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この宇宙(そら)の果てまでも

三人の刺客

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軍靴に砂利が踏みにじられる音が谷間にこだました。
見晴らしのいい崖の上に三人分のシルエットが太陽を背に黒くにじむ。
崖の下を大きな川がゆったりと流れ、崖の上は、見渡す限りの岩地が広がり、小藪がところどころで乾いた枝をひろげていた。
「どうだ。アル?」
一番背の高い男が声を発した。がっしりとした体躯に短い濃いめの金髪、眼光は鋭く、どこから見ても軍人以外に見えない男だ。
言葉に促されるように、アルは顔を上向けて、目を閉じた。風がアルの長い栗色の髪を掬っては空に放つ。ゆらゆらと生き物のように髪が揺れた。
身体がほのかにクリーム色に発光する。蛍のような灯りがアルの全身を取り囲むようにちらちらと瞬いた。
「移動してるね」
「どっちへ?」
「こっちに。移動速度からしてジェット機かな。もう二十分もすると視認できるよ」
目を瞑っていたアルは目を開けて、にこりと背の高い男に笑いかけた。柔らかい笑みだ。こういう殺伐とした風景にそぐわない。優しげな容姿も軍人には見えなかった。
軍服を着ていなければ、それこそ、迷子の観光客と思っただろう。
「もっと正確なのが知りたければ、座標を言うけど。キース」
面白そうに瞳を瞬かせてアルは告げる。その瞳はまるで猫の目のように縦長の瞳孔をしていた。
「情報通りか」
背の高い男キースは猫目の男アルの言葉を無視して、ぽつんと呟く。
「さて、ここへ何しに来るのかだ……」
「狩っていいんだよな?」
いままで黙って立っていた男が剣呑な笑みを口元に漂わせキースの言葉を遮った。やけに細長い手足がアンバランスな感じを与える。
「ダメだ、カクラ。奪還が最優先。そのあとどうするかは連合のお偉方が決めるだろう」
キースがカクラを睨みつけて制する。
カクラはひどく不満そうな顔をした。
「カクラ。おあずけだって。ざんねんだったねー」
男にしては柔らかくトーンの高い声でアルが笑う。
「うるせえ。アルラート・ブッフラン」
カクラは鼻の頭にしわを寄せ、歯をむき出しにしてアルを睨む。
「どうして、わざとフルネーム言うかな。僕がその名前を嫌っているのを知ってるくせに」
アルも機嫌の悪そうな顔で、カクラを睨んだ。
「わざとに決まっているだろう。俺はお前が嫌いだからな。アルラート」
「よく言うよ。昨夜もあんなに……」
「アル。カクラ」
キースの鋭い声が二人の不毛な言い争いに割り込む。
「任務中だ」
二人はキースの切れ長の瞳に睨みつけられて口を閉ざした。
連合軍特殊部隊B班。
普通でない能力をもち任務にあたる連合軍の精鋭だ。任務に応じて編成も違うが、この三人はよく一緒に任務にあたっていた。
班長はキース・エヴァン。物理系の力を得意とし、冷静沈着な根っからの軍人だ。
そして、テレパスと感応力が強くレーダー顔負けの識別能力を持つアルラート・ブッフランと物理系の力が強く、殺傷能力に優れるカクラ・トラグ。
連合軍もバカではない。あまりに力が強すぎて、他とチームを組ませられないタキとカインの二人をただ便利に使ってあとは野放しなんて怖いことはしない。タキは歩く破壊兵器で、やろうと思えば星の一個や二個、平気で粉々にできるし、カノンはその感応力で連合軍のマザーコンピューターだって手なずける。ハッカー真っ青だ。
軍にとっては、貴重かつ有用なこの二人は当然、犯罪者から見ても魅力的な人材だ。
軍の手のうちにあれば、それは有能かつ必要な人間だが、いったん敵に寝返られたら危険極まりない。そして、軍は個人の良識なんて一切信用しない。
だから、二人とも常に居場所と定期連絡を欠かさないことが義務付けられている。また、呼び出しにはいかなる場合も応じること、また、その所在も個人の特定波長をもとに必ずマークされている。
今回、連合軍の依頼を受け、惑星に降りてから一週間後に二人は消息を絶った。所在も確認できない。これは明らかに異常事態だ。すぐさま、連合軍で調査隊が編成され、この惑星に送りこんだ。それが、キース率いるB班だ。
星に降り立ってもタキの気配もカノンの気配もまったく探れなかったが、半日前ほど、いきなりタキの波動をアルが捉えた。
惑星で一番大きい大陸の首都の真ん中にいきなりだ。
しかし、その気配は移動を続け、大陸の内陸部にあるこの荒涼とした台地を目指していまだに移動中だ。
「アル。奴の向かっている方向には何がある?」
「岩山」
猫目を煌めかせて、アルは簡潔に述べた。
「なんだそれ、軍事訓練か?」
「それ以外は?集落とか。街とか?」
カクラのちゃちゃはさっくり無視してキースはアルに尋ねる。アルは瞳を閉じて、精神を外へと解放する。また身体ががほんのり光る。
「うーんどうかな。人間は感知できる。でも、なんか街じゃないんだよね。地下かなあ?」
「人数は?」
「多いよ。千は軽く超えてる」
キースは唸る。街が地上にないとすれば、山の中もしくは、地下だ。そこに千人を超える人間の気配とはいかなるものか。
連合軍もこの星の軍隊がよくこのあたりで爆撃訓練を繰り返しているのを知っている。なにもない岩山や大地に大型の爆弾を投下するのだ。
しかし、タキに爆撃訓練は必要ない。彼は腕のいいパイロットでもあるが、彼の神髄はその破壊力だ。分子すら動かせるタキの能力はそのために自然の全てを力とでき、破壊力は抜群ときている。
「待機させている連合軍に問い合わせても、情報不足でまともな回答は帰って来なかった。いったい何をするつもりだ」
「狩ったらいい。あいつは俺が殺る。そうすりゃ被害はでない」
ぞっとするような声音でカクラが呟く。その声には憎しみと妬みが感じられた。
「アル?カノンの気配は?」
「ないよ。どこにも。ESPが遮断されているところに隔離されているんじゃないかなあ」
カクラの言葉にはもはやだれも反論しない。彼がタキに復讐を誓っていることは周知の事実だから。
「それがどこだかはわからないか?」
キースの言葉にアルは首を横に振った。
「無理。それこそ、カノンの様にこの星の管理コンピューターかなにかに侵入できれば別だろうけどね」
意味ありげに笑うアルをそれこそ苦虫を噛み潰したような顔で睨み、キースは溜息をついた。
「やっかいだな。タキを唯一止められるカノンは行方不明。歩く破壊兵器は軍事訓練場らしきところに移動中ときた。いったい目的はなんだ?」
「でもさ、訓練場に千人以上の人間って変だね」
アルはあまり物事を深く捉えない性格だが、時々、妙に鋭いことを言う。
「そうだな。確かに。でも、駐屯軍じゃないのか?」
「軍隊って感じじゃないんだよね。なんとなくだけどさ」
はっきりしないアルの見解にはイラつくが気配だけで相手が何者かを判断するのは難しいのだろう。
キースは眉間を指でこすって、いらつきを沈めながら、考えた末に口を開いた。
「ちょっとそこを探ってみるか」
それしかないような気がした。
「いいよ」
「了解」
間髪をいれずに二人の部下から声が返る。やれるところからつぶして行こうと心を決めてキースは二人に頷いた。
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