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 ←最終決戦(4) →二人
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この宇宙(そら)の果てまでも

勝利

 ←最終決戦(4) →二人
カノンの誘導で外へと出てみれば、連合軍の応援部隊がすでに街を鎮圧しており、戦闘はあらかた終了していた。トランたちの仲間も無事に合流し、小さな怪我はあるものの、被害は最小限だっただろう。
「やったな」
笑うトランにタキも笑みを返す。
「これで俺たちに自治が戻る。やっと、街に帰れるな」
地下都市の住人達は、それぞれ故郷があり、やっと地下の生活から逃れられるのだと聞いて、そうだなとタキも思う。
彼らの安堵と晴れやかな顔をみれば、彼らの長い戦いがようやっと終わったと感じていることがわかる。たぶん大変なのはこれからなのだろうが、それでも、銃弾や圧政に怯えての暮らしは終わりを告げるのだ。
「おまえのおかげだ。ありがとう」
腕を叩かれて、トランが告げた言葉にタキは目を見開いた。
「どうした?」
あまりにびっくりした顔をしていたのだろうタキに怪訝そうにトランが首を傾げる。
「い、いや。やり遂げたのはおまえたちだろう?俺は、任務で……」
「それでもだ。おまえがいなけりゃ、俺たちはここに立っていなかったかもしれない。あんなものを開発されて、暴力と恐怖におびえて暮らす羽目になってたかもしれない。それを打ち壊したのは紛れもなく、タキ、おまえだろう?」
だから礼くらい言わせろとトランは照れたように笑った。
「そうだよ。タキ、かっこよかったし。また、惚れ直しちゃったな」
キラキラした目で見上げるシロタと笑っているレジスタンスの幹部に目をやって、タキは小さく微笑んだ。胸のあたりがほんのり温かい。
今回は力を加減しなかった。連合軍ですら、化け物と称した自分に、礼を言って笑う彼らにタキは、こそばゆいような不思議な感覚を味わっていた。
「ところで、いつまでお前はくっついているんだ、シロタ」
かばわれながら外へ出て、そのあとも、ちゃっかりとタキに抱きついたままのシロタは、トロンに首根っこを掴まれて、剥される。
「なんでだよ。タキが気にしていないんだからいいだろうに」
長い髪をかきあげて、悪びれないシロタにトロンがため息をつく。
「ツルミなんとか言え」
後ろに控えるツルミは、困ったように笑っただけだ。その様子に仲間がどっと沸いた。
「この後どうするの?」
懲りずにタキを潤んだ瞳で見上げたシロタに、タキは眉間に皺を寄せた。
「支部に戻って報告。だろうな」
うんざりと返すタキの耳にカノンから、帰還命令が告げられて、やっぱりなと思う。
「了解」
小さく返して、ああ、でもカノンに会えるなとタキは目を細めた。声からして、元気なようだが、まだ顔を見ていない。もうどれだけあいつをこの目に映していないだろうか。
「タキ」
怒ったように名を呼ばれて、タキはシロタを見た。不機嫌そうに眉間に皺を寄せているシロタをなんでだと見返した。
シロタは一度タキを睨み付けると小さくため息をついた。目にかかるのだろう長い髪を手でかきあげて、ビルから次々と銃を突きつけられて、トラックに乗せられている男たちを見た。
「あいつらどうなるの?」
「ああ。連合軍で裁かれる。テロリストは第一級犯罪者だからな。もうここへは戻れないだろう。刑も重い」
「そのうえ、ESPの極秘研究に、人体実験とくれば、まあ、一生監獄行きだな」
タキの言葉を継ぐように、答えた人物に、一斉に全員の目が向く。がしゃっと銃を構えたトランをタキが腕で制す。
「アルラート……」
「よう。久しぶり」
目の前には連合軍の制服に身を包んだ、ネコ目のアルが立っていた。
「早く移動しろってキース隊長から。カクラを押さえておく人手がもったいないってさ」
「またあいつか」
うんざりして吐き捨てると、アルが面白そうに笑う。
