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遠回りの片恋

「遠回りの片恋」17

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本来の予定なら今日が帰る日だったが、葵も片桐ももう一泊することになった。あれだけ人と会った後に病院に行ったので全てが終わったら日が暮れていたからだ。
病院での検査では、一日たっても変化なしとのことで、大丈夫でしょうと医者に告げられ、葵はほっと胸をなでおろした。
頭のコブはまだひいていなかったが、数日もすれば元通りとのことだ。
ここ何日間かであまりにもいろいろなことがありすぎて、用意されていた食事を摂ると身体が重く、疲れが澱のように溜っているのを葵は感じた。
「風呂は?」
片桐にきかれても、葵は首を横に振る。
「部屋の風呂でシャワー浴びるからいい」
大浴場で身体を伸ばして風呂に浸かった方がいいのはわかっていたが、もうそこまで行くのも億劫だ。
葵はのろのろとタオルだけ持って、部屋の浴室へと向かった。

「あー、疲れた」
すでに敷いてある布団にごろりとうつ伏せに横になると葵は呟いた。
熱いお湯を浴びて、かなりさっぱりはしたが、胸を塞ぐ陰鬱な気分と重い身体は相変わらずだった。
片桐は大浴場に向かったらしく、部屋には葵だけだ。
章が目を塞いでくれなかったら、死体も見ちゃってたんだよな。白骨化してたって言ってたけど……。
葵は身体をぶるりと震わせた。もしも、見ていたらこんな気分じゃ済まなかっただろう。いつも章にここって時に助けられているとぼんやり思う。
章は見たんだろうか。それでもあんなに平然としていられるんだろうか。
彼は一体何者なんだろう。刑事と知り合いで、武道に長けていて、ああ、街中で助けられた時も強かったな。
実は章のことを何も知らないんだ、俺。
葵は溜息をついた。
口をきくようになって、まだ二カ月だ。想いがかなったのは昨日。
基本的に優しいのに時々、妙にぞんざいで怖い感じがする。紳士な章と意地悪な章とどちらが本性なんだろう。
そしてそのどちらにも惹かれている自分を自覚して葵は苦く笑った。
章が何者であっても、つないだこの手を離せない。
こんなにも好きで、こんなにも想いが強い。
ギュッと目を瞑り、湧き上がってくる熱い感情を抑えた
ふと、濡れた髪の感触を背に感じたかと思ったら、髪に唇が触れる。石鹸のいい香りがした。
いつのまにか部屋に戻っていた片桐がうつ伏せで寝転がっている葵の髪に口づけを落とす。片桐が身体を離す気配に葵は仰向けに身体を反転させる。
「なんだ、眠れないのか?」
葵の横に膝をついて、上体を起こしていた片桐が葵を見つめた。
「なんで俺なのかと思って」
葵は腕を上げると思ったより側にいた片桐の首に腕をするりと絡めた。
そのまま自分の身も起こす。
息がかかるほど近い距離で、片桐を見つめる。
「髪も瞳も、華奢な身体も綺麗だから」
葵の唇の端に軽くキスを落として、片桐は言う。そのまま首筋にも唇を押しあてる。触れるだけの口づけを喉にも頬にも耳にも落とす。
片桐の首に腕を絡めたままで葵は布団に仰向けに倒れ込む。その反動で片桐は葵の上にのしかかり、啄ばむようなキスを片桐は耳に首筋に鎖骨に落していく。
「それって身体だけ」
くすぐったいようなじれったいような感覚に、くすくす葵は笑った。
「身体だけが目的なら最初に助けた日にやってた」
「ノンケだと思ってたのに?」
