スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←戦闘、そして捕縛(1) →救出作戦(1)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png はじめに
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
もくじ  3kaku_s_L.png Novel lists
もくじ  3kaku_s_L.png 奇跡の刻
もくじ  3kaku_s_L.png 平行線の恋
もくじ  3kaku_s_L.png 煉獄の恋
総もくじ  3kaku_s_L.png 天空国の守護者
総もくじ  3kaku_s_L.png 巡る季節と恋の順番
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 山神の花嫁_昔話
もくじ  3kaku_s_L.png 告白の向こうへ
もくじ  3kaku_s_L.png 空の月を恋う
総もくじ  3kaku_s_L.png おまけ番外編ショート
もくじ  3kaku_s_L.png 遠回りの片恋
もくじ  3kaku_s_L.png 腕の中の迷い猫
総もくじ  3kaku_s_L.png 蒼い闇の化身
  • 【戦闘、そして捕縛(1)】へ
  • 【救出作戦(1)】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

この宇宙(そら)の果てまでも

戦闘、そして捕縛(2)

 ←戦闘、そして捕縛(1) →救出作戦(1)
口の中に大量の水が入り、タキはもがいた。
気がつけば水の中にいて、水面に浮き出ようとあがいている。自分がどこで何をしていたかも思い出せないが、苦しくて、息ができずにタキはがむしゃらに腕で水を掻いて水面を目指した。日の光が躍る水面は遥か上で、昏水底がタキを引きずりこもうと渦を巻く。
嫌だ。
強く思う。あの昏いところへ追いやられるのは絶対に嫌だ。あそこに行ったら二度とあいつに会えない。
あいつ……?誰だっけ?
苦しいと水を掻く手とは別に思考はのんびりとなにかを思い出す。
がはっと口の中から泡が出た。気泡は水面に上っていく。
俺は死ねない……絶対に……あいつが独りに……
思った途端に、水面に顔が出た。
はっとタキは目を開ける。自分がどこにいて何をしているか認識できなかった。水の中でもがいていたはずと思って、腕が自由にならないことを訝しく思った。
夢……。
唐突に理解した。夢とは大体そういうものだ。どうも、溺れる夢を見てもがいていたらしい。現実のように苦しかったと思った途端に、自分がずぶぬれで半裸であることを自覚した。
そっと自分に視線を落す。黒いズボンを腰高に履いている以外、何も着ていない。髪も肌もズボンもずぶぬれで、時折、雫が落ちる。
腕は肩の高さで壁に磔のように固定されていた。手首に太い鉄の枷が見える。
「やっと目が覚めたみたいだな」
声に顔を上げるとスーツ姿の男が経っていた。銀のフレームの眼鏡を掛けた背の高い男だ。
「リトラン?」
同じ顔をした男がもう一人横に立っていた。こちらは白衣を着ている。手にバケツを持っていた。
バケツの口からも水のしずくが滴っていた。
ちっとタキは舌を鳴らして、顔を歪めた。爆発に巻き込まれ、気を失ったところを回収されたんだと認識する。
「ひでえな。もっと優しく起こしてくれりゃあいいのに」
獰猛な顔つきで言ってやると、さも馬鹿にしたように白衣を着た男ルカトは喉の奥で笑った。
「裏切り者がよく言う」
「裏切り者?」
何を言われたかわからないとタキはルカトの言葉をくり返した。
「反政府軍の一掃作戦は失敗。基地はもぬけの殻だ。あいつらを逃がしただろう、タキ?」
リトランの言葉に彼が苛立っているのを感じて、タキは内心ほくそ笑んだ。だが、表面上は、まだ何を言われているかわからない顔をする。
「俺は作戦を遂行したぜ。基地内の温度をあげて、中にいた奴らは全員、蒸し焼きにしたはずだ」
「確認のために送った部隊からは、基地内に人間はいなかったと。待ち伏せされて爆破されたと報告があった」
タキの言葉を遮るようにリトランはイライラと告げる。
「そんなの知らねえ。俺は、命令通りのことをしたはずだ。爆破も俺じゃない」
必死に言い募るとリトランはだんだん余裕を取り戻したらしく、嫌な笑みを浮かべた。
「カノンは?カノンは無事だろうな。俺は裏切ってない」
「ルカト」
リトランの言葉にルカトは上を指さす。タキはその指の先に視線を向けた。スクリーンがオープンになり、映像が流れる。
ベッドに白い服を着たカノンが横たわっていた。首にも腕にもESP制御リングがついているのが見えた。
「おい。首のは外す約束だ」
焦った声にルカトが嬉しそうな顔を向けた。
「お前がしくじったからな。また、つけさせてもらったのさ。おかげでカノンはすこぶるいい子だ」
タキは奥歯を噛みしめた。ぎりりと音がする。
「違う。俺は言われた通りのことをした。カノンを解放しろ」
「だめだ。お前のせいで、こちらにも犠牲がでた。これはその罰の一つだ」
タキが苦しそうな顔をするほど、愉快でたまらないという表情をルカトは浮かべる。
「ついでに、おまえにも洗いざらい話してもらうからな。裏切りの顛末を」
ルカトの脇の壁から、彼は黒いひも状のものを取りあげた。それが何かに思いあたって、タキはさげすみの笑みを向ける。
「ずいぶん、古典的な悪趣味だな」
「そうだね。結局、人間はこういう単純なものほど弱いんだよ」
そう言って持ち上げた革の鞭をルカトは舌で舐めた。
