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この宇宙(そら)の果てまでも

アジト(1)

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目的地近くで、タキは飛行機を着陸させた。さすがにジェット機のまま敵地に突っ込むわけにもいかない。
もうもうと砂埃を上げながら地面におりた機体は滑らかに地面を進み、止まった。
ヘルメットを外して、頭を振る。うしろで括っておいた髪がぱさぱさと音を立てた、機体から降り、乗せていたバイクを下ろし、荷物を積んで跨る。
スロットルをふかすと荒野に高いエンジン音が響いた。
にやりと口角が上がる。悪くない。
下ろしたバイザーの映像では、ピクリとも動かない同じ姿勢のカノンが見える。
「もう少しだからな、カノン」
呟いて、タキはバイクを発進させた。
砂と岩だらけの悪路をタキはひた走る。行けども行けども風景は変わらない。それは上空からも確認してあったので、驚くこともないが、こんなところにアジトを構えて、いいことあるんだろうか。
だいたい、食糧とかどうしているのだろう。と敵ながら心配になる。
荒野を砂埃をあげて疾走する。
行く手に建物が見えた。前方のそびえたつ岩崖にへばりつくように三つほど。
あれ?まだ、目標地点じゃないはずだ。
わずかに首をかしげて、タキはスロットルを吹かした。エンジン音が岩山に跳ね返る。
町?否、これを町と呼んでもいいものか。
岩山をくりぬいて店か家が三件ほど軒を連ねていた。くりぬいた岩に木造で小屋がくっつくようにたてられている。
上空から見たらただの岩山だと思っただろう。
集落にしては小さすぎ、だが、人造であることは間違いがない。
これはあたりかも。
口を覆った布の下でタキはニヤッと笑った。

