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「天空国の守護者」
トレジャ編

戦闘(1)

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「報告があったとか」
カルアは、天幕の入口の幕を跳ねあげるとずかずかと中へと入る。
「そうだ。ルシードからの定期便だが、動きがあったらしい」
入ってきたカルアを見るなり、タミルは真ん中の机に移動し、地図を広げる。カルアもそこへと足を進めた。
「今、俺たちがいるのがここ。寺院の傭兵が盗賊討伐だとかで出かける先がここ」
タミルが指さす地図を目で追う。北の森林地帯の一角だ。この辺を根城にしている盗賊の話はよく噂になっているので、驚くことでもない。
「確かに、守護者の軍の真下付近ですけど、ただの盗賊退治の可能性もゼロではないですね」
「そうだ。だが、弓部隊を中心とした編成で、その数、千」
「千人ですか。そりゃまた。盗賊退治に千人」
罠を疑っていたカルアもその不自然さに唖然とする。たかが、賊退治に千人とはずいぶん張ったものだ。
「さらに、僧侶として潜り込ませていた者からの報告で、そいつが贄の世話係になったらしい」
「贄?」
タミルの言葉にカルアは一瞬何を言われたかわからない。
「クアール用だ。どうも人間はその贄を供物にしてクアールを呼び出しているらしい」
「生贄で呼び出しておいて、クアールの命令をきくんですか?」
益々、意味がわからない。なぜ、生贄を与えて、命令を聞いてもらうのではなく、命令されているんだろう。タミルが苦笑いを浮かべる。
「生贄で呼び出すのは自分たちの願いを叶えてもらうためだが、そのたびに暗示に掛けられて良いように使われているってことだ」
あまりの間抜けぶりにカルアは呆れたが、とりあえず、疑問に思ったことは訊いておく。
「願いってなんです?」
「政敵の排除、暗殺、金儲け。人間の欲望なんてそんなところだろう」
タミルの言葉にカルアはひどく嫌な顔をした。だから、人間なんて嫌なんだ。やっぱり、皆殺しにしてしまえば楽なのにとカルアは思う。そんなカルアにタミルは苦笑を返した。
それに、またいらだちを覚える。
「で、その贄と今回のこととの関係は?」
クアールが影で糸を引いていることはわかったが、他はさっぱりだ。それに、人間がどうなろうと知ったことではない。
「贄の世話を任された時、この件は他言無用と念を押されたそうだ。寺院の隔離された地下部分のみでの活動で、その件に係わっている連中と会ったらしい」
「クアールと手を組んでる連中がわれたってことですね」
カルアの言葉にタミルは頷いた。
「そうだ。それでだ。隊の一部は僧侶に化けた奴と合流し、クアールを呼び出している連中を叩く。残りはルシードを追い、傭兵部隊とそこに潜んでいるだろうクアールを殲滅する」
タミルの言葉に、カルアはにやりと笑った。いらだちが闘気に変わる気がした。
前回の屈辱を果たす時がようやく訪れる。急襲を受けた挙句、隊長が負傷し行方不明になった時の血を吐くような思いを思い出す。
あんなことは二度とさせない。あんな思いをさせた連中を生かしておく気はカルアには毛頭なかった。
「了解」
カルアは敬礼をすると命令を伝えるために踵を返し、天幕を後にした。


ドドス国北方の上空。
一面の青空のなか、突如、大軍勢が現れた。まさに言葉通り突然に。
2万は下らないだろう守護者の軍勢は、見えるものがいれば圧巻だったろう。全員の背中には白い翼があり、それが空を切っている。
鎧が陽の光を受けて白銀に輝き、兜からは紅か藍の帯布がたなびいていた。
「どうだ様子は?」
軍勢の中ほどの主隊で腕を組んで、その場にたたずんだ藍軍隊長アズールが問う。兜を小脇に抱えた紅軍隊長フレミールはだまって前方を指さす。紅い髪が風になびいた。
アズールは指の先へと視線を送る。
「敵さんも結構な数でばっているよ」
かなりの距離があるが、やはり上空に多くの人影が見える。こちらは、黒一色の軍勢が陣を展開していた。青空を横切るような黒い線。横長の陣形だ。
「そのようだな」
重くうなずいたアズールは思案顔だ。
「数は互角ってところだろうが、一戦交えると思うか」
「やる気は十分って感じだな」
フレミールは前髪をかきあげる。紅い髪は陽の光を受けて燃えるようだ。
「下界はどうなってるか」
アズールの低く重みのある声が響く。
「動きはあるようだけど、気取られたくないからってここ何日か連絡がない」
目線は前方に向けたままフレミールが答える。確かに心話を使えば、クアール側に傍受される恐れがある。
用心に越したことはないが、下からの攻撃に備えると戦力を分散させないとならなくなる。
「誰か探らせに行かせるか」
「それも下界と連動しているのがばれる。タミルを信用して、こっちはこっちで派手にやればいいと思う」
「そうだな」
二人の隊長は、広がりつつある敵陣をじっと睨み続けた。

執務室の窓から月を見上げ、セインは溜息を落とす。月の形はすでにかなり真円に近い。
「いよいよだ」
セインのもとには続々と各地からの状況が上がってくる。
北では2万の軍勢がすでにクアールと睨みあっている。決戦は明日だ。
タミルはすでにクアールを呼び出している連中を絞り込んだ。
各地の守りはいまだ静かなまま。
全ては明日にかかっている。
相手の戦力を徹底的にそぎ落とし、勝利を手にしなければならない。
この一戦でクアールとのしばらくの勢力図が変わってくるだろう。勝利すれば、安定した世界が手に入る。
月を睨みつけセインは心を決める。何があっても勝ちたい。
守るべきものを守り、そして、すべてが終わったら……。
見上げた月に微笑んで、セインは踵を返した。

満月が近付くにつれて、胸騒ぎがひどくなる。キリスエールは、月をみあげながら胸が締めつけられるような不安を感じていた。
最後にレイラースが訪れて、戦いがあると告げてから10日近くが経つ。その間、訪れるものは減り続け、今では、誰の訪いもない。トレジャはいつになく静かだ。
ルイスも他のみんなも心なしか元気がない。誰もが何かが起きている不安だけを抱えていた。
どうか。ご無事で。
キリスエールには無事を祈ることしかできない。
あの3人が何事もなく、あの綺麗な笑顔で戻ってきて欲しい。
心配で心配で心が痛い。
キリスエールは再度月に祈った。
あの人たちが無事に帰還しますようにと。

陽は昇る。
朝日に光る白銀の兜、風を起こす翼の音。
闇の化身のような黒一色の兜、こちらも背で白い翼が空を切る。
鳴り響くラッパの音。
「突撃!!」
アズールの怒号で、戦いの火蓋は切って落とされた。
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