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この宇宙(そら)の果てまでも

終章

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太陽の光がさんさんと降り注ぎ、波の音が遠くざわめきのように聞こえる。水のうえを渡る風が汗ばんだ身体を少し冷やしていった。
「カノン」
デッキチェアに横になって本を読んでいるカノンにびっしりと水滴のついたグラスを差し出すと、カノンは物憂げにその視線をグラスからタキへと向けた。
ビーチにいるのに、カノンは半そでシャツに薄手のズボンという出で立ちだ。
「暑いだろ?」
手を伸ばしたカノンにグラスを渡してやる。
「アルコール?」
「違う。紅茶だ」
木陰で風は通るとはいえ、暑くないんだろうか。腕を伸ばして、カノンの二の腕を掴むと外気にあたったせいか熱を持っている気がした。
「本読むなら、部屋の方がいいんじゃないか?」
「触るな」
下から睨み付けられて、タキは肩を竦めた。
カノンとタキは、長い休暇を惑星に降りて過ごすことにして、それもリゾートのプライベートビーチ付きのコテージに滞在していた。
海は果てしなく青々と広がっているし、白い砂浜も目を楽しませてくれる。
それも人工ではなく本物の太陽と海だ。
想いを確かめ合って、昼間は青く光る海、そして、夜は波の音と満点の星空という最高の環境にあって、なぜか、カノンの機嫌はすこぶる悪い。
「……カノン。運んでやるから、中に入れ」
「嫌だ。自分のことは自分でなんとかする。ほっといてくれ」
一気にお茶を飲み干して、グラスを突っ返すとカノンは、また本に目をおとした。
タキは小さくため息をおとす。
確かに少し無茶をした気はするし、責任も感じているが、仕方がないじゃないかとタキは思う。
想いを確かめ合ったあの日。カノンが起き上がれなくなるまで抱いた。カノンも望んでいたと思ったし、煽られて求められたら、我慢なんてできない。
次の日の業務は、疲れはしても動けるタキがしたから問題ないはずだし、カノンもそれほど怒ってなかったはずだ。
このコテージに来た時も、カノンは少し嬉しそうだった。ここなら、隣のコテージまで数百メートルあるし、さらに周りは自然に囲まれて、人の思念に追いかけられない。
やっぱりやりすぎたか。
休暇の解放感ととにかくカノンへの想いが先走って、ここに来るなり、カノンを構い倒したのがいけなかったんだろう。
たしか、最初の日はつくなりベッドに押し倒したし、この三日間、欲しくなれば、カノンを抱いていた。腕の中のカノンは艶を増して、想いは積もっていくばかりだ。キスだけと思っても、止められない自分にタキは自分でも呆れていたが、カノンはそれを怒っているんだろう。
「わかった。しばらく一人にするから、部屋に入ろう」
手を伸ばしてもカノンはそれが目に入らないふりをする。
「カノン」
強めに名を呼べば、また睨まれた。瞳は青味を増していて、やっぱり怒っているなと思った。
せっかく恋人になったんだから、もう少し素直でもいいのにと思う反面、かわらずに反発するカノンも可愛いと思っているあたり、自分でも終わっていると思う。
「気温調節した室内日光浴とは違うんだぞ。紫外線も強いし、気温もかなり高い。具合が悪くなったら困るだろうが」
堅物のカノンは理屈に弱い。だから、タキはそれで攻めることにした。
「わかってる」
「わかってない」
手を伸ばして、額に触れれば、やっぱり体温が高い。いつも低めの体温のカノンからすれば、熱が体内に籠っているのはよくないだろう。
「だから触るなっ」
手をはじかれて、さらに下から睨みあげられる。さすがにむっとしてタキも目つきを厳しくした。タキはそう気の長い方ではない自覚がある。子供っぽいところも。カノンを守って包める大きな男でありたいと思うが、そう簡単に理想の自分には手が届かないらしい。
「ああ。そうかよ。もういい」
背をむけるとぼそっと呟きが聞こえた。
「……えないだろう」
「は?」
聞こえなくて振り返るとカノンがまっすぐにタキを見ていた。
「部屋に入ったら、せっかくの景色が見えないだろう。おまえも……」
口の中に消えていく言葉に自分のことが入っていた気がして、タキは目を丸くした。まさか、海で泳いでいるタキが見たくて、こんな木陰にいるんだろうか。
うつむいてしまったカノンの金の髪の間から見える耳が赤い気がするのも気のせい?
急に照れくさくなって、タキまで顔が熱い。
つっけんどんのくせにこんな風にかわいいことを言う相手を構うなっていうのは無理があるだろうとタキは空を仰いだ。
抱きしめたい。強く抱きしめて、キスをしたい。それから……
欲望は果てしない。だけど、きっとそれをしたら、またカノンの機嫌は急降下だろう。
タキはそっと側に寄って、カノンの手触りのいい髪を撫でた。さらさらと指を滑る感触を楽しむ。カノンは何も言わずにうつむいたままじっとしている。
「カノン、ちょっと待ってろ」
できるだけ優しく告げるとタキは、コテージにとって返す。
コテージの二階のリビングからなら海が見える。エアーコンディショナを作動させて窓を開ければ、外にいるより涼しいだろう。
タキは籐の長椅子をベランダ近くの窓際に置いて、さらにウインドシェードを影ができるようにいっぱいに広げた。ベランダに張り出した布製の屋根が強い光を遮って、やわらかくなった日差しが、室内に差し込む。
涼しくなるように調節して、タキはベランダからカノンを呼んだ。
ほんとうなら、抱えあげて運んでやりたいが、きっとカノンはひどく嫌がるだろう。
「カノン。こっち」
ベランダから手を振るとカノンはデッキチェアから立ち上がり、こちらへとやってくる。その足取りがしっかりしているのを見て、タキはほっとした。
呼ばれるまま、コテージに上がってきたカノンにタキは得意げに微笑んだ。
「ほら、ここなら海も浜も見えるし、風も入る。海がみたいなら、ここにいたらいい」
カノンは蒼い瞳を眩しそうに細めて、タキとその後ろの海に視線を向けている。その表情が柔らかくて、心が温かくなった。
唯一無二の相棒だったカノンは、相棒だけでなく、世界でただ一人の恋人となったことを実感する。きっとこうやって、これからもずっと二人で。
「一緒にいような」
言葉は自然と口から出ていた。なんの脈絡もなかったけど、きっと通じたのだろう。カノンも口元に笑みを浮かべていた。淡い青の瞳を細めて。