顎を右手で掴まれた。
「関係ないな。欲しければそうしてた」
唇を唇で塞がれる。応えるようにうっすら唇を開くと舌がするりと入ってくる。ゆっくりと舌の上を片桐の舌で舐められ、葵は片桐の首を抱く腕に力を込める。口づけが深くなって、舌が絡みとられた。
「あぁ……んっ……」
舌の下を舐められて、頬の内側まで舌が這い、葵は息を上げる。
「二か月だ」
一度唇を離して、触れるか触れないかの距離で片桐はそう言った。
「何が?」
「俺が葵に触れるのを我慢していた日数」
葵は瞳を開けた。
身体だけと葵が言った言葉への返答だ。頬がかっと熱くなった。たぶん真っ赤だろう。
「最高記録だ。自分で自分をほめてやりたいよ」
言葉を返せない葵に片桐はにっと笑った。
「身体も心も全部が欲しかったからな」
囁かれた言葉に葵は身体を震わせた。想いは本当に届いたのだ。葵が片桐を好きなように、片桐も葵を好きだと知る。
唇が触れる距離で交わされる最上級の睦言に葵はうっすら微笑んだ。
「章。あんた、やっぱり“たらし”だ」
頭を軽くあげて、葵は自分で片桐の唇に自身の唇をあてた。首を少し傾げ、深く口づけると今度は葵が片桐の口腔内に舌を入れた。
舌を舌で辿り、上あごを舌で辿ると片桐の唾液が葵の口の中へ流れ落ちる。それを飲み下して、葵はうっとりと瞳を開けた。
身体を繋げるなら好きな人がいいと、想い想われた人としたいとずっと思ってた。
片桐とならそれが叶う。葵は潤んだ瞳のまま片桐を見上げ、うっすらと微笑んだ。
「お前はエロティックだ」
浴衣の襟をはだけられて、片桐は葵の鎖骨の間に唇を当てる。
「っ痛……あぁんっ」
きつく吸われて、葵は顔をしかめた。それをぺろりと舐められ、甘い声が漏れる。
片桐の両手で顔を挟まれ、それがするすると首の横をさすって降りてくる。
はだけられた浴衣の隙間へと両手が消えると胸の突起を指で擦られた。
「やっ……あぁ……」
腰が浮いて、鎖骨の上の片桐の唇が笑みをこぼした。身体の上を片桐の手が滑って行く。
「きれいだ、葵。肌が俺の手に吸い付くようだ」
好き勝手に肌をまさぐる手が熱い。無軌道に動かされて、そのたびに着ていた浴衣が身体から剥がされていく。気持ちが良くて、身体の奥がざわめいて、少しくすぐったくて葵もくすくすと笑う。
「なんで俺だったのかな」
さっきと同じような違うような言葉を呟いた葵に片桐が顔を上げた。
「澄江さんさ。なんで、俺の前に現れたんだろう」
囁くように言葉を発する葵に片桐は苦笑して、胸の薄桃色の突起を舌で転がした。
「ん……はぁ……」
強く舌で突起を押しこまれて葵の腰が揺れた。
「俺……霊感なんてないのに」
感じて声をあげながらも葵は話を止められない。
このまま何も考えたくない。
身体は泥のように疲れていたけど、抱いて欲しくて誘ったのに、片桐の手に集中できない。
しかし、片桐は葵の話を制止することもなく、胸の突起を舌と指で弄った。舌が指が胸の突起に掠るたび、葵の唇から熱い吐息が漏れる。
「共感することがあったんじゃないか」
唇で胸の突起を挟んだまま話す片桐に葵は息を荒らげ、身体を捩る。
「はぁ……はんっ……」
身体は片桐を求めて徐々に熱くなってきているのに、自分の中の思いが強すぎて、思考が止められない。
「……共感……?」
ああそうか。
片桐の言葉に思い当ることがあった。
ここに来た時に、片思いで悩んでいた。その後もずっと。片桐にどんどん惹かれ、報われない祝福されない想いを哀しんでいた。
