スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←中編 →嵐の前(2)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png はじめに
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
もくじ  3kaku_s_L.png Novel lists
もくじ  3kaku_s_L.png 奇跡の刻
もくじ  3kaku_s_L.png 平行線の恋
もくじ  3kaku_s_L.png 煉獄の恋
総もくじ  3kaku_s_L.png 天空国の守護者
総もくじ  3kaku_s_L.png 巡る季節と恋の順番
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 山神の花嫁_昔話
もくじ  3kaku_s_L.png 告白の向こうへ
もくじ  3kaku_s_L.png 空の月を恋う
総もくじ  3kaku_s_L.png おまけ番外編ショート
もくじ  3kaku_s_L.png 遠回りの片恋
もくじ  3kaku_s_L.png 腕の中の迷い猫
総もくじ  3kaku_s_L.png 蒼い闇の化身
  • 【中編】へ
  • 【嵐の前(2)】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「巡る季節と恋の順番」
冬―始まり

後編

 ←中編 →嵐の前(2)
「んっ……はぁ……んっ」
甘い声が口から出て、背がしなる。
「仕切り直しは無理かもしれない」
告げられると足を抱えあげられた。両足の間に一條が身体を入れ、すべてをさらすような恰好をさせられる。すでに形をなして天井を差す美玖自身は、先端に小さな滴をうんでいる。
恥ずかしくてかっと頬に朱が走るが、期待に鼓動を早くしたのも事実だ。
足を美玖の胸に押し付けて、一條は、蜜を浮かべた美玖自身を口に含んだ。
「あぁっ……んっ……」
舐められて、唇で扱かれて、ますます美玖のものは硬さを増した。棹を伝う唾液と美玖からあふれた蜜がさらに奥の秘められた場所へと流れる。
空いている手で、腿を押されて、さらに足を開くと一條の指がすでに濡れた蕾を行き来する。
「やっ……あぁっ……」
それだけの刺激にも感じて、逃げを打つ身体を押さえつけて、一條は指を中に滑り込ませた。先ほどの情事で解れた体内は難なく一條の指をのみこんで、うねるようにそれを食む。
指が中の壁の前面を押すと美玖の身体が跳ねた。奥に放たれた一條の欲が、中をかき回わされると水音を立てる。淫猥な音にすら鳥肌が立つほど感じた。
何度となく抱いている美玖の弱いところを一條は、全て知っている。
美玖自身を唇で扱かれて、体内を指でかき回されれば、理性もなにもどこかへいってしまう。
いや、もうそんなものはとっくに美玖の中になかったかもしれない。
欲しい。
身体の中がうねって、貪欲に指に絡みついた。
たいして触られてもいないのに、一條が欲しくて欲しくてたまらない。
内腿の筋肉がひくひくと収縮し、力が入る。
「挿れて……もう……いいから」
腰を揺らして、美玖は一條を見つめた。
焦点が合わずに、一條の黒い瞳がだけがぼんやりと見える。その目を眇めて、一條は眉を寄せた。
やけに艶めいて男の色香を放つ一條に美玖は、やっぱりこの人が好きだと思う。
「美玖」
名を呼んで、一條は指を引き抜くと自身を押し当てる。それが身を貫く期待に美玖は大きく息を吐いた。
「あっ……ああぁぁ……」
硬くて熱い一條のものが中を割って入ってくる。先ほどまでゆすぶられていた身体は難なく彼をのみこみ、美玖は嬌声をあげた。身体の奥から痺れるような、追い立てられるようなそれでいて満たされるような感覚が湧いてきて、美玖は背を反らせた。
「んっ」
奥まで入れると一條は美玖を抱きしめて、唇を合わせた。
絡みつく舌が熱くて心地よくて、美玖は夢中で舌を伸ばす。口の端から唾液があふれても気にせず、舌を絡めた。
この男がこの瞬間だけは自分のものだと思うとたまらなかった。