この宇宙(そら)の果てまでも。ずっと一緒に……。


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~ Comment ~

NoTitle

こんばんは♪
ムーンから一足飛びにラストを求めて来ちゃった☆ッて感じですw
だって、寸止め感がアレで……(;´∀`)
そう、タキに激しく同意していたのでその先を求めてしまったのですよ。
なみしゃんの新たなるハードな世界にワクワクしておりましたので
能力チートな方々を堪能させていただきました。
地下組織のお方たちも魅力的だったので、ここでサヨナラも勿体無い気がw
ハスキー犬×銀狐な二人に、もっと休暇を!!!ですw
(カノンの身体がちょっと心配ですが……wwww)

大変美味しゅうございました☆ごちそうさまです♪

NoTitle

くろさん

ありがとうございます。
あれま。ムーンで読んでいらしたんですね。
こっちでは完結させてあるのですが、ほかのものをアップしていたら、
ムーンは遅くなってしまって。すみません。

タキがハスキー犬! さすがです。笑ってしまいました。
犬よりオオカミの方が強そうですが、これからもタキはカノンに振り回されることでしょうか。

個人的には、こういうアクション、ハードな話もだいすきなのですが、
恋愛が少なかったせいか、やっぱり、読者様方の反応はいまいちで、
こんな素敵な感想をいただいてすごくうれしかったです。

ありがとうございました。
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