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この宇宙(そら)の果てまでも

救出作戦(1)

 ←戦闘、そして捕縛(2) →救出作戦(2)
足音が廊下に反響する。窓もない明るいトンネルのような廊下をカノンは歩いていた。
つやつや光る廊下が、天井からの光を映している。
ルーランド星系、惑星トライアン首都、連邦軍トライアン支部の地下。
三日前、連邦の支部へとたどりついたカノンは連邦軍に保護を求め、連邦軍は当然、それに応じた。すでに、捕縛命令すら出ていたらしいことを連邦軍支部に到着してから知らされたカノンは、抵抗せずに連邦士官に身柄を拘束された。
だが、事情を訊くには衰弱が激しく、連邦軍の医師の判断でしばらくは医務室にとどめられていた。ESPシールドを外され、しばらく栄養点滴と睡眠薬を打たれて、三日ほど眠って過ごした。
目覚めたカノンを待っていたのは、指令室への呼び出しだった。カノンは指令室へ向かうべく、連邦軍支部のビルの廊下を歩いていた。指令室は、セキュリティーも考慮して地下にある。
扉に着くと認証マシーンに手のひらを当てる。登録された静脈と指紋をいっぺんに照合するシステムだ。扉は音もなく開いた。
「カノン・マテリアーニ、入室を許可願います」
扉の中に入らずにカノンはその場で入室を求める。
「許可する」
中から応えが返り、カノンは部屋へと入った。その足が、中にいる人影を認めるやピタリと止まった。
「特殊部隊B班……」
「久しぶりだな、カノン」
低い声が階級もなしにカノンの名を呼んだ。
「キース班長」
部屋の真ん中に置かれた黒革のソファに長い足を組んで、キースが座っていた。その後ろにアルがソファの背に肘をつき、カノンを見てにやにや笑っている。窓際に、カクラが窓を背に腕を組んで立っていた。
カノンは自分たちの探索命令がすでに連邦から出ていることを知った。定時連絡もしていないから当然の結果だが、それでも内心、B班の動員に驚いていた。
だが、表面は平静を装い、直立不動で立つ。
「まあ、座れ。報告を聞こう」
軍の規律に厳しいお偉方がいたら、眉を顰めるような気軽さで、キースは自分の座る前のソファをカノンに勧めた。
「まだ、本調子じゃないんだろう。堅苦しいことは抜きだ。それより早く真相が知りたい」
カノンの内心の声を拾ったかのように、キースがさらに促す。
カノンは勧めに従って、ソファに背を伸ばして座った。
「どこまでご存じなんですか」
「タキとおまえがいきなり連絡を絶って、行方をくらました。やっと気配を掴んだと思えば、タキがなにやら工作していたことくらいか」
「ずいぶん大雑把な話ですね」
いらいらとカノンはあまりに要領を得ないキースの言葉に反論する。
「重複してもかまわない。まずはおまえの知っていることから話せ、カノン」
情報は先には渡さないってことかとカノンは内心、舌打ちした。
「任務はテロリストの本部から政府関係者の救出でした。そのため、関係しそうな建物へと忍び込んだんですが、完全な罠で、タキも私も拘束されました」
事実だけをカノンは自分のわかる範囲で説明する。
「タキが何をさせられたのかはわかりません。ずっと医務室のようなところで監禁されていましたので」
逃げ出した経緯は、隙を見てということでごまかした。変態が相手だったので、色仕掛けでとはさすがに報告できない。
「それで全部か?」
せかすでもなく促すキースにカノンは頷いた。
「もちろんです。一刻もはやく、タキを取り返さないと大変なことになります」
「すでになっている。ここから東へ五百キロほど行ったところに、岩ばかりの山岳地帯がある。その下に昔の坑道の跡があった。タキはそこへ侵入し、坑内の温度を六十度以上にあげていた」
カノンは首をかしげた。
「何のために?人はいたんですか?」
