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「天空国の守護者」
天空国編

月光の下で

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窓から外を見て、キリスエールは溜息をつく。
うっすらとその身を太らせ始めた月が空の低いところにとどまっている。冴え冴えとした月の色が寂しさを誘った。
毎晩同じように窓から外を眺めては、キリスエールは沈んだ表情(かお)をガラスに映している。月を見上げては、つめた息を吐き出す。
すでに、だれの訪れもなくなってから、1月以上が経った。
この間、キリスエールはレイラースの言う通り、ほとんど部屋から出ないで過ごした。他の守護者の訪れもほとんどないようで、時折、外で同じくらいの年頃の青年達が何かボールをつかったゲームを楽しんでいる姿も見かけた。みんな、暇と体力を持て余しているようだった。
「どうしちゃったんだろうね。こんなこと初めてだよ」
部屋に遊びに来ていたルイスがそんなことを言った。
「なんか大がかりな出動があったのかなあ」
その声は沈んでいる。
「そうだね」
曖昧に相槌をうったら、ルイスに睨まれた。
「キリスエールは寂しくないの、黒の守護者が来なくて」
その言葉にキリスエールは苦笑した。黒の守護者とルイスが呼ぶのはタミルのことだが、実際は、さらにもう2人通ってきていることをルイスは知らない。
「ルイスは寂しいんだね。キリエ様が来なくて」
ルイスはキリスエールを見つめると鼻をすんっと鳴らした。そして、こくりと頷く。
その様子をキリスエールは羨ましいと思った。一人の人を想っているルイスが。
俺の心はどこにあるんだろう。
レイラースに問われた問いを何度も繰り返すが、答えは一向に見つからない。3人ともに大事だ。それがどんなにおかしいことでも、誰か一人を特別に想うことはない。
「そう。寂しいし。時々、身体が熱くておかしくなりそうなんだ」
少し伏せた瞳で、ルイスはとんでもないことを言う。自分を自分で抱き締めて、ルイスは辛そうに唇を噛んでいる。
セインに抱かれる前なら、全くわからなかっただろうルイスの言葉が今ならキリスエールにもわかる。時折、セインのあの手を唇の感触を思い出していたたまれなくなるのだから。
「キリスエール、寂しいんだ。だから……」
ルイスの下から覗うような瞳から視線を反らし、キリスエールは首を横に振った。
「だめだよ。ルイス」
「なんで!慰め合うだけだ」
激昂したルイスにキリスエールは寂しそうに笑いかけた。
「あとで、悔やむよ。キリエ様に会った時に」
ルイスは唇を噛んだ。そんなのわかっていると言いたげな表情で。
「もういい。キリスエール。君にはわからない」
立ち上がるとルイスはそのまま踵を返し、足音も荒く部屋を出て行った。
キリスエールはその後ろ姿を追って溜息をつく。
だれしもが不安なんだと思う。もう二度とこのまま彼らが現れなかったらと考えずにはいられないから。
再度溜息をついて、キリスエールは月を仰いだ。昼間のルイスことを思い出すと胸が痛いがキリスエールはルイスの願いを叶えてやれない。
逆に変な同情をするほうがルイスを傷つけるとキリスエールは何度目になるかわからない溜息をついた。
その時、部屋の中で金属が触れあう音がした。キリスエールはそのまま振り向く。
そして、息を飲んだ。
「タミル様!」
部屋の真ん中に立つ姿は、初めて会った時と同じ白銀の甲冑と黒のマントを着けたタミルだった。キリスエールは窓から離れ、タミルの側に走り寄る。
「タミル様。どうしてここへ?」
心なしかタミルの顔色が悪いとキリスエールは思う。タミルは一言も発さず、キリスエールを睨むように見据えている。キリスエールの首の後ろの産毛が逆立った。
