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この宇宙(そら)の果てまでも

最終決戦(3)

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金属だけでできているのっぺりとしたなんの変哲もない扉の前に、タキは無造作に立った。緊張も構えも特にない。バイザーの隅で、カノンが送ってくる扉やメインコンピューター室のデータが、文字と数字で踊っているのを確認した。
何が起こるかわからないから、シロタたちは先ほどの扉に向かう通路の角に隠れさせた。いつでも飛び出せるようにだろう、銃を構えているのだけは背後の気配でわかる。
「さてと」
ちんたらやるのは性に合わない。扉ごと中身も粉砕してしまいたいが、カノンが送ってきた扉の装甲を見る限り、ちょっと無理そうだ。
それでも組成は鉄だから、熱で融かしてしまえばいいだろう。
両手を身体の前に突き出して、力を集める。ゆらりと手のひらの間に陽炎が立ち上り、青い焔がほとばしる。
扉にあたって焔が表面を押しつぶすように両脇に流れた。そのまま維持する。扉が熱によって赤く色づき表面が融けはじめた。
シュン。
空気が抜けるような音がして、赤く溶けだしている扉が左右に開いた。タキは後ろに一気に跳躍する。
地面を銃弾が薙ぎ、跳ね返った弾が床や天井を跳ねまわる。タキは通路の奥に転がり込んで、身を伏せた。
「そこまでだ」
天井付近から声が聞こえ、タキは顔を上げ、周りを見渡した。ぎりりと奥歯をかみしめる。
先ほどまでは壁だったはずのメインコンピューター室上部が窓になっていて、そこに白衣の男が立っていた。
リトランかルカトかわからないが、とにかく二度とは見たくない顔であることは確かだ。
「殺る」
立ち上がるや否や、前動作なしにタキは炎を叩きつけた。
が、風を切る音がして、投げつけた炎はあっけなく霧散する。
「なに!?」
先ほど扉が合ったあたりに奇怪なものが剣を手にして立っていた。人型ではある。
二本足で立っているが、腕が四本、身長は普通の人間の二倍はあるだろうか。さらに首が肩の筋肉に埋まっている。頭はついているが、目は白濁し、青白く光っている。
「なんだあれ」
ぞっと背筋が冷え、タキは生理的嫌悪感から足を一歩下げる。背後に控えるトランたちからもざわめきが届いた。
「人間じゃねえぞ」
呟きはさらに場の恐怖を煽る。
『あれって……』
インカムからカノンの驚愕した声が聞こえて、タキは、はっとする。
「人造人間か」
「ふははは。驚いたか。我々の研究の成果だ。こいつは強いぞ」
周りの壁が発光し、扉のあったところ、怪物の背後も淡く光る。
『タキ、シールド起動。範囲、半径二百メートル』
震えるようなカノンの声から動揺が伝わって、タキは小さく舌打ちした。
思い出しているのだろう。自分たちがいた研究所でも似たような研究の成果を見せられたことがある。
「つないだのかESP器官を」
「ほう。よくわかったな」
嘲るような笑みを白衣姿の男が浮かべた。
「よく丹田なんて呼ぶから、どいつも身体の中央に力が眠っているかと思えば、そうでもなくてな。力の強い奴の器官を集めていったのさ。もっと美しく作りたかったんだが、貴様らが邪魔したせいで、まだここまでだ。もっと小型化できれば、人に埋め込むことも可能だ。カノンを強くしたかったんだがな」
自信ありげに説明した男は、うっとりとした目をタキに向けた。インカムの向こうにいるカノンを感じとったんだろう。
タキはそれを視線で断ち切った。ルカトの狂気にカノンを晒すのが許せなかったからだ。
「できっこないだろう」
喉の奥から絞り出すような声をタキは上げた。
連合軍の研究所をもってしてもESPの仕組みはいまだによくわからないのだ。新人類だというものもいる。
だが、タキたちにとってみれば、自分たちも人間なのだ。何も違わない。皮膚を断ち切れば出血するし、思考力もあれば、感情もある。
それなのに、ただ特殊な能力が備わっていた、ただそれだけで、迫害され、人類からつまはじきだ。
それでもその力に恐怖する人々がいることは事実で、そのために多少のことには目を瞑り我慢をしなければならない。独りでは暮らせないし、社会に組みこまれなければ生きていけないのが現実だ。
それに折り合うために、カノンもタキも連合軍にいる。ほとんどの力のあるものはそうやって社会と付き合っている。
それすら理不尽だと思っているが、仕方がないことでもある。
だが、力があるから、それだけで、こんな非人道的な扱いを受ける謂れはない。
『心を殺したな』
耳の奥から聞こえるカノンの呟きに、タキは食事に混ざっていた薬を思い出した。
唯一、頭部を残された奴の思考も感じ取れないとのカノンの言葉を受けて、タキは腹の底から怒りが湧くのを感じる。
「投降しろ。タキ」
タキの拳が震えたのを恐怖と見たのか、ルカトが高く笑った。
「これからも、俺たちのために戦え。おまえは単体でも強い。今までの計測値からすると最高値だ。だから、おまえはいじらないでやる。美しく改造したカノンと並べて戦わせるのも面白い」
勝手なことを語りながら笑う男に向かって、タキは手のひらを向ける。
「だまれ」
放出した力がまっすぐにルカトに向かって飛び、光るシールドにはじかれて霧散する。
「無駄だ。我々に逆らわなければ、このまま飼ってやろう。だが、歯向かうのであれば、ここで倒れることになる」
ルカトの後ろからスーツ姿の男が現れ、首を横に振った。リトランだ。
「カノン。シロタたちはシールドの中か?」
タキは目の前の敵を睨み付けながら、インカムに向かって声をかけた。
『ああ』
「解除は?」
『無理だ。メインコンピューターの管理下だ』
「新たにシールドを張ることは?」
少し間があいて、『可能だ』と声が返る。
「それじゃあ、あいつらをできるだけここから遠くの隅に寄せてシールドで護れ。俺はあいつを狩る」
タキは肩幅ほどに足を開き、腰を下ろした。身体全体がゆらりと揺らめく。
「カノン」
声をかけると『なんだ?』と返事が戻る。
「頼んだ」
『わかった』
言葉にはしなかった。方向性をつけた思念を読ませたのだ。だが、カノンにはきちんと伝わったようだ。
後ろで、五つの気配が下がるのを感じながら、タキは両腕を頭上にあげた。
「俺がきっちり引導引き渡してやる」
前にかけだしながら、目の前でゆらゆら揺れている人造人間に向かって、力を投げつけた。
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