スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←救出作戦(1) →救出作戦(3)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png はじめに
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
もくじ  3kaku_s_L.png Novel lists
もくじ  3kaku_s_L.png 奇跡の刻
もくじ  3kaku_s_L.png 平行線の恋
もくじ  3kaku_s_L.png 煉獄の恋
総もくじ  3kaku_s_L.png 天空国の守護者
総もくじ  3kaku_s_L.png 巡る季節と恋の順番
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 山神の花嫁_昔話
もくじ  3kaku_s_L.png 告白の向こうへ
もくじ  3kaku_s_L.png 空の月を恋う
総もくじ  3kaku_s_L.png おまけ番外編ショート
もくじ  3kaku_s_L.png 遠回りの片恋
もくじ  3kaku_s_L.png 腕の中の迷い猫
総もくじ  3kaku_s_L.png 蒼い闇の化身
  • 【救出作戦(1)】へ
  • 【救出作戦(3)】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

この宇宙(そら)の果てまでも

救出作戦(2)

 ←救出作戦(1) →救出作戦(3)
乱暴に後頭部の髪を引っ掴まれて、うつむいていた顔をあげさせられ、痛みにタキは一つうめいて、目を開けた。
気を失っていたらしい。何度か瞬きをして、視界をクリアにすると見たことがない男が、トレイを手に立っていた。
「食事だ」
殺す気はないらしいとタキは内心、独りごちた。
「両手が使えねえんだけど、お前が食べさせてくれんのか?」
わざと挑発するように、口端を持ち上げて言ったが、相手は表情一つ変えずに、両手を壁に磔にしている拘束を解いた。
タキはぐるぐると両腕を回す。気絶していた間、肩に体重が掛かっていたらしく、関節がぎしぎし音を立て、痛みを訴えた。
身体はまだ、生乾きの血があちこちについていて、胸を縦横無尽に走る傷跡にタキは眉を寄せた。
くそっ。あの変態やろう。散々、いたぶりやがって。
致命傷ではないが、皮膚が裂けた跡は、生々しく痛みを伝えてくる。
壁から伸びた鎖に両足首を繋がれているが、ある程度長さがあるらしく、その場に座るには支障がない。タキはどかりとその場に胡坐をかいた。そのまま壁に寄り掛かる。
男はタキの前にトレイを置き、踵を返す。
「おい」
呼びかけるが、男は振り向きもせずに部屋を出て行った。
薄気味悪さを感じて、タキは腕を擦った。
操られている?
タキに感応力はないが、不自然な男の様子に本能的に嫌悪を感じた。鼻の頭に皺を寄せる。
洗脳か。薬か。それとも眠っている身体を操られているか。
そこまでの力をもった奴が敵方にいるとなるとかなり厄介だとタキは、食事に手を伸ばして思う。
ロールパンを手に取り、鼻の近くまでもってきて、タキはそれをトレイの上に投げた。パンはトレイの上で弾んで、縁で止まった。
「食えねえもの持ってくんじゃねえよ」
唯一、水だけが不純物が混ざっていなかった。封を切っていないボトルだから当然かもしれないが、色でばれると思ったのかもしれない。
タキは水のボトルを開けると一気に喉に流し込んだ。
横目で、湯気を上げる食事のトレイを見る。食事にはどれにも薬が混ざっていた。自白剤か、それともさっきの男が使われている薬かもしれない。
しかし、食べなければ無理にでも口に入れられるかもしれない。タキは少し思案して、水のボトルをトレイの横に離して置いた。
スープ皿とスプーンを取り上げて、いきなり取り落とす。
「あちっ」
スープがトレイの上にぶちまけられて、食事がスープまみれになり、金属の食器の当たる音が響いた。
「あーあ」
わざとらしくがっかりした声を上げた。
食事をあきらめ、タキは壁に寄り掛かる。五分もしないうちに、先ほどの男が現れて、トレイを下げ、すぐに新しいものが届けられる。
殺す気も衰弱させる気もないわけだとタキは内心で呟いた。利用価値のあるうちは、とことんこき使う腹だとむかつきを覚えながら、タキは舌打ちをする。
タキは今度は、スプーンを取って、スープを掬い、やはり鼻先までもってくるとぶるぶると手を震わせ、スプーンを取り落とす。
スプーンが皿の縁に当たって、トレイの上の皿がひっくり返った。
「やべっ」
足元が食物の破片で汚れる。
困った顔で、足元の食事の残骸を見ていると慌てたようにさっきの男が飛び込んできた。派手な音がしたから驚いたのだろう。
男はそのトレイも持ち上げて、タオルをタキに押し付けて、部屋を出て行った。
次に男が持ってきたのはサンドイッチだった。メニューが変わって、タキは内心ほくそ笑む。だが、それにも薬が入っていた。
くそっ。ここの食事は薬漬けってことがこれではっきりした。タキのためにいちいち入れているのではなく、ほかの連中が食べているものも変わらないのだろう。
先ほどの男が不自然だった理由もこれで判明した。ここで使われている連中は薬中毒なのだ。
食事がとれないのはやっかいだ。どうするかとタキは思う。
数日は食べなくても問題ないが、その間に事態が打開できるだろうか。
水のペットボトルを取り上げて、水分の補給だけに努めながら、タキはさてどうするかと思案した。
カノンの状態では、自力脱出は無理だろう。
キースたちがここを突き止めて、つついてくれれば、その混乱に乗ずることも可能だが、ここのESPシールドの様子からするとキースがここを突き止めるのは当分かかりそうだ。
力も使えない、武器もなし。
全くお手上げだ。
タキは床にごろりと横になった。とにかく、体力を蓄えておくことが先決だ。今できることはそれしかなかった。打たれた傷がじくじくと痛んだが、ずっと磔にされていた時よりは、横になれるだけましだ。
体力を戻して、このいまいましい、力の檻をそれこそ力で破壊することを考えようとタキは目を閉じた。
関連記事


にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png はじめに
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
もくじ  3kaku_s_L.png Novel lists
もくじ  3kaku_s_L.png 奇跡の刻
もくじ  3kaku_s_L.png 平行線の恋
もくじ  3kaku_s_L.png 煉獄の恋
総もくじ  3kaku_s_L.png 天空国の守護者
総もくじ  3kaku_s_L.png 巡る季節と恋の順番
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 山神の花嫁_昔話
もくじ  3kaku_s_L.png 告白の向こうへ
もくじ  3kaku_s_L.png 空の月を恋う
総もくじ  3kaku_s_L.png おまけ番外編ショート
もくじ  3kaku_s_L.png 遠回りの片恋
もくじ  3kaku_s_L.png 腕の中の迷い猫
総もくじ  3kaku_s_L.png 蒼い闇の化身
  • 【救出作戦(1)】へ
  • 【救出作戦(3)】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【救出作戦(1)】へ
  • 【救出作戦(3)】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。