タミルを心細げに見上げるキリスエールを強い視線で捉えたタミルはすっとキリスエールの方に足を踏み出し、腕を伸ばした。そのまま、キリスエールはタミルの腕に抱きこまれる。
「タミル様……」
強く抱き締められて、冷たい甲冑が頬にあたり、キリスエールは身体を硬くした。と、身体にかかるタミルの重さがぐっと増し、のしかかられる。
「タ……タミル様」
あまりの重さに一緒に床に倒れ込む。キリスエールはタミルの名を何度も呼ぶが、返事がない。その上、自分の上にのしかかったタミルはピクリとも動かなかった。
キリスエールはタミルの下から這い出て、再度タミルを呼ぶ。しかし、タミルの瞳は閉じていて、意識があるようには見えない。
「タミル様」
慌てて、キリスエールはタミルを仰向けに転がし、甲冑を全て取り去るとなんとか身体を持ち上げ、自分のベッドに横たわらせた。
「怪我をしている」
タミルの肩に白い包帯が巻かれているのがシャツの下に透けて見える。そっとシャツのボタンをはずし、はだけると身体中に細かい傷の跡があり、肩の包帯からは血がにじんでいた。
タミルの意識は相変わらず戻ってくる様子もない。
「なんとかしないと」
キリスエールはくるりと向きを変えると部屋を飛び出した。


お湯で湿らせたタオルで、タミルの身体と傷を拭い、こういう時のために手に入れておいた薬草を煮詰めた液体でタミルの傷を洗って、薬液を浸した布をあて、再度包帯を巻きなおす。身体中の細かい傷も薬液を浸した布でそっと拭いた。
それだけのことをしてもなお、タミルの意識は戻らない。
まるで出会った時を再現しているようで、キリスエールは苦く笑った。
いったいどこでこんな怪我を。そんなにひどい戦いだったんだろうか。
ベッドのかたわらに椅子を置いて、眠るタミルを見つめながら、キリスエールはぶるっと身体を震わせた。あの強いタミルがここまで疲弊し、怪我をする戦闘など想像もつかない。それでも、多くの守護者が犠牲になったのではないかとキリスエールは思う。
タミルの呼吸が穏やかなのが救いだ。傷は深いが、致命傷ではない。
眠るタミルをキリスエールはそっと見守る。目覚めた時に側にいた方がいいと思ったから。
レイラースとセインは大丈夫だろうか。どうしてタミルだけがここへやって来れたんだろう。
いろいろな疑問が頭をよぎるが、答えはない。みんな無事でと瞳を閉じてキリスエールは願った。
どのくらいの時間が過ぎたのだろう。夜は更に深くなり、そして、徐々に明け方の空気が忍び寄ってくる。
微かに呻いたタミルにキリスエールはビクリと身体を起こすと、手を伸ばし、額に掌をあてる。
「熱はないみたいだけど」
手から伝わる体温は特に高くもなく、うなされているのが熱のせいではないとほっと息を吐いた。
手を額から離したとき、タミルの瞳が唐突に開いた。
文字通り、唐突にだ。それにも驚いたのに、宙にあった手首を握られ、タミルの方へ引かれた。
「わあ」
びっくりした声を出すが、次の瞬間にはタミルの身体の下に抱きこまれる。
「タミル様」
自分を上から見下ろすタミルの瞳に視線を合わせて、キリスエールは呟いた。また首の後ろの産毛が逆立つ。
なぜかわからないがタミルが怖い。
「キリ……」
名を呼ばれて、きつく抱き締められた。そのあまりの強さにキリスエールは驚いた。痛いくらいに抱き締められて、本能的に逃げようと身体を捩る。
それがいけなかったのだろうか。タミルは少し身体を離すと噛みつくようにキリスエールの唇に自分の唇を合わせた。驚くキリスエールの唇を舌でこじ開け、あっという間に口腔内に舌を滑り込ませる。
「タミ……ルさ……」
名を呼ぶ声さえもキスで遮られ、深く深く口づけられた。舌が絡まり、キリスエールの息が上がる。
タミルがキリスエールにキスしたのはこれが初めてだ。いままで必要以上にはタミルはキリスエールに触れたことがない。
どうして?