「アルの探査では、二千以上の生体反応があった。だが、我々がそこへ到着した時には、その場にはタキ以外誰もいなかった。タキは理由を報告していない。被害と言えば、爆破したあとの入口から、一個師団ほどの兵士が突入し、それが我々の戦闘の巻き添えをくったくらいか」
戦闘と言う言葉にカノンは絶句した。タキの探査ではなく抹殺命令がでているのだろうか。
「心配するな。捕縛するためにしたことだ。抵抗したから、力を奮うはめになった」
眉間にしわを寄せてキースが告げる。本意ではなかったのだろう。
「タキは、お前が人質にとられているから俺たちと合流できないと言っていた」
その言葉にもカノンは内心、舌打ちする。タキがキースと行動をともにしてくれていたら、今頃、テロリスト殲滅だけを考えていればよかったのだ。
起きて真っ先にしたことは、タキの気配を探ることだ。だが、同じ都市にいるはずのタキの気配はカノンであっても探れない。研究所に張られていたESPシールドの中に入れられていたら、カノンであっても感知不能だ。
「タキは?」
「行方不明だ」
「生きているのだけは確かだよ。あのとき、生命反応はあったからね」
行儀悪く、ソファの背で頬杖ついていたアルが簡単に言う。
「でも、それっきりさ。いまは、またどこにいるかわからなくなっちゃった」
アルでも感知できないのだとカノンは知る。感知能力だけならアルの方が上だ。
「あいつらのアジトはわかっている。中は研究所のようで、かなり強力なESPシールドで覆われていた。テロリストは私たちの力を相当警戒していましたから、タキにもESPシールドリングを装着していると思います」
あれのせいで、意識を保っているのさえ困難だった。タキにも同じものをつけているとするなら、さすがのタキでも手も足もでないだろう。カノンはぐっと拳を握った。爪が手のひらに食い込む。
「侵入は可能か」
「ええ。力で押しいることは可能ですが、タキを盾に取られるとやっかいです」
エスパーだからESPシールドがやっかいになるが、力のない軍隊なら、重火器類でそれこそ力ずくで制すればいい。
しばらく考えて、キースは足を組み、その上に手を置いた。
「多少の犠牲はやむ得ない」
キースの淡々とした声に一瞬、カノンは告げられたことの意味がわからなかった。意味が沁みてくるとかっと頭に血が上る。
「タキを見捨てるんですか」
「テロを見過ごすことはできない。そのために、個人の生死は構っていられない」
カノンは思わず立ち上がり、キースを睨み付けた。怒りで目がくらんだ。息が苦しくて、カノンは大きく口を開けた。
「だが、最善はつくすさ」
「っ……?!」
怒鳴る前に上目づかいにカノンの視線をとらえたキースが告げた。カノンは言葉がでなかった。両腕の拳をぎゅっと握る。
「情報が足りない。身体が大丈夫そうなら、アルと一緒に、そのアジトから情報を取れ。内部構造、兵力、武器の種類と量、やつらの目的までわかるとありがたい」
無茶を言うとカノンは思った。だがやらなければ、タキは助けられない。カノンは両目を閉じた。怒りで我を忘れている場合じゃない。
キースたちは味方だが、仲間ではない。
それに、タキが動かないということは、彼が、まだ、カノンがとらわれていると思っている可能性が高い。すでに、敵の手を逃れて反撃を考えていることをタキに伝えなければ。
大きく息を吐いて、カノンは目を開けた。
「わかりました。コンピューター室を借ります」
かかとを合わせて、敬礼するとカノンはそのままキースに背をむけた。キースが後ろのアルに顎をしゃくってついて行けと合図したのは、カノンには見えなかった。
そのまま扉をくぐろうとしたカノンをキースは呼び止める。
「カノン」
カノンは顔だけで振り向いた。
「タキが力で一般人に被害を出したら、ここで助けられても処分はまぬがれない」
あまりにもわかりきったことを告げたキースにさらに腹を立てながら、カノンは何も言わずに部屋を出て行った。
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