瞼の裏が熱をもって、なぜか涙が目を覆いだす。蕩けるような甘いキスと体内の熱い塊に胸がいっぱいになる。
「隼也」
喉に絡まる声で名を呼べば、一條は美玖の口端を伝った唾液を舐めとった。
身体を少しだけ起こす。
「泣いているのか?」
訊かないでほしかった。自分でもなぜ、涙がこぼれるかわからないのだから。
舌を伸ばして、一條は涙を掬った。
「辛いな」
あたりまえなことを言う一條がおかしくて美玖は唇だけで微笑んだ。
身体を満たす甘ささえ感じる空気はなんだろう。これが幸せというんだろうかと美玖は思う。
「嫌なのか?」
「嬉しくて」
とっさに答えてから自分が嬉しいんだと思った。嬉しくても涙は出ることも初めて知った。それとも胸の中で溶けた氷が流れ出ているんだろうか。
「おまえは自分がどんな風に見えるか知らなさすぎる」
辛そうに眉を寄せて、一條は美玖の首筋に歯を立てた。ちくりとした痛みにすら感じて、吐息を宙に投げる。
ぐっと腰を抱かれて、抱えられた。身体が起きて、一條の膝に向き合って座らされる。
「深い」
一條が躰の奥に届いて、美玖は背をしならせた。
その途端に、胸の突起を唇に含まれた。まるで自分から捧げたようになった胸を一條はきつく吸う。
平面だったその突起は赤く色づき、ふっくらと自己主張した。
「やあっ……んっ……はあぁっ……」
緩く腰を回されて、執拗に胸を吸われて、美玖の思考が白く溶けていく。
「動いて」
命じられるまま自分でも腰を上げては下ろす。いいところに一條の切っ先が当たって、そのたびに背筋を頭の中をいいようもないほどの官能が走って、美玖は身を捩る。
「ああっ……いいっ……」
乱れ始める美玖をさらに攻めたてて、一條は唇の届く範囲に口づけを落とす。美玖の白い肌に赤い花弁のような文様が散った。
「もっとだ」
うねる中が一條を食い締め、それでも一條のそそのかしに美玖は素直に従った。白くなった頭の中に火花が飛び始め、上下も左右もわからないほど身体が揺れている気がする。
一條との間でふるりと揺れる美玖自身は先端からとめどなく蜜をこぼす。
「触って」
ねだると一條が美玖を握る。
「ああっ」
先端を指で撫でられると声が出た。触られている自身も擦られる内部も気持ちが良くて、もっともっとと身体が叫ぶ。
急激に感覚がどこかに向かって上っていくが、まだ頂上には届かない。もどかしくて、美玖は一條の首に抱きつくとさらに腰を回した。
「はぁっ……ん……達きたい。もう……やだっ……」
この半端な感覚がもどかしくて、超えた先の快感に辿りつきたくて、首に縋りつく腕に力を込める。
「達けよ。自分で動くか……」
「やだっ……もっと、奥まで……思い切り突いて」
一條の声を遮って、美玖は首を左右に振った。もう自分が何をねだっているかもよくわからない。ただ、早くのぼりつめたかった。意識が飛ぶほどの快楽が欲しい。
「おまえってやつは」
呆れたような嬉しそうな複雑な声音がして、美玖は、ぽすんとベッドに仰向けに倒される。
背がシーツの冷たさにひくんと震えた。
「欲しいだけ奪え。全部、美玖、おまえのものだ」
美玖の腰を両手でつかむと一條は一度、入口まで自身を引き抜き、一気に奥まで押し入った。
「はあぁっ……」
嬌声が口をつき、背がしなった。浮く腰を押さえつけ、一條は身体を入れる。
大きなグラインドに美玖はたまらずに首を横に振った。ぱさぱさと髪がシーツをたたく。
「いいっ……ああ……達っちゃう。すご……」
腕をあげて、一條の腕をつかみギュッと握る。背をひっきりなしにしびれるような快感が上って、美玖は達くと繰り返した。
「はぁん……」
大きく一度目を見開いて、目の前の一條を見た。額にうっすら汗をかいて、眉間に皺を寄せた貌がセクシーだ。
くっと奥のいいところをつかれて、美玖はさらに目を大きく開いた。
「やぁ……達くっ」
びくんと大きく身体が跳ねて、腹に白い飛沫が飛んだ。何度も何度も身体がびくりとまるで陸に打ち上げられた魚のように跳ねた。
「くっ」
上にのしかかっていた一條の身体もかすかに震え、奥に熱が広がる。
荒い息を整える間もなく、一條に唇を奪われて、深い口づけを交わした。
自分の何もかもがこの人のためにあるような気さえして、美玖は瞳を閉じ、口づけに酔った。



