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「天空国の守護者」
トレジャ編

クアールの影

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レンガの床に炎の影がゆらりと揺らめく。
組み上げられた木の壇から煙が立ち上り、ぱちっと爆ぜる音が時折響いた。焚かれているのは香木だろうか。甘ったるい香りが辺りを満たしている。
レンガの床に描かれた赤褐色の複雑な文様が炎に照らされ、ゆらゆらと蠢いているように見える。
黒のマントを頭からすっぽりかぶり、顔どころか背格好すら判別の難しい人影が5つ、床の文様の角に立ち、俯きながらなにやら異国の文言を唱えた。
さらに奥の祭壇にもう一人。黒い衣装に仮面をつけた人影が高く腕をあげる。
「連れてこい」
命ずる声が異国の文言の詠唱を引き裂くように部屋の壁を叩き、不気味に響いた。
大きな鉄製の扉がぎぎいと重いきしみを上げて左右に開く。
開け放たれた扉の向こうから、白い輿を担いだ4つの屈強な影が足音も立てずに入ってきた。上には白い布をつけた華奢な人影が坐している。瞳は開いているが、焦点は結ばず、虚空の彼方を見つめている。白い肌は透けるようで、ウェーブのかかった黒髪が輿の動きに合わせてゆらゆら揺れた。
広間に響き渡る詠唱は高く、低く続く。
白い輿は広間をまっすぐにすすみ、床に描かれた文様の少し手前で止まるとゆるゆると降ろされた。
4つの屈強な影が輿から離れ、左右に2人ずつ直立する。輿に乗った人影がゆっくり立ち上がる。その動きはあまりにも緩慢で時折左右に揺れる。まるで、できの悪い人形(ビスクドール)のようだ。
「こちらへ」
祭壇上の人物が告げると華奢な人影はそちらに足を踏み出した。左右に立った4つの影が手を伸ばし、華奢な人影が纏う白い布を左右から引く。
いとも簡単に布が裂け、細く、頼りなげな裸体が顕わになった。陽に焼いたことなどない白く抜ける肌、細い腕と長い脚、年16、7位の少年だ。
少しずつ少年は歩みを進める。おぼつかない足取りだが、倒れることはない。文様の中心で少年はぴたりと歩みを止めた。両腕を左右にあげる。文様のまわりに立った者たちの唱和の声が一段と大きくなる。
祭壇の炎が少年の肌の上に橙色の影を落とし、白い肌で淫靡に踊った。
「われらからの贈り物を」
「われらからの贈り物を」
祭壇からの声に文様の上に立った人影から声が返る。広間に響き渡る声に黒い愉悦が混ざる。
「その姿現し、我らの願いを」
「その姿現し、我らの願いを」
壇上にいた仮面の男が手に剣を携え、壇からゆらりと下りてくる。
「この者、贄とし」
「この者、贄とし」
少年の真正面に立ち、剣を抜く。
「捧げん」
祭壇から降りた仮面の男は剣を振りかぶると少年の上に振り下ろした。
ざんっ!