からん
酒場か食堂に思える扉を開けて中に入ると、中にいた者たちがバッと振り返った。
「おおっと。ぶっそうな御挨拶だな」
両手を上にあげてタキは口笛を吹いた。
「ここじゃ、丸腰で入ってきた人間にいきなり銃を突きつけるのが礼儀か?」
「なんだとっ」
銃を構えながら、店にいた男達の一人が怒鳴る。
「おい。やめろ」
その中でも最も体格のいい男が座っていたスツールからふらりと立ち上がった。大きい。縦はタキより少し高いくらいだが、横は二倍強はあるだろう。硬い筋肉で覆われた腕をみるだけでもそうとう鍛えているのがわかる。
「見ない顔だな。どっから来た、ボウズ」
「はっ。次はボウズ呼ばわりか。まったくひどいとこだぜ」
五丁もの銃口に狙われているというのに、タキは動じないどころか盛大にぼやいた。
「質問に答えろっ」
残りの男たちも立ちあがると吠える。殺気が辺りに充満した。
しかし、先ほどの大男が腕をあげると全員が黙った。睨み付けたぎらぎらした瞳はそのままで、口だけを噤む。銃口はまだ、タキを狙っていた。
「悪いな。教養がないんでね」
大男が肩を竦めて、にやりと笑う。
「で、どこから来た。こんななにもないところへ」
「街からさ」
あっさりとタキは答えた。上げた両手は下ろさない。動くと銃口が一気に火を噴きそうだ。
「船でこの惑星に降りたのはいいが、街でちょっと揉めたら追われた。軍服着た奴らにとっ捕まりそうになったから、逃げてきたってわけ」
タキの言い訳に、男たちは顔を見合わせる。明らかに困惑が広がって、殺気がなりを潜めた。
「軍に追われたのか?」
「わかんねえよ。ただのけんかだったってのに。ま、しかたないからさ、大陸の反対側にでも行けば少しは違うだろうと思ってさ」
タキの答えに大男が顎をしゃくった。他の男たちが間隔を広げてタキを取り囲む。
「名前は?」
「タキ。あんたは?」
「トラン」
「ふうん。よろしくな」
タキが手を下げようとすると一斉に銃口がタキの頭を狙う。
「握手しようと思っただけだぜ」
ぐるりと男たちの顔を見渡して、タキは呆れた表情を見せた。
「悪いな。ホントに丸腰か確かめさせてもらう」
大男がいうと、タキを囲んだうち最も若そうなのが前に進み出て、タキの身体をはたき始める。
「あんた達は武装しているのに?」
「まあな。悪いな」
ばたばたと腰や胸、足まではたいて、若そうな男は首を横に振った。トランが目くばせすると銃口が下がり、安全装置がかかる音がする。
タキはようやっと両腕を下ろして、肩を回した。やれやれと息を吐く。
「悪かったな。ここらには旅行者は来ないんでな。来るのは軍の犬か、脛に傷持つ奴だけだ」
「じゃあ、俺は後者だな」
腕を下ろすとタキはつかつかとカウンターに近づく。
「なんかもらえるか?」
カウンターの奥でことりとも音をさせなかった店主がじろりとタキを睨んだ。
「水をくれ」
まわりで男たちがげらげら笑う。
「ここは酒場だぜ、坊や。水ならとなりの雑貨屋で買ってささっと出かけるんだな」
「うっせえな。口ん中、ざりざりなんだ。ビールでもいい。とにかくなんか飲むものくれよ」
店主はすっと背を向けると無色透明の液体を瓶からグラスに注ぎ、タキに差しだす。
タキは札をポケットから出すとカウンターの上にぽいと置いた。
「サンキュ」
ぐっと杯をあおいで、タキは目を瞠る。グラスを目の高さまで持ってきてしげしげ眺める。
「なんだこれ?」
「スピリットだ。消毒になっただろう」
初めて店主が口をきく。掠れた声音だった。
「ふうん。強いけど。まあいいか」
タキはあっという間にグラスを飲みほした。
周りでは、男たちが唖然としている。アルコール度数八十五%とほとんどアルコールだけのような代物だ。大抵は飲んでむせるか、吐き出している。
「タキって言ったか」
「ああ」
声をかけられ、振り向いたタキは、グラスをカウンターの上にとんと置き、背をカウンターに預けるとトランを見上げた。
「面白い奴だな」
「そうか。普通だぜ」
すっとグラスを店主へ滑らせて、タキは店主へ首を向ける。
「消毒にはなったけど、口の中で蒸発しちまって、結局、ざリざリのままなんだけど」
目でもっと水分の多いものを要求すると店主が苦く笑った。
大きめのグラスにビールを注いで戻ってくる。
「ほらよ」
「どうも」
それをうまそうに喉に流し込むのをトランは目を細めて見ていた。
「お前、首都でなにをやらかした?」
ジョッキを持ったままタキは上目使いにトランを見た。
「別に。ただの喧嘩」
本当かと目で問いかけてくるトランに溜息を一つ吐いて、飲みほしたジョッキをタキはとんと音を立てて置いた。
「わかった。ホントのこと言うよ」
これは賭けだとタキは思う。こんな反政府軍のアジトの側に外界と接するような店。トランをはじめとした男たちの雰囲気。
反政府軍と関連ありだろうな。
このまま単身乗り込んでと思っていたが、どうも何かがおかしいとタキの勘が告げる。
反政府軍の基地をただ破壊すると言ったあの男の目のせいかもしれない。カノンを人質にされている以上、やらないわけにはいかないがどうやるかは任されている。
そうなれば、タキの信じるものは自分だけだ
手を伸ばして、ジョッキを持ち上げ、目の前までかかげると、タキはジョッキから手を離した。床に落ちて割れるはずのジョッキは、宙に浮いていた。タキは視線をジョッキに向ける。
「おい。これ……」
「なんだ。手品か……」
壊れろと思った途端に、空中でジョッキは粉々に砕けた。
男たちがざわりとざわめく。腰の銃に手をやろうとするのをトランが止めた。
「エスパーか……」
「そう。大きなビルの研究所みたいなところに連行されそうになったからな。逃げてきた。もう、あそこには戻れない」
トランは割れて床に落ちたガラスを拾う。目で見てすら、信じられない顔だ。
「政府がエスパー狩りをしているっていう噂は本当だったのか……」
トランの呟きに沈黙が落ちる。
「それで、お前どこに行くつもりだ?」
「さて。当てはない。大陸の反対側にも大きな都市があるって言うからな。そこへでも行くさ。そこなら仕事にもありつけるだろうし」
トランは立ちあがって、タキを見た。
「仕事探してんのか?」
タキが頷くとトランは考えるような顔をする。
「隣の都市に行っても状況は変わらんぞ。待ち伏せされている可能性もある。自分の自由は自分の力で勝ち取る気はないか?」
「どういう意味だ?」
怪訝そうな顔で訊く。
「俺たちのところで働かないか。今の政府はおかしい。ここ十年ほどでこの国はすっかり変わってしまった。貧富の差はますますひどくなってる。粛清とやらが横行している。法も秩序もあったもんじゃない」
政府批判を始めたトランを胡散臭げにタキは見た。距離を取ろうとするタキの態度を感じたのだろう。
「何が言いたい?」
促すとトランがぐっと腹に力を込めたのがわかった。
「俺たちはレジスタンスだ」
ビンゴだ。関係ありとはおもったが、どんぴしゃだったとは、ついてる。
「俺にも闘えと?」
「仕事は闘うことだけじゃないさ。だが、お前ならできるだろうな。度胸も座っているうえに、エスパーときた」
「嫌だと言ったら?」
一応、牽制だけしてみる。待ってましたと飛びついたらそれこそ疑われそうだ。
がちゃ。周りの男たちが殺気立ち銃を腰高に構えた。
「やめろ」
右腕を水平に広げて、トランは仲間を止めた。
「断る権利もある。できたら、俺たちと会ったことを言わないで貰えるとありがたいがな」
ふうんとタキは思った。面が割れたのに、その俺をただで通そうっていうのか。これで、俺が政府に駆けこんだら余計な面倒をしょい込むことになるってのに。
リーダークラスだろうが、なかなか肝が据わっている。
「いいだろう。付き合うよ。いつまでとは約束できないが。出て行きたくなったら出て行く。それでよければ」
周りの男たちはタキの言い草にざわめき、怒りを向ける。
しかし、トランはにっと笑い手を差し出した。
「もちろんだ。力を貸してくれるなら大歓迎だし、出て行きたくなったらそれはお前の自由だ」
タキはトランの手を握った。ごつごつとした手だった。銃も持ち慣れているし、格闘技もかなりの腕だろう。
「よろしく」
タキもトランを見て不敵に笑った。
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