背中が熱をもっているようだ。
後ろから抱き込まれて、頭からすっぽりと布団をかぶっているので、寒さはみじんも感じず、逆に暑い。
一條の長い腕に巻き取られるかのように胸元に抱きかかえられていた。
「少し痩せたな」
耳元で吐息とともに低い声がして、美玖は身体の向きをかえようとする。
だが、それは腕で阻まれた。
「まだ、山ほどバイトを続けているのか?」
「なんで……」
「じぶんで言っていただろう?覚えてないのか」
美玖はちょっと考えて、ホテルの部屋でワインを飲んだ時に、そういえば、なんだか尋ねられるままに会話したような気もする。
「あの時は、酔っ払ってて……」
「そうだろうな。愛撫の最中に寝てしまったくらいだ」
一條の揶揄に美玖は真っ赤になった。金をもらったのだから、奉仕しなければいけなかったのに、酒がまわって、連日の無理もたたって、そのうえ、一條の愛撫の気持ちよさに眠ってしまったのだ。
「あ、あれは……」
それでも、一條は怒らなかったし、次の朝も何事もなかったかのように別れた。大事にされていたんだということに今更ながら気付く。
「で、今は何をしているんだ?」
「居酒屋のバイトだけ続けている。もう、4年くらいやっているし、そろそろ正社員にならないかって言われた……」
身体の前に回っていた腕に力が入り、美玖はさらに一條に抱き込まれた。
「そうか」
「うん」
美玖の髪に一條が、唇を落とす。
美玖はぼんやりとこれから自分たちはどうなるんだろうと思った。今は、金銭で身体をつなげたわけじゃない。好きだから抱かれた。
で、時々会って、抱き合う。
いままでと何が違うんだろう。
「美玖……」
「何?」
「一緒に暮らさないか?」
美玖は息をのんだ。振り返ろうとして、それをまたも強く抱きしめることで阻まれる。
「おまえの仕事は夜が中心だし、俺は昼も夜もその日しだいだ。なかなか予定を合わせられないだろう」
そうだけど、だからって……。
混乱する思考に美玖は翻弄される。これからどうなるんだろうと思っていたのに、いきなり一緒に暮らすだなんて、飛躍しすぎでついていけない。
「無理」
美玖は慌てて、一條の腕の中から逃げ出した。
「おい、美玖」
振り返って、抱き寄せようとする一條を手で押しのける。
「俺は囲われる気はない」
美玖の言葉に一條は動きを止めた。怪訝そうな顔をして、美玖を見つめる。
美玖も一條を見た。にらんだかもしれない。
視線が交差し、沈黙が落ちる。
「……」
「……くっ……」
喉を鳴らしたかと思ったら、一條がいきなり笑い出した。額に手を当て、喉をさらして笑う。
「美玖……おまえ……」
それでも足りなかったのか、身体を前に丸めて笑っている。まさに腹を抱えて笑うだ。
「なんだよ」
憮然として言い返すと腕が伸びてきて、頭に大きな手が置かれ、くしゃくしゃと髪をかき回された。
「だってそうだろう」
怒ったような美玖の声音に一條は笑うのをやめ、美玖を見た。
「違う。恋人に一緒に住もうと持ちかけただけだ」
恋人と言う言葉に美玖は目を見開いた。頬がかっと熱くなる。
「恋人って……」
「想いを確かめたと思ったが。違うのか?」
言われればそうだが、実感もない美玖は、ただただ驚くばかりだ。
一條は大きくため息をついた。
「前途多難だな」
ぐっと抱き寄せて、布団をかけ直すと一條は微笑む。
「それなら最初からにしよう。そうだな。まずはデートしようか」
それから、キスをして抱き合って、お互いを知ろうと一條は言う。
「知っても美玖が俺を好きだと思ってくれたなら、一緒になろう」
それでどうだと抱きしめられて、美玖はかっと全身を熱くした。きっと顔は真っ赤だろう。それこそ耳までだ。
「好きだよ、美玖」
紅いだろう耳に唇を寄せて、一條が囁き、外耳をぺろりとなめた。
何か言い返そうとした美玖の口は、ぱくぱくと動いただけで音にならなかった。
「ゆっくり行こうか」
一條はそういいながら、唇を美玖の唇にそっと重ねた。
美玖の答えは二人の口の中で溶けて消えた。


春の足音が聞こえる……。

関連記事


にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

総もくじ 3kaku_s_L.png 天空国の守護者
総もくじ 3kaku_s_L.png 巡る季節と恋の順番
総もくじ 3kaku_s_L.png 山神の花嫁_昔話
総もくじ 3kaku_s_L.png おまけ番外編ショート
総もくじ 3kaku_s_L.png 蒼い闇の化身
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png はじめに
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
もくじ  3kaku_s_L.png Novel lists
もくじ  3kaku_s_L.png 奇跡の刻
もくじ  3kaku_s_L.png 平行線の恋
もくじ  3kaku_s_L.png 煉獄の恋
総もくじ  3kaku_s_L.png 天空国の守護者
総もくじ  3kaku_s_L.png 巡る季節と恋の順番
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 山神の花嫁_昔話
もくじ  3kaku_s_L.png 告白の向こうへ
もくじ  3kaku_s_L.png 空の月を恋う
総もくじ  3kaku_s_L.png おまけ番外編ショート
もくじ  3kaku_s_L.png 遠回りの片恋
もくじ  3kaku_s_L.png 腕の中の迷い猫
総もくじ  3kaku_s_L.png 蒼い闇の化身
  • 【中編】へ
  • 【嵐の前(2)】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【中編】へ
  • 【嵐の前(2)】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。