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「天空国の守護者」
トレジャ編

南砦

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照りつける太陽が、木々の色を濃くし、下界の湖がまるで水溜りのように光って見えた。
守護者の天空国の最南端の砦の外壁の上に、レイラースは佇んでいた。白銀の鎧、白いマント、肩を覆う黄金の髪が強い日差しに輝く。
「静かですね」
副官のアミルが呟いた。レイラースは答えない。何かを待つようにじっと前方を見据えていた。
風はそよとも吹かない。完全な無風状態だ。この暑さのなか張りつめた空気を感じる。
予定通りなら、北ではすでに戦闘が開始されているはずだ。
赤と緑の瞳がつと眇められた。
「来た」
レイラースは呟き、
「総員戦闘配置」
横の副官を見もせず、鋭く言った。
隣で副官が息をのみ、一瞬後、
「直ちに総員戦闘配置!」
と怒鳴った。一気に砦内が慌ただしくなる。
「隊長。まだ私には見えませんが」
レイラースの見つめる先をアミルは見つめ、何もない空間を確認する。しかし、副官はレイラースの感知能力の高さを知っている。かなりの遠方の気配でも察知できる能力だ。
「やっぱり、北は罠だったな。総数1万5千」
副官はぎょっとしてレイラースを見た。それが事実なら味方の3倍の数だ。
「すぐにセイン将軍に報告してくれ。それから援軍の手配を」
副官は駆けだしていく。
「西と東の戦況を確認」
横に走り込んできた部下に告げる。
「はい」
短く返事が返り、その者も走り去る。
こちらは砦にいるとはいえ、3倍の数の軍を相手に持ちこたえられるか。
何事にもあまり動じないレイラースにも一抹の不安が走る。
『隊長。セイン将軍が直接、報告せよとのことですが』
いきなりアミルから心話が届く。
「いま、そちらに行く」
踵を返し、レイラースは砦の中に向かった。

「レイラース。状況は?」
砦には天空界ならどこでも通じる心話増幅機が存在する。さすがに天空国の本部は遠くて、普通の心話は届かないが、各地で心話増幅器で中継して声を届けることが可能だ。
いきなりのセインの問いかけとその緊張をはらんだ声の調子に、レイラースは彼がこの状況を最悪のシナリオと設定していたことを認識した。
「良くはない。1万5千の軍勢が近付いている。距離はかなりあるが、あと半日で砦の射程圏内に入る。手前で陣形を整えるだろうから、戦闘は早くて今夜ってところかな」
淡々とレイラースは報告する。状況は極めて悪いが、それを訴えても現状は変わらない。
「西と東からはまだ特に連絡はない。ただ、お前のようにその距離での探知は無理だからあと半日は軍を動かせない。こちらから1万の軍を直ちに出立させるがそれも速くて1日半はかかる。それまで持ちこたえられるか」
セインの声は焦ってもいなければ、鼓舞しているわけでもない。あくまでも事実を事実として告げる声に、セインらしいとレイラースは微かに微笑んだ。
「ああ。セオリー通りの砦戦なら3倍の戦力で五分だからね。黄軍はそんなに弱くないよ」
レイラースの答えに「頼む」と声が入り、通信は切れた。
「隊長」
弱気なアミルの声にレイラースはそちらに視線を向けた。悪戯な瞳でアミルを見る。
「はったりすぎだったか?」
目を見開いてアミルは不敵に笑った。
「いいえ。クアールに目に物みせてやりましょう」
「そうだな」
レイラースは踵を返した。


まだ、クアール軍の姿は砦からは見えない。
緊張感が砦を覆い、武具のあたる音が時折する以外は、ひどく静かだ。すでに辺りは夕闇に包まれ、まるで燃えているかのように空が赤い。
「見えませんね」
副官は緊張感に耐えかねて傍らの隊長に問う。
「しかし、この気配は間違いないだろう」
レイラース以外でも感知能力の高いものはすでにクアール軍の気配を捉えている。
砦ではすでに弓隊が先陣を切ってくるだろう飛行隊に備えていた。
「見えたっ!敵軍!東西に長く軍を展開っ!」
物見台から怒鳴り声が飛んだ。
「先頭は?」
静かなそれでも良く通る声が尋ねる。
「飛行隊です。槍を持ってます」
「読み通りか」
砦の淵に近づき目を眇めるが、まだ、槍のきらめきは見えない。
「弓隊。一斉照射準備」
「隊長、下がってください」
アミルがレイラースに声をかける。それに振りかえる。
「その髪と鎧は目立つんですよ。隊長が倒れたら俺たちはどうなるんですか」
たしかにレイラースの髪は、最期の太陽の残滓の光を反射し、赤を含んだ金色にきらきら輝いている。いい標的になりそうだ。
「敵が肉眼で見えたら、中へ入るよ」
笑って答える。こんな状況でも笑える自分が不思議だとレイラースは思う。
こんなに大きな戦闘は何年ぶりだろう。ついでにこんなに不利な戦いも。
まだ、キリスエールをこの腕に抱いてもいないのに死ねないよ。
ふっと笑ってキリスエールの面影を思い出し、一瞬後にそれを振り払う。
「見えた」
確かに視線の先に、黒い集団が見えた。時々きらっと光るのは槍の穂先か。
黒い帯は赤い空を浸食するように、じわじわと広がっていく。
「さすがに多いな」
眉を寄せて、レイラースは呟く。
「弓隊、準備できました」
伝令から報告が上がる。
「投擲機は見えるか」
「攻城戦ですからね」
アミルの声にかぶるように、見えますと声が返る。
「シールドも張れるよう準備しろ」
「隊長、下がって下さいって」
矢継ぎ早に命令を下すレイラースをアミルが気遣う。
「隊長。来ました」
物見台からの声にレイラースは顔を上げた。
目線の先の黒い軍団から何千ものクアールがこちらに向かって突進してくるのが見えた。
「迎え討て。絶対に砦に入れるな」
砦からも矢が空を切って飛んでいく。こうして南でも戦闘の火蓋は切られた。
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