この変態野郎とタキは内心、毒づいた。自白剤の開発も目覚ましく、だいたい、こいつらは力を持っている奴を有しているはずなのに、痛みでしゃべらせようとはこいつの趣味以外の何物でもないだろう。
「おまえの肌が血に染まるのはきれいだろうな」
うっとりと囁かれ、タキは全身に鳥肌を立てた。猟奇的な変態趣味には付き合えない。
「裏切りなんてねえよ。さっきからそう言っているだろう。ばれたんだよ。連邦軍に」
こういうときはさっさと真実をゲロってしまうのが一番いい。横にいるリトランの眉間にしわが寄っているところから察するに、こいつら、顔はそっくりだが中身は違うらしいと当たりをつける。
「ばれた?連邦軍に?」
案の定、リトランがタキの言葉に反応した。
「連邦が俺たちみたいなのを野放しにしているなんて思ってるんなら、おめでたいぜ」
はんと鼻で笑うと、リトランの眉間の皺がさらに深くなる。
タキは、連邦がつけた見張りに見つかった経緯を話してやった。本来なら極秘事項の一つだが、タキにとってみたらどうでもいい。
「爆破はそいつらが俺を殺そうとしたとばっちり。俺も被害者ってことになる」
事実だから、良心の呵責もない。
「口だけは達者だな」
ルカトが近寄って、束ねた鞭の先でタキの顎を持ち上げた。
「嘘は言ってないぜ。そう思うなら思考をよんでみりゃあいいじゃないか」
言った瞬間にタキは身体の中央に貯めいていた力を一気に放出した。目の前のルカトに電気エネルギーを投げつけたつもりだった。力を使うのは呼吸をするのと同じくらいたやすい。
「うわああああああ」
悲鳴を上げたのはタキだった。自分が放出したはずの力が逆流し、一気に身体が硬直した。
放出するはずだったエネルギーが逆流し神経を駆け抜けた。酷い痛みと行き場のない力の奔流が身体の中を渦巻いておかしくなりそうだ。
暴れるように身体を捩った。手首を枷が擦る。
「ああぁぁぁぁっ」
散々荒れ狂った力が霧散するまで、叫び続け、タキは前のめりに首をがっくり落とした。
「バカか。おまえの力を野放しにするわけがない。お前の回りに反ESPシールドが張ってあるのが見えなかったのか?」
リトランが嫌な笑みを浮かべた。頭を振ってなんとか顔をあげ、睨みつけた先にバケモノとさげすむ光を瞳にみて、タキは怒りをたぎらせる。
「あの檻と同じか?」
「そうだ。狭い範囲に張ることもできるからな。しばらくは、ここで大人しくしていてもらおうか」
タキは唇を噛む。
「まずは連邦の対策だ。その見張りとやらが現れたら、タキ、お前が始末しろ。そのくらいは、働いてもらう。今回の任務の失敗は大きいと思え」
タキはますます強い目でリトランを睨んだ。
しゅっと空気を切る音がして、胸の上でぴしりと音がする。
「くっ」
痛みにタキは背を反らせる。
「反抗的な態度はいただけないな、タキ」
ルカトが手にしていた鞭を振るったんだとタキは思った。リトランは止めない。
「反抗的?こんなに大人しくしてやっているのに?」
言うとまた空を切る音と破裂音がして、胸が痛みを訴えた。
「くっ」
「ルカト。働けなると困ります。遊ぶならほどほどにしてください」
それだけ告げるとリトランは踵を返す。そのまま背を向けて、歩き出すのを射ぬくような瞳でタキは見た。
「お前の相手は私だ」
タキの視線に割りむようにルカトが移動し、鞭を振りあげる。反ESPシールドは物理的な力には作用しないらしい。見えない檻で囲まれて身動きすらままならないタキはルカトの格好の獲物になったことを自覚した。
「痛めつけてもこれ以上は何も知らねえぞ」
言ってはみるが馬鹿にしたようにルカトに笑われる。
「情報は欲しけりゃ勝手に取る。お前の頭からな。私と遊ぼう、タキ」
にっと笑った顔にぞっとしてタキは口を閉じた。
こいつは狂っている……。
振り上げられる無知の先を見ながら、絶望的な状況にタキは顎に力を込めた。叫んだり許しを請うたりすれば、相手を楽しませるだけだ。
遊ぶ気も相手を満足させる気もないタキは無反応を装う。
何度も黒い蛇のような鞭が、空を切るたび、皮膚が裂け、血が流れたが、タキは呻き声一つ上げなかった。
全身に強く力を込めて、耐える。
痛覚を麻痺させられればいいのにと頭の隅で思ったのが最後の思考だった。
関連記事


にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png はじめに
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
もくじ  3kaku_s_L.png Novel lists
もくじ  3kaku_s_L.png 奇跡の刻
もくじ  3kaku_s_L.png 平行線の恋
もくじ  3kaku_s_L.png 煉獄の恋
総もくじ  3kaku_s_L.png 天空国の守護者
総もくじ  3kaku_s_L.png 巡る季節と恋の順番
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 山神の花嫁_昔話
もくじ  3kaku_s_L.png 告白の向こうへ
もくじ  3kaku_s_L.png 空の月を恋う
総もくじ  3kaku_s_L.png おまけ番外編ショート
もくじ  3kaku_s_L.png 遠回りの片恋
もくじ  3kaku_s_L.png 腕の中の迷い猫
総もくじ  3kaku_s_L.png 蒼い闇の化身
  • 【戦闘、そして捕縛(1)】へ
  • 【救出作戦(1)】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【戦闘、そして捕縛(1)】へ
  • 【救出作戦(1)】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。