剣のうなる音が響き、少年の前の空間がどろりと裂けた。黒くどろどろしたものがその裂け目からずるりずるりと現れる。
「我を呼びしは誰だ」
低く空気をびりびり震わせる声がそのどろどろしたものから発せられる。
「おお。クアール様。我らに力を」
仮面の男の手から落ちた剣がからんと床を打った。男はどろどろした黒い闇に跪く。
「力を望むか」
「はい。われを阻むものへの制裁を」
興奮に震える声で、仮面の男が答える。
「よかろう」
その応えに合わせて広間を強い風が吹きすさんだ。全ての人影がなぎ倒される。木組みの壇の火が天井近くまで炎を吹き上げた。
風が唸りを上げて広間を一周し、そしてぴたりととまる。
全ての黒い人影は床に倒れ、びくりとも動かない。白い影のような全裸の少年だけが文様の真ん中でゆらゆら揺れながらも立っていた。
「こいつらいつもワンパターンだな」
軽やかに床に降り立つ音がし、若い男の声がした。
「人間の命なんていらないつうの」
「まったくだ」
もうひとつ声がして、男の隣にとんと誰かが立つ。
「お前たちは守護者を見かけたら、攻撃してくれりゃあそれでいいの」
最初に現れた男は、目にかかった髪をかきあげた。
「天空国の連中に何やら動きがあるらしい。またこいつらを使うぞ」
2人目の男は床に倒れた連中を一瞥しそう言った。
「夢で囁けばいいんじゃねえの」
最初に現れた男は、投げやりに言うとまだ両手を左右に上げたまま、ゆらゆら揺れながら立っている少年の前に進み出た。
「そうだな。次の満月に近い頃らしいから、その辺を見計らって出撃させるか」
2番目の男の言葉を聞いていたのかどうか、少年の前に立った男は少年の顎に手を掛け、自分の方を向かせた。
「なかなか綺麗なガキだな」
「おいおい。また連れて帰るのか。もう何人目だよ」
「さあな。どれもみんな壊れた」
にやりと男は笑い、目の焦点の合っていない少年の耳元でパチンと指を鳴らした。
そのとたんに少年の前の空間の裂け目から染み出していた闇色のどろどろしたものが床にべちゃりと落ちる。その闇色どろどろが蠢くと、少年の白い足先を浸した。そして、縄状に形状を変えるとずるずると足を這い上り始める。
指の音は薬で朦朧としていた少年の意識をも覚醒した。
「ひっ」
細い足をらせんを描いて這い上る黒い縄状のものに少年の口から悲鳴が上がる。しかし、自由になるのは声だけで、足は地面に根が生えたように動かない。上げた両腕も下ろせないようだ。
黒い縄は太い蛇くらいのサイズで、ずるずると少年の内腿を滑る。火壇の炎が揺れる。少年の肌もまた橙の色を深くした。香木の香りはますます濃度を上げ、息をするだけでくらくらするほどだ。
恐怖で彩られた少年の表情に徐々に違うものが混ざり始める。淫靡で官能的な表情だ。腿から尻にかけて、黒い縄がずるりと動いたとたん、少年は喉をのけ反らす。口が薄く開き、喘ぎが上がった。
「あぁっ……やぁっ……」
黒い縄状のものは動きを止めず、少年の身体を舐めるように這い上がる。
「やっ……あっ……ああっ……」
形の良い眉を寄せ、少年は首を左右に振る。肌を擦るように動く闇の縄に少年は背を反らす。
少年の前に立った男はにやにや笑ってそれを見ている。腰に手を当てて、ひどくリラックスした様子で、少年が喘ぐのを見つめていた。
つと、闇色の蛇はその数を増やす。肌を這っていた闇の蛇が2つに4つにと分かれ、腕、首、胸を縄のような闇が肌を這う。
少年の口からは絶えず喘ぎ声が上がり、腰が揺れる。
その口の中にも闇の蛇は入っていく。
「うぐっ……ぁっ……」
口の中まで闇の蛇に犯され、口の端からつうっと唾液が垂れた。
「悪趣味だな、ロト」
もう一人の男は冷めた目でこの様子を眺め吐き捨てるように言った。
「そうか?」
にっと少年の前に立ったロトと呼ばれた男が笑う。面白そうな笑みだ。明らかに状況を楽しんでいる。
男は嫌な顔をした。
「だって、見ろよ。嫌がってないし」