周囲に結婚を祝福されなかった澄江。
成就しない想いを抱えた俺。
全てがうまくいく道を見つけられずに悩んでいたから、澄江に自分を重ねたから、彼女は俺の前に現れたのかもしれない。
「どうした?」
「ん?ああ、そうかもしれないって思って……俺の恋も祝福されないと、叶わない想いだと、澄江さんの駆け落ちの話を聞いたときに思ったから」
身体をずり上げて、片桐は葵の瞳を覗き込む。
「お前の想いは叶っただろう」
「ああ。今は……そう……確かに叶った」
切なげな光を瞳に宿して葵は囁いた。
「忘れろ、怖いことは全部。事件は終わった。お前は生きてここにいる」
確かめるように片桐は葵を抱き締めた。
抱き締めたまま葵を見つめる瞳はそらされない。強く睨まれるように見つめられて、熱い腕と瞳が語る想いが葵をつなぎ止める。
「そうだね」
「黙って」
葵の好きな長い指で片桐は葵の唇を辿る。
「俺だけを感じろ。お前の全部で。俺以外のことは考えられなくなるくらい」
辿り終わった指を追うように再度葵は深く口づけられた。
息まで吸いつくすような口づけに葵の口が空気を求めて開く。それを待っていたかのように片桐の舌が口の奥まで侵入し、撫であげる。
さらに深く口づけられて、音がするほど舌が舌に絡みつく。
「……ふぁっ……んっ……」
あまりの深い口づけに葵は喉を反らす。離れた片桐の唇が葵の喉もとにあてられ、軽く噛まれた。
「んっ……」
葵の肩を片桐の手が滑る。
そう、忘れよう。怖いことは。
葵も腕をのばし、片桐の浴衣の合わせ目に手を入れ、それを肩から滑り落とす。しっかりついた張りのある筋肉を掌に感じて、葵はここにある熱い身体を感じる。
哀しかったことだけ覚えていよう。恋が実らなかった澄江のために。
葵は熱い片桐の肌に掌を滑らせた。なめらかで汗で少し濡れた肌が、ここに片桐がいて、自分を求めてくれることを思い出させる。
「葵」
片桐が葵の名を呼ぶ。
「何?」と葵は首を傾げて、腕を片桐の首に絡めた。そのまま身体を入れ替えて、葵は片桐の上にうつ伏せにのしかかった。
片桐の首筋に舌を這わす。首の筋の上を葵の舌がゆっくりと辿り、首に絡めていた腕を解いて、掌を胸にあてる。
少し早く強く打つ鼓動が、掌を通して聞こえる。
熱く強い鼓動に葵の身体もまた熱を持つ。
足をずらせば、腿の内側に片桐の猛りを感じて、葵は「ああ」と溜息をついた。
片桐が自分を欲しがっていることが嬉しい。
その足に片桐の手が滑り、持ち上げられた。片桐の上にうつ伏せになった状態でM字型に足を開かされ、葵の猛りもまた片桐の知るところとなる。
両腿の内側を片桐の手が滑り、葵自身を辿って行く。
「っあぁっ……」
もう片手は葵の形の良い尻の双丘を撫でまわす。
葵自身の先端まで指が滑るといきなり握りこまれて、葵の腰が浮いた。
そのまま軽く上下に扱かれる。
「やっ……。はぁっ……」
もっと片桐の身体を堪能していたかった葵は抗議の声をあげるが、嬌声にしか聞こえない。葵はまだ片桐にこのゆるゆるとした愛撫を続けて欲しかった。
「章。いや……まだ……」
「どうした?」
「もっと触って。俺も触りたい」
胸に手を置き身体を起こし、片桐の腹の上に馬乗りになった葵を片桐は下から見上げた。そして、愛しげに笑うと葵自身から一度手を離し、片桐は自分の浴衣の帯を解き、履いていた下着も脱ぎ捨てた。葵の腰に手を置いて、身体の位置をもっと足元の方へ下げ、片桐は自身と葵のモノをいっぺんに握って上下にその手を動かす。
「ちがっ……やっ……あぁんっ……」