キリスエールの頭の中には疑問しか浮かばない。どうしてここにタミルがいるのか、どうして彼が自分にキスをしているのか……。
唇が離れるとキリスエールは大きく息を吐き出した。タミルはキリスエールの首筋に唇を落とす。所有者の印にタミルの唇が触れ、キリスエールの体温が上がった。
「タミル様……?」
首筋におちた唇は意思を持って、キリスエールの首筋を辿って行く。
キリスエールは大きく瞳を見開いた。いままで、タミルがこんなことをしたことがなかったから、怪我をしていて意識がなかったから、キリスエールは考えてもみなかった。タミルが自分をどうこうするなんて。
しかし、この状況ではタミルの望みは明らかだ。
「やめてください」
首筋を滑りおりて行く唇にキリスエールは身を捩り、拒絶の意を示す。しかし、タミルからはなにも反応は返らない。
首筋を辿る唇は鎖骨へと降りた。
「タミル様!」
叫ぶとくらりと視界が揺れた。身体中の力が抜けて、腕一本あがらない。抵抗できなくなったキリスエールの身体をタミルの手が這った。
「やめて……」
出るのは声だけで、それも弱々しい声。こういう感覚は前にも覚えがある、あの時は眩暈だけだった。でも、今回は身体中の力が入らない。
タミル様に生気を抜かれたんだ。
声だけの拒絶もタミルの気には入らなかったようで、襟元に手を差し入れると一気にシャツを裂かれた。キリスエールの白い肌が、冷たい夜気に震える。
なにも言わずにタミルはキリスエールの胸元に唇を寄せる。愛おしげに身体を辿る掌は熱い。無理矢理なのに愛撫は優しく、丹念にキリスエールの肌を確かめるようだ。
「やっ……」
桃色の胸の突起を舌で転がされて、キリスエールは声を途切れさせた。ゾクリと身体を駆け抜ける感覚に身体を捩りたくても身体はピクリとも動かない。
こんな状態で、タミル様に抱かれる……?
「嫌だ。タミル様、お願い。やめて」
あらん限りの声で、タミルを拒絶する。
唸るような声が胸元で聞こえた。キリスエールの身体を辿る掌が拳を作る。
キリスエールの首の後ろの産毛がさらにちりちりと逆立った。肉食獣を怒らせてしまったような感覚に背筋を嫌な汗が流れる。
タミルの瞳がキリスエールの瞳を捉える。獰猛な光を宿した黒い瞳が情欲に潤んでいる。いつものタミルではない。
「身体が動かない……」
どう伝えたら怖いと思っていることが伝わるだろうか。どう見ても正気でないこのタミル様に……。
「……タミル様」
名を呼んだら、胸をタミルの掌が這った。温かさが掌から身体に移る。
「あっ……」
その途端に指先に自由が戻ってくる。
「んっ……」
身体の自由を取り戻したことに気をとられていると、タミルの唇がまた身体に降りてくる。
その熱さに身体を震わせた。
身体は動くようになったが、タミルは行為そのものをやめる気は全くないらしい。
唇で身体を辿り、掌が身体をまさぐる。
「やぁっ……」
キリスエール自身を捉えられて、腰が揺れた。こんな風に蹂躙されるのは嫌なのに、身体に覚え込まされた感覚が甦って来て、キリスエールは左右に頭を振った。
胸の突起に唇を落としながら、タミルはキリスエールを追いつめる。
「あぁっ……んっ……」
性急な動きにも感じてしまい、キリスエールは自分を浅ましく思う。
「タミル様……やめっ……離して……」
拒絶の言葉は益々、タミルを煽ることにしかならない。
くるりと身体を反転させられ、後ろからきつく抱き締められて、キリスエール自身をさらに強く扱かれる。腿にあたるタミルのモノも大きく猛っているのがわかり、キリスエールは身体を硬くする。