ロトの声に少年を見れば、分かれた闇の蛇の一つが形を為して勃ちあがっている少年自身にも絡みつき、身体を反らして、甘い吐息を洩らしている。
「やっ……もう……許して……」
闇の蛇は緩慢に位置を変えて、肌を擦り、少年を追いつめて行く。少年自身の先から蜜が溢れ、闇を濡らす。
「お願……もう……」
「そうだな」
哀願する少年を思案顔で見たロトは、悪戯を思いついた子供のようににっこり笑った。
「自分で足開けよ。そしたら許してやる」
少年はロトの淫猥な言葉に首を横に振る。
「いや」
「じゃあ、ずっとこのままだ」
「ああぁっ……」
口の中の闇色の蛇が身を捩った。嵩を増した少年自身に絡みついた蛇の先端が、先の割れ目を犯す。力が入らず崩れた身体を腕や足に絡みついた蛇が支えた。その間も闇色の蛇は無数に分裂し、少年の肌を舐めるように這っていく。
「やっ……。だめ……あぁぁっ……」
少年の喉を通る喘ぎ声と嬌声だけが、レンガの壁に卑猥に反響した。
「もう……」
囁いて足を開こうと少年はもがく。しかし、身体を這い上る快楽に腰が揺れるだけだ。
「足に……力が……入らない」
少年の言葉に「ふうん」とロトが笑うと闇色の蛇が位置を変える。少年の足もとに闇の蛇が頭を差し出した。まるで、姫に靴を履かせる従者のように。
「そこに乗せるだけだ。簡単だろう」
ロトのそそのかしに、宙に浮せた足を少年は闇色の蛇の頭に乗せる。両足を乗せると上体をも蛇がささえているため、前かがみになる。腰が後ろに引け、自然と足が開く格好になった。
「ひどい恰好だな」
満足げに笑ってロトは言葉でも少年を嬲る。しかし、あまりの強い刺激にすでに瞳の焦点があっていない少年は、聞こえてもいないようだった。
少年の足もとに蟠ったドロドロの闇からまた一本枝分かれした闇がふらりと立ちあがる。
蛇の鎌首そっくりな形の闇が少年から見えるように頭をもたげ、目の前で揺れた。
何をされるか悟った少年がいやいやと頭を振る。それにまたロトは笑い返す。
「欲しいんだろ?」
ロトの声を合図に黒い蛇はそのまま少年の後蕾に頭をなすりつけ、中へと侵入した。
「ああああぁぁぁぁっっ……」
本来形のない闇が少年を満たす。絶えず悲鳴のような嬌声を上げ、少年は腰を揺らめかす。
「やぁ……あぁ……。いやっ……」
許容を越えた強い刺激にあっという間に追い上げられ、意識を手放すと同時に少年は果てた。少年を囲った闇が放たれた白濁を全て吸収する。最後の一滴まで。
「まだ、若いな」
ロトは満足げに笑うと自身の唇の端を舐めた。
「悪趣味だ。自分で犯ればいいのに」
もう一人の男の言葉にロトは嫌そうに笑った。
「人間と繋がるのか。気持ち悪いだろう」
「精を吸う方が気持ち悪いと思うけど」
「これは栄養補給だからいいの」
ロトはにっと笑った。笑うとやけに若くやんちゃな感じに見える。少年を拘束していた黒い闇が瞬時に霧散し、少年は床に投げ出された。
ロトはすっと腕を上げ、少年の身体を指し示す。ゆらりと床に投げ出された全裸の身体が空中に持ちあがる。
ロトはもう一人の男を振り仰ぐ。
「ほれ、帰るぞ。夢の操作は終わったんだろう」
「はいはい。まったく我儘なんだから」
「なんだって」
声を荒らげたロトに男は肩を竦めた。ロトの我儘は今に始まったことではない。ここは何を言っても無駄だろう。この少年も持ち帰ってしばらくいたぶるつもりらしいし。
ま。俺には関係ないけど。
仕事はまっとうした。これ以上、ここにいる必要はない。
ほうっと溜息をつくと男はふいっと姿を消した。ロトも姿を消す。
広間はしんと静まり返った。火壇の炎が時折、揺らめく。床には倒れたまま残された8つの人影。
レンガの床に倒れ伏した黒マントの男たちは、お告げの夢を見続ける。目が覚めたころには契約の成立を知るだろう。それが、ただの一方的な命令だということも知らずに。
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