カクラの邪魔が任務に支障をきたしそうだと報告を受けていたキースが、ひたすらカクラを手元から離さなかったのだ。ESPシールドも邪魔だったし、我を忘れているタキとなぜかタキに執着しているカクラが戦えば、それこそ、どうなるか予想もつかない上に、任務はどこかへ行ってしまうだろうとキースが判断したからだ。
「で、あなた方も連合軍支部に出頭していただきたいとの要請です」
ぴっと背筋を伸ばして、アルがトランたちに告げる。
「事情をきかせてくれってことだけどねー」
せっかく畏まったのに、すぐさま崩れたアルの口調にトランが驚いた顔をする。きっと彼らの連合軍に対する評価は、最低だろうなとタキは思う。そろいもそろって規格外のものしか今回、訪れていないのだから。
まあ、どうでもいいけどなとタキは小さく笑った。
「それでは、あとで。ほらいくよ、タキ」
ぐっと腕を掴まれて、タキはその場から連合軍支部へと飛ばされた。


連合軍支部では瞬間移動の出口は決まっている。あまり変なところに突然現れると迷惑なのと危険だからと言うのがその理由だ。
移動ポッドと呼ばれる部屋に出現し、そこから出ると、目の前には一部の隙もない姿のカノンが立っていた。
「カノン」
銀色の髪も艶やかな青い瞳も透けるような白い肌も損なわれることのないカノンがそこにいて、タキは、一瞬言葉を失う。
一度は失ったとおもった相棒が無事でいたことに胸が詰まる。
「任務終了、お疲れ様です」
かちっと敬礼されて、タキは面食らうが横にアルがいたことを思い出して、そのせいかと思う。一部の隙もないカノンから目が離せず、タキは敬礼を返そうと思って、右腕が上がらないことに気付いた。苦く笑って、「よう」と言うだけにとどめる。
「タキはこっちへ。検査の準備が整っていますから」
「検査?」
なんのことだろうと思って、自分の姿を見直してみれば、服はぼろぼろであちこち傷だらけ。ついでに、最後の化け物に切られた傷のせいで、右半身が真っ赤だった。
「じゃあ、カノン、検査後、ドクターの許可が下りたら、報告に来るようにってキース隊長から。つたえたからねー」
ひらひらと手を振って、アルが歩き出す。
「あと、頑張んな。なんか、怒ってるよー。君の相棒」
タキにだけ聞こえるように伝えられた言葉にタキは眉間に皺を寄せる。
どこまでも無事なカノンを見て安心していたが、確かに瞳の色が濃い。
それもかなり危険な感じだ。任務をさぼったわけでもないのに、なぜ、こんなにカノンは怒っているんだろう。
「こっちだ」
背をむけたカノンの後ろをついていく。インカムから聞こえていた声から、カノンとは感動の再会を果たすんだと勝手に思っていたタキは、カノンの背中から噴出する凍えるような怒りの波動に手のひらを顔に当てる。強張った背がタキを拒絶していて、驚きと困惑は深まるばかりだ。思い当る節はない。
「なあ、カノン。なんで怒ってんの?」
しばらく原因を探りながらも、無言で廊下を歩いていたタキは後ろからカノンの腕をとった。びくんと大げさなほどカノンの身体が揺れる。
ほとんどの人員が駆り出されているのだろう。医務室に通じる通路には人気はない。
「カノン」
もう一度名を呟くとカノンがタキが掴んだ腕を振りほどいた。
「うるさい。いいからつべこべ言わずに医務室に行け」
癇癪を起したように怒鳴られて、タキは目を瞠った。
「なんでそんな平気な顔しているんだ。ぼろぼろずたずたで。腕なんてあがらないんだろう」
まくしたてるように言葉を繋ぐカノンをタキは左腕を伸ばして腕に抱き込んだ。腕の中でカノンの身体が震えているのを感じた。
心配をかけたのだろうか。助けるつもりが、捕えられていたのはタキの方だったし。確かに、タキはかなりの傷を負っている。ほとんどが自傷なのだが、カノンはそれに罪悪感を感じているのかもしれない。
「カノン、落ち着けって」
「はなせっ」
腕の中で暴れまくるカノンが泣いているようで、タキはさらに腕の力を込めた。
「カノン」