手だけではなく、片桐の硬いモノにも刺激され、淫らな格好のまま腰が揺れる。
片桐の締まった下腹に置いた葵の手に力が入る。
触りたいのに、あまりの快感に片桐の身体に手をついて身体を支えるのが精いっぱいだ。
意味を汲んでもらえなかったが、一気に襲ってきた強い快感に葵は流された。
「自分で先端に触れて。触りたいんだろう」
片桐に言われて、片桐の引き締まった下腹に置いていた両手をさらに片桐の足もとの方へ滑らせ、片桐が扱いている二人のモノの先端に触れる。
自分で触ったのに、ビクッと腰が揺れた。片桐も腰を動かし、葵の手に自身の先端を擦りつけた。
ああ、章も濡れてる。
感じてくれてるのが嬉しくて、葵は指で片桐自身の先端の割れ目を辿ると片桐の口からも「んぅ」と唸りが上がる。
緩い愛撫を続けて欲しかったのに、これで一度官能に火がついて、身体の奥が疼きだす。
「離して。章」
息だけで囁くが、片桐は葵を離さない。
さらに強く扱きあげられて、葵は背を反らす。二人のモノの先端を強く握り込み、その刺激にも葵は声を上げる。
「あぁっ……すごい……はぁんっ……」
触りたいのにあまりの刺激が腰から上がってきて、上に乗りながら腰を振るしかできない。
欲しい……身体の奥がそう叫ぶ。
「しょう……もう……あぁっ……」
だめだ。どんどん追い上げられて、絶頂感が近い。
「離して……そんな……まだ、やっ……」
片桐に跨って、腰を振る葵を下から片桐が見つめているのが視界の隅に映った。目を細めて葵を見つめる片桐の頬が上気していた。
「あぁぁっ……しょう……だめっ……」
葵の背がすっとのび、葵は瞳を見開いた。とっさに両手で自身と片桐のモノを押さえる。手に熱い迸りがあたった。何回かそれを掌で受ける。
自分の両手に視線を送ると葵の細い指が白濁で汚れていた。一人分にしては多い汚れ。
自分がのっかっている片桐を見るとたくましい胸が上下し、下腹部が微かにひくりと動いていた。
章も一緒に……。
嬉しいと頭の隅で感じた。しかし、思考は定まらずに、頭の中がぼうっとする。
「葵」
呼ばれても動かなかった。まだ、身体が熱く、もとに戻るには程遠い。
動かないでいると、白濁で汚れた手を片桐の指で片桐のモノから外される。
その白く汚れた手を葵は掲げて見つめ、人差し指にゆっくり舌を這わせた。苦さが口に広がり、葵は微笑った。
「葵」
制止の声は聞こえないふりをした。身体が熱くて、気分はひどくエロティックでこのままでは終われない。
葵は乗っていた片桐から降りるとさらに身体を下げ、唇を片桐のモノに寄せた。迸った白濁が片桐自身にもまとわりついていて、葵はそこへ舌を這わす。
「うっ……あっ……あおい」
裏筋から先端にかけてゆっくり舌で辿ると全部を口に含んだ。達したばかりだというのに硬さを失わない片桐のモノにまだ感じてくれていると思い、ゾクゾクする。
苦味が葵の舌を刺激するがそれすら官能を煽ることにしかならないことに葵は内心苦笑する。
「しょうがないな」
肘で身体を起こすと片桐は葵を見て笑う。自分の布団の方に片腕だけ伸ばすのが見えた。支えている左腕に筋が浮かびあがるのが綺麗だと上目づかいに片桐を見ていた葵は思う。
「葵、そのまま足だけこっちへ」
また両肘で身体を支えると片桐は自身の右側を手で叩く。葵は言われた通り身体の向きを変えた。片桐の横に寄り添って、まるで巨大なネコがミルクを舐めているような格好になる。
まったく止める気もなく葵は、手で掴んだ片桐のモノを舐め、咥えこむ。硬くて大きい片桐自身が葵の上あごにあたるように手で調整し、そのまま口を閉じる。
