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遠回りの片恋

「遠回りの片恋」18_片桐side

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日差しを遮るパラソルの下で、片桐は本を片手に珈琲カップを傾けた。街中のオープンカフェは、昼前だと言うのにそこそこ混んでいる。
片桐は漸く手に入れた恋人の葵と待ち合わせているのだが、まだ、その姿は見えない。
「よう」
声を掛けられて、片桐は読んでいた本から視線を上げた。
座っているとかなり見上げなくてはならない長身の男が立っていた。短い黒髪に面長の顔、薄い唇が愛嬌のある笑みをたたえている。
この間の事件の担当刑事の桧榊(ひさかき)だ。片桐は眉間に皺をよせ、露骨に嫌な顔をした。
「ほんとに来たのか」
「そりゃあね。こうでもしないと二人と会えないし」
許可も取らずに、桧榊は片桐の前の席に腰をおろすと寄ってきたウェイターに珈琲を頼んだ。
確かに、桧榊から電話で会えないかとは言われた。事件のその後を伝えたいから、二人が出かける日に合わせてもいいし、署に来てくれてもいいと。
両方嫌だと回答したはずだが、結局、こいつは邪魔しにきたわけだ。
「でも、ほんとにあの子と付き合ってんだな、片桐」
珈琲が運ばれてきて、しばらくしてから、桧榊が口を開いた。
「悪いか」
「悪くない……かな?でも、わかってるんだろう?」
真剣な目をしてこちらを見つめた桧榊を片桐は威嚇するように睨み付けた。
もちろんわかっている。これがどんなに危険なことかなんてことは誰よりも片桐がよく知っていた。
本気で誰かを好きになり手に入れることなど一生無縁だと思って暮らしてきた片桐にとって、最大の誤算は葵だった。
大体、一目見た瞬間に恋に落ちるなど、小説か映画の中の話だと鼻で笑っていたのに、自分がその一人になるとは驚きだ。
この美しい生き物を一目見た途端、魂までもとりこまれてしまったような感覚は忘れられない。それまでは、抱きたい人間はいても恋愛したい人間はいなかったのに。
「葵くんは記者だよ。裏の世界を表の世界に暴く側の人間だ」
ぎりりと片桐はい殺しそうな目で桧榊を睨み付ける。
そんなことはわかっていた。
コンサルタント・調査会社勤務。けっしてこの肩書は嘘ではない。ただし、真実でもなかった。片桐は情報屋だ。どんな情報でも依頼通りに手に入れる「よろず情報屋」。金さえ払えば、相手がだれであれ調査し、情報を売る。
表だけでなく裏の世界でもここのところひどく評判の良い情報屋だった。
このことを葵が知ったらどうするだろうか。
『記者なんて辞めて欲しい』と何度、葵に告げてしまいそうになっただろう。だが、いつか大きな記事を書くんだと夢を持っている葵を傷つけるようなことは言えなかった。
「その上、おまえの弱みにもなる」
耳に届いた桧榊の声に片桐は腕を伸ばして、桧榊の胸倉をつかみあげた。
「落ち着けよ、片桐」
桧榊は両手を降参の形にあげて、困ったように笑った。片桐は周りの視線に慌てて、手を離すと憮然と桧榊を睨みあげた。
それもわかっている。誰にも属さない情報屋は、恨みを買う。片桐を始末したい相手は、手段を選ばない。
「葵には言うな」
「隠し通せるとは思えないけどな」
呆れたように桧榊に言われて、片桐は奥歯をかみしめる。
「それでも……だ」
唸るように告げると桧榊は「まあいいけどね」と曖昧に笑った。
「片桐の働きは警察(うち)でも高く評価されているし」
情報屋と警察の関係は持ちつ持たれつだ。
「おっと、待ち人が来たようだ」
片桐はふと目を上げる。人ごみをこちらに歩いてくる葵が見えた。色素の薄い髪を後ろで結わいて、薄いグリーンのシャツに白いスラックス姿だ。歩く姿も姿勢がよく、きれいだ。
すれ違う誰もが葵に見惚れている。
どこかに隠してしまいたいと片桐は思った。誰の目にも触れさせないところに閉じ込めて、自分だけを見たらいいのにと。
手に入れてすら、焦がれてやまない自分に呆れて、片桐は自嘲の笑みを浮かべた。
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