腰を抱いて、顔を近づけるとタキはカノンの唇を自分ので塞いだ。驚いたように硬直したカノンを抱き寄せて、さらに口づけを深める。
カノンの香りが胸を満たして、熱い口腔がカノンが生きていることを知らしめて、タキは体中の血が騒ぐのを感じる。
舌を追い、舌を絡めて、腕の中のカノンが暴れる気を無くすまで、タキはカノンを貪った。
やっと帰ってきた。ここが自分の帰る場所だ。
くちゅりと淫靡な水音が廊下に響き、はっと我に返ったらしいカノンに突き飛ばされる。
「な、なにするんだ」
唾液で濡れた口元を腕で拭って、頬に朱を散らしたカノンがタキを睨み付けた。その瞳にすら、煽られて、タキは身体の奥底から湧き上がる欲求に口端を上げる。ここがどこでもなんでもいい。
カノンを確かめたい。どこもかしこも無事なことも、そして自分が生きて帰ってきたことを。
口元に笑みを刻んだまま、睨み付けるカノンへタキは一歩踏み出した。
「力を使ったしな。血も流れたし、補給が必要」
さらに一歩、睨み付けるカノンへと近づく。
「だ、だめに決まってるだろう。医務室にいって検査して、それから……・」
後ずさるカノンを追い詰めるように一歩前に足を踏み出す。
「それから?」
「しばらく安静だろうから、ちゃんと休んで……」
「それから?」
タキは一歩ずつ前に足を出して、カノンを壁際にまで追い詰める。
「それから?」
何度も問うた言葉をまっすぐにカノンを見つめて、タキは告げた。心が読めなくても今のタキの目にははっきりと欲望が映っているだろう。この場で押し倒してめちゃくちゃにカノンを感じたいという意思を感じるはずだ。
「カノン?」
タキの身体を押しのけるように腕を突っ張って、カノンは目を伏せた。見ていられなくなったのだろう。
「別に僕じゃなくてもいいだろう。あの、シロタさんだって」
「へ?シロタ?」
間抜けな声が出た。
「ち、違う。何言って……ば、ばっかだろう。そんな場合じゃないって言ったの」
腕からすり抜けて、カノンはタキに背をむけると視線を床に落とした。
「人が心配してるっていうのに。傷だらけのくせに。さっさと医務室でその傷見てもらって来い」
怒鳴って、カノンはそのまま走り去った。
銀の軌跡を残して去っていたカノンを呆然と見送って、タキは頭を掻く。
戦場に現れたシロタに後方支援のカノン。相棒なのにその背中を守れなかったと、カノンはふてくされているのだろうか。それとも……。
「カノン」
押し殺していた欲望と願望がタキの中に噴出する。誰よりも何よりも大事にしてきた相棒。
もしも彼が自分に相棒以外の想いがあるのなら。
「都合よすぎか」
タキは自嘲し、すでに姿も見えなくなってしまったカノンの行先へと視線を投げた。

三日の絶対安静を言い渡されて、それから、報告だ、会議だと忙殺されて、結局、二週間もこの星に滞在することになってしまった。
その間もカノンとは、引き離されて、話すらできずにいる。口裏を合わせられら困ると思われたのか、タキは報告会と会議以外は自室に監禁状態だったし、カノンも仕事に追われているとほかの人間から報告を受けたがそれだけだ。
何度もいろんな奴に、うんざりするほど事情と状況を聞かれ、さらに、被害状況が明らかになるにつれ、タキへの疑いは晴れた。
特に、民間人の殺傷が一件もなかったことと、レジスタンスのリーダーであるトランの証言から、タキがただテロリストの手先として利用されただけではなく、レジスタンスを助けて、最低限の被害にとどめるべく努力したと認められ、タキがへのお咎めは一切なしということになった。
カクラとアルは戦闘が終わり次第、連合司令本部へ帰還命令がでて、タキと顔を合わすことなく星を去った。
事後処理にはキースだけが残り、あとから乗り込んできた連合軍の監査官と事務官が、この星の新政府の連合加盟手続きを済ませ、テロリストの処分などの今後の一切を決めた。
そして、すべての事件は終わりを告げた。
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