軽く上下に動かすと先端が上あごを掠り、それすら葵は感じた。気持ちが良くて、それを続けると片桐の手で臀部をするりと撫でられた。尻の谷間に手が滑り、濡れた指が葵の蕾を輪を描くように辿る。
「あっ……んっ……」
切なげに葵の腰が揺れた。
「続けて」
止まってしまった愛撫を片桐が促す。葵は舌を片桐に絡ませた。相変わらず指が葵の後ろの蕾を彷徨って、葵の腰が揺らめく。
「ぁっ……やっ……なに?」
入り口がひくりと動き出し、体内に何か挿入されて葵は口をはずして肩越しに片桐を見た。
「冷たかったか?」
持っていた物を片桐は掲げて見せた。先の細い使いきりの潤滑剤のチューブだ。先端部は長くてかなり奥まで潤滑剤が送れるようになっている。
葵は首を横に振った。冷たくはないが、体内でどろりと流れ、変な感じだ。
「それならよかった。続ける?」
その言葉と体内に入れられたものに何をするつもりかがわかって、身体の奥がカッと熱くなり、疼きが腰の奥から湧いてきた。
答える代わりに葵はまた片桐自身を咥えこむ。
「いい子だ」
言うなり片桐はゆっくり指を葵の中に沈める。
「やっ……あぁんっ……」
内壁を指で擦られて、葵の口から声が漏れる。咥えようと思っても、届くところまで指が侵入し、腰が揺れ喘ぎが上がり、口が閉じていられない。
「熱いな。感じるか?体温で潤滑剤が溶けてる」
ぐるりと指で内壁を擦られて、葵は背をのけぞらせた。
「ぁはぁっ……やぁっ……」
あっという間に指を二本に増やされて、片桐の指が何かを探るように壁を行き来する。
「はぁぁああっ……」
腹側のどこかを強く押され、葵は悲鳴のような嬌声を上げた。頭を左右に振ると柔らかい髪が乾いた音を立てた。
そこを弄られると思考が飛び、もう何をされているかもわからない。ただ、ただ、背筋に反って激しい痺れが身体を突き抜けて行った。
「葵、こっち向け」
腕をとられ、うずくまったままの体勢から仰向けに転がされる。
指が抜かれ、内壁がもっとと体内で要求していた。
「しょう……」
名を呼ぶと膝を抱えあげられ、指が葵の後口にあてられ葵は首を横に振った。
「やっ……指、やだ」
指は内腿を這い、葵自身を撫であげる。
「んっ……やっ……きて」
「何?どうしたい?」
低く甘い声で囁かれて葵は瞳を開く。片桐の瞳に意地悪げな光が踊っていた。
「しょう……早く……」
「ちゃんと言えよ。好きなようにしてやるから」
行動で示すのは恥ずかしくなかったのに、声に出して要求するのはやけに恥ずかしい。唇を噛みしめて、片桐を睨みつけると、また、指が葵の蕾につぷりと沈む。
「やだっ……」
それでも刺激に腰が揺れる。
「こっちはそうは言ってないけどな」
恥ずかしさに白い肌がうっすら紅くなる。
「抱いて、章。もう、耐えられない……」
身体の奥からの要求に葵は一気に叫ぶように告げた。
「よくできました」
くつくつと笑いながら片桐は、指で葵の蕾を広げると片桐自身を押しあてるとゆっくり沈めて行く。
「ああぁっ……」
すっかり解された中は蕩けるように熱くなっており、すんなりと片桐を呑み込んだ。
奥まで入れられると押し広げられた中が満たされて、葵は喉をのけぞらせた。
片桐はゆっくり自身を入口まで退くと一気に奥まで貫いた。
「はんっ……あぁっ……」
内臓を揺さぶられるような衝撃に声が抑えられない。片桐は少し早く抜き差しを繰り返した。