嫌だ。こんな正気でないタミル様に抱かれるなんて。
いつも優しくて、頼りがいがあって尊敬していたタミルに凌辱されると思うだけで身体が恐ろしさで震えた。
それに、ここに来てから僕の名前を呼ぶ以外、言葉を発していない。
「タミル様……」
背中にも唇を落とされ、手の動きは止まらず、キリスエールはもう自分が我慢できないところまで追い詰められているのを感じる。背中に感じるタミルは荒い息を吐き、まるで獣のようだ。
キリスエールはきつく瞳を瞑った。そうすれば全てから逃れられるように。
しかし、それはただ感覚を鋭くさせただけで、我慢しようと唇を噛みしめたのもむなしく、下腹部がひくりと痙攣した。
「ああぁっ……はぁっ……はぁっ……」
「キリ……」
背中からぎゅっと抱きしめられ、自分がタミルの手の中で達してしまったことにキリスエールは俯く。
「やめてください。タミル様。お願いだから……」
呟いた言葉もタミルの耳には届いていないのかもしれない。抱き締めた腕で、腰を持ち上げられ、浮いた身体に驚いて膝をつくと両足の間に身体を割りこまれた。
キリスエールの吐き出した精のついた指でタミルはキリスエールの蕾に触れる。
「やぁっ……」
最後まで自分を喰らうつもりなことを悟って、キリスエールは身体を捩って逃げようとするが、腰をがっちり片腕で押さえつけられて、動けなかった。
後ろの蕾を円を描くように何度も擦られて、嫌なのに口からは喘ぎ声が上がる。
「はぁっ……んっ……」
いきなり沈められた指に身体に力が入った。そのせいでタミルの指を締めつけてしまう。
タミルはなにも言わない。ただ、キリスエールの身体を全て征服するかのような愛撫を繰り返す。
指が出し入れされて、身体が震える。痛みよりも言われも知れない感覚が背筋を駆けあがり、凌辱されているにもかかわらず感じていることに羞恥で心がささくれ立つ。
「やっ……あぁっん……」
シーツを手でかたく掴んでも、枕を噛みしめても漏れる声が抑えられない。
いつの間にか指の数が増やされ、入り口も内壁もすっかり解れて熱くなる。
ずいっと三本の指を引き抜かれるとそれだけでも背がのけ反り、吐息が上がる。一度イカされているのに、再度自身が勃ち上がり、先端がシーツを擦るのを頭の隅でぼんやり感じた。
腰を両手で捕らえられ、熱い先端が蕾にあてられるとキリスエールはもう逃げられないことを悟る。身体は熱くて、中が疼き、いつでもタミルを迎え入れる準備をしている。なのに心は冷えて、やっぱり自分は守護者の慰み者なのだと思い知った。
「あぁぁぁぁっ…………」
固い楔で一気に身体を刺し貫かれ、キリスエールの悲鳴が夜気を震わす。乱暴な動作にも解れた内部は反応し、背筋を駆けあがった快楽にキリスエールは背を反らす。
後ろから腰を支えられて、何度も何度も刺し貫かれた。
荒い息遣いが聞こえ、それに唸り声が混じる。
これはタミル様じゃない。違う。これはタミル様じゃないんだ・
キリスエールの頭の中ではその言葉だけが何度も何度も繰り返される。そうしていないと心が壊れてしまいそうだった。
熱くて固い楔が体内をえぐり、最奥に精を吐き出されるのをキリスエールは感じる。
それでも、獣の行為は終わらず、激しすぎる快楽に耐えきれずにキリスエールの意識が混濁する。
「キリスエール」
いつものタミルの声が遠くに聞こえたような記憶を最後にキリスエールは意識を手放した。
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