっ……もう、耐えられない……」
顎を片桐の手で止められて、葵は瞳を閉ざしてそう告げる。
「かわいい、葵」
囁かれて、唇を塞がれた。片桐の舌は熱くて開いた瞳に映った片桐の瞳も情欲に潤んでいた。軽く舌を絡められ、それでも指は動きを止めず、葵は喘ぎに口を開ける。
「はぁはぁ……」
下唇を舌で辿られ、焦点の合わない瞳で片桐を見つめるとゆっくりと指が引き抜かれる感覚がした。
「……やぁっ……」
それすらも感じて、身体が熱くてどうにかなってしまいそうだ。曲げられた膝を腹につくほどに押し付けられ、葵は片桐が膝立ちで立ったことに気付いた。
「章……?」
名を呼ぶのと同時に指が葵の蕾を押し開き、熱くて固いモノが押し当てられた。
「……あっ……あああぁぁぁぁっ……」
すっかり解された葵の中に指とは比較にならない大きさのモノが侵入し、内壁をこすりあげ、葵は甘い声で啼く。
圧迫感も質感もそして体温までもが指とは異なり、それら全てが葵の快感を刺激した。
あっという間に奥まで押し入られて、そこで片桐は動きを止める。葵の解れた内壁がさらなる刺激を求めて、片桐のモノに絡みついた。
奥まで差し入れたまま片桐は身体を少し前に傾けて葵の顔にかかった髪の毛を指でそっとどける。
「痛くないか?」
こんなに感じてどうにかなってしまいそうなのに、片桐にはわからないのだろうか。
片桐の問いに葵は微かに頷いた。そして軽く腰を揺らす。
葵の瞳を見つめる片桐がふわりと笑った。
「お前の中は熱いな」
大きく息を吐き出して片桐は言う。
ああ、彼も俺の中に感じているんだ。
一方的に気持ち良くさせられていた葵は相手も自分を感じて、いいと思ってくれていることが嬉しいと思う。
「章も熱い」
熱に浮かされたような掠れ声で答えるとまた片桐が笑う。端正な顔が柔らかくなって、やっぱり片桐が好きだと葵は思う。
葵も片桐に微笑み返した。好きだという思いを込めて。
「葵……」
名を囁くと片桐は上体を起こし、葵の腰を抱えなおす。
そして、さらに奥まで自身を差し入れた。
「やぁっ……」
それだけの動きさえダイレクトに身体に響いて、声が止められない。
すっと片桐に自身を引き抜かれて、葵の内壁がそれを引きとめる。入り口まで引き抜くと片桐は奥まで葵を刺し貫く。
「ああぁぁぁぁっ……」
内臓がえぐられるような衝撃に息が止まる。中に満たされたローションがぐちゅりと音を立てた。
何度もあたるところを変えられて、大きく出入りを繰り返され、葵の口からは絶え間なく嬌声が上がる。
指で散々擦られた葵のいいところを片桐自身が掠め、さらに葵の背がのけ反った。片桐はそこをうまくえぐるように突く。
「やっ……そこっ……だめだ」
葵はのけ反って顔を左右に振った。あまりに刺激が強すぎて頭の中が白く濁り、電気がはじけるような火花が幾重にも飛んだ。
探り当てると片桐はそこを執拗に自身で突きあげる。
「……だめっ……やぁっ……」
突きあげる度に葵はだめだと繰り返す。
「なんで、だめ?」
突きながら訊く片桐にわかっているのかいないのか葵は潤んだ目を向けた。
「おかしくなる……」
「その表情は反則だな」
酷く獰猛に口の端を上げて微笑むと、片桐は葵の腰を抱えなおし、さらに深く身体をつないだ。
「なっ……ぁあっ……んっ……で……」
葵は告げられた片桐の言葉を理解できない。
「壮絶に色っぽい……葵」
片桐の声も熱っぽく掠れていた。
「抑えが効かないかもしれない」
遠くに片桐の声を聞いたと思った。さらに激しく奥まで突き入れられ、葵の悲鳴のような啼き声が空を震わす。
それを繰り返されて、意識が本当に霞んでくる。
「もう、達かせて……」
呟くと繋がったまま身体を反転させられた。そして、片桐の手が葵自身を掴む。
小刻みに腰を突き上げられ、手で同じリズムで扱かれた。
「ああぁぁっ……はんっ……ぁはっ……」
もう、何も考えられなかった。ただ、片桐の与えてくれる快感が身体じゅうを駆け廻り、そしてぐっと擦られると葵は強い射精感に身をゆだねる。
ビクリと身体が震え、何度も先端から白い白濁が飛んだ。
「うっ……」
達った時に絞めつけたのか片桐の呻き声が肩越しに聞こえたが、片桐の動きはそれでも止まらず、さらに葵の最奥を突き上げる。
すでに弛緩した身体を何度も揺さぶられ、達ったのに感じて声を上げ、そして、いきなり片桐が体内から抜けた。背に熱い飛沫を感じ、火傷しそうだと葵は思った。
後ろからぎゅっと抱きしめられ、葵はその腕に手を添えた。荒い息が肩越しに聞こえ、片桐も感じて熱くなっていたことがわかって葵はひどく幸せだと思った。
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