退かれると内臓を持って行かれそうな快感が身体を走り、葵は身悶えて喘ぐことしかできない。絶えず、背筋を衝撃が脳まで突き抜け、頭の中で火花が飛んだ。
どのくらい貫かれたのかもわからない。ただ、襲ってくる快楽に溺れただけだ。下肢が蕩けるような感覚を味わい、葵は散々、啼かされた。
本来ならもう、達していてもおかしくないのに、達きそうになると逸らされて、焦燥感で頭がおかしくなりそうだった。
「も、できない……やだっ……ああぁぁんっ……」
叫んでも、片桐は何も答えず、葵を攻め立てる。
「お願い……もう……」
あまりの快感に葵の目尻に涙がたまり、貫かれた衝撃ではらりと頬に落ちた。
「達きたい?」
頷くと、片桐は優しげな愛おしげな瞳で葵を見つめた。
「いいよ。達って」
「あぁぁっ……」
片桐の囁きが耳に届くと律動が激しさを増した。お互いの下腹部で挟まれた葵自身も擦られ、ぎりぎりでせき止められていた葵は、その刺激だけで達した。
片桐はさらに律動を繰り返し、「くっ」という声を洩らした。
ああ、なんて熱い……
片桐の白濁が身体の深奥へ放たれたのを感じながら葵はこみ上げてくる幸福感を噛みしめていた。

「葵?」
終わっても葵を抱き締めたまま、横になっていた片桐が葵を呼んだ。
「何?」
「ああ、意識はあるんだな」
腕の中で動かなくなってしまったのを心配したらしい。
「でも、しばらくは動けない」
腕一本、上げるのが億劫なほどの疲労感が葵を包んでいた。しかし、その疲労感が心地よいのは満たされた感じがするからだろうか。
「そうか。なら、ずっと抱いている」
包み込むように胸に抱きこまれる。
「優しいんだね。今は」
抱かれている最中はやけに意地の悪かった片桐への皮肉だったのだが、くすりと笑われて躱された。
「なんで、あんな……」
確かに気持ちも良かったし、充足感もある。それでも、あそこまで執拗にしなくてもよかったのではと葵は片桐に問う。
「お前に俺を刻み込みたかったからな。忘れられないように」
抱き締められて顔が見えないまま、語られて葵は真っ赤になった。
「気障だね」
わざとそっけなく返すが心臓が大きく波打ったのには気づかれているだろう。
指で葵の髪を梳きながら、片桐が葵の言葉に肩を震わせた。
「そうか?でも、本心だ。お前を俺のものにしたい。なにもかも全部」
「口説いてるの?」
「そう、ずっと。何度も」
その言葉に葵はほうっと息を吐いた。確かに、思い返せば、片桐はずっと俺を口説いていた。
「でも、返事がないんだ」
葵は抱き締められながらも顔を上げた。片桐の綺麗な顎のラインが見えた。
「えっと……こうなったらそれが返事じゃないの?」
きっぱりと首を横に振られて、葵は溜息をついた。
こんなに章に入れこんでいるのは、見てればわかるじゃないか。
「章……おれ……」
頭が真っ白になって、なにも気のきいたことが浮かんでこず、葵は片桐の腕の中で、身じろいだ。
「好き。あんたが誰よりも好きだ」
子供みたいな告白しかできずに葵は、片桐の胸に額をつけた。
穴があったら入りたい……。
「俺もお前が好きだ」
それでも片桐は優しく葵を抱き締め、髪にキスを落とす。
ああ。なんでもよかったんだ。俺の心の言葉なら。
そして、返された言葉は葵の欲しかったもの……。
なんだかとても温かい気持ちに満たされて、葵はそのまま瞳を閉じた。今度は、昏い闇に囚われずに眠れそうだと思ったのがこの夜の最後の記憶だった。

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