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「天空国の守護者」
天空国編

国主の贄

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「国主……」
笑んでいない国主を見つめながら、セインは呟いた。
両手を組んだ手の上に顎を乗せて微笑む国主は、先ほど見たのと同じ様子だ。
だが、纏っている雰囲気が一変していた。のほほんとした穏やかな雰囲気は、タミルとレイラースが部屋を出て扉が閉まった途端、暗く濃密な闇と化した。
「セイン」
国主が名を呼んだだけで、セインの足が震えた。パタンパタンと窓がひとりでに閉まり、カーテンが引かれていく。光に満ちていた室内が薄暗くなった。
「こっちへ」
国主の言葉にもセインは足が前に出ない。彼を取り巻く紫紺の闇が恐ろしかった。
「どうしたの?」
つと立ちあがって、国主はセインのもとへと歩み寄る。彼は怒っているわけではない。その証拠に動作はあくまでも優雅で、口元に笑みさえ浮かべている。近づいてきた国主はセインの肩に手を置いて、ふふふと笑った。
「震えてる。具合でも悪い?」
口調は変わらないのに、彼の瞳は色を増す。濃い紫の瞳が更に深くなる。
「セインだけ、打ち解けなくなった。彼らは変わらないのに……」
さらりと髪を掬われて、ぎくりと背がこわばった。
「僕が怖い?」
どうして、タミルとレイラースはこの人が変わったことに気付かないのだろう。もう、昔のこの人はどこにもいないと。
この中身の見えない底なしの闇はなんだろう。一体、あの憧れの従兄はどこへ行ってしまい、代わりに誰がやってきたんだろう。
「僕は僕だよ。やりたくもないことを押し付けられたけどね」
あっさり心の中を見透かされて、セインは更に身体を震わせた。
「最近、誰も遊んでくれないんだ。無茶をすると壊れちゃうし」
頬を指で辿って、ふふふと国主は笑った。
「セインしかいないんだよ。セインがいいし。いいよね?」
疑問形だが断定だ。断る選択肢はセインにない。
「どうせ、セインにもいないんでしょう?心決めた相手。昔からそういうのはどうでもいいんだもんね。だから、誰が傷つくわけでもないし。おいで」
国主に手を差し出され、セインは自分の手をその手に重ねた。指先まで震えているのが視界の隅に映った。
「いい子だ」
満足げに国主は笑って、手を握りしめる。震えは伝わっているだろう。だが、そんなことに頓着する気はないようだ。手を引かれて歩き出す。奥は国主の寝室だ。紗が何重にも掛かった大きなベッドに導かれる。
ベッドに腰を下ろさせられると上から国主が見下ろした。
「脱いで」
言われるがまま服を脱ぐ。シャツを肩から落とし、ズボンも靴も脱いでいく。
「綺麗だね」
うっとりと国主はセインのうっすらと光を放つ肌を見つめる。
「この銀の髪が一番好き」
髪を掬って口づける。
「この白くてすべすべの肌も」
指が肌を這って、セインは身を硬くした。
「久しぶりだから、嫌?」
言いながら、国主はベッドにセインを仰向けに倒した。セインは瞳を閉じて、首を横に振る。
「そうだね。瞳は開けて」
セインはもう一度首を横に振る。肌を這っていた指先が胸の上を横に一直線に滑った。
「っ痛……」
白いセインの肌に紅い線が走る。ぷつぷつとまるい紅い珠が浮いて、国主はそれを指で掬った。
「瞳を開けて」
声は優しい。だが、逆らうことは許されないのだと思い知る。
セインはゆっくり瞳を開けた。濃紫の瞳がまっすぐに自分を見つめていた。くらりと頭の芯が揺れる。このまま魂を引きずりだされて食われてしまいそうだ。
ぐっと腹に力を込めた。微妙に視線をずらす。
「国主……」
「違うよ。僕の名前はそんなんじゃない」
国主の言葉にくっとセインは顔を歪めた。
「……シスル」
「何?」
首筋に唇を寄せて、国主は囁く。
「抱くなら普通に」
くつくつと国主は笑いだす。そのまま笑い崩れて、セインの身体に自分の身体を乗せて笑っている。
「相変わらず、セインは面白いことをいう。普通じゃつまらないだろう。僕はセインが啼くのがいいんだから。泣いてもいいけど」
くっくと笑いながら、シスルは妖艶に笑う。
「だけど、セインが望むなら、まずは普通に遊ぼうか。ちゃんと自分で望みを言ったらね。僕が気に入るように言わないときいてあげないけど」
先ほど爪でつけた傷を舌の先でシスルは舐めた。冷たい感触が胸を這うと跡形もなく傷は癒える。国主は身を起して、ベッドから降りると立ったままセインを眺めた。
「さ、どうする?」
選択権を預けるようでいながらの命令。セインに選ぶべき道は一つしかなかった。身体をベッドから起こすとセインは両腕を国主に差しだす。
「シスル……僕を抱いて……」
昔よくやったように、この人に恋焦がれていた時のように、甘くセインは誘う。
ベッドに乗り上げて、シスルはくすくすと笑う。
「いいよ。可愛い、セイン」
シスルはセインを抱き締める。抱き締められたままセインはそのまま後ろに倒れ込む。
シスルは嬉しそうにセインの首筋に舌を這わせる。ぴりぴりとした感覚にセインは喉をのけ反らせた。
「力を発さないで」
国主の力は強すぎて、身体中から波動が、力が発せられる。しかし、それは心地よい波動ではなく、痛みを伴う。
「どうするかな。押さえるのめんどうなんだけど」
話しながらも首筋を伝う唇から力が放出されて、セインは身体を震わせた。電気が流れているような感じがする。
国主が我を忘れるとあまりの刺激の強さにおかしくなってしまう。
だから、国主の相手は力のある者でないと務まらないのだ。下手をすると壊される。
「して」
「じゃあ、もう少しセインがその気になるまでは頑張ってみようか。あとの保障はしないけど」
やけに嬉しそうに、シスルは笑う。
このサドが。思うが言葉に出さない。
「だって虐められるの好きでしょう、セイン」
あっさり心の声も拾われて、そんなわけあるかと思った途端に、胸の突起を指で擦られて、セインは声をあげた。
「んっ……」
また力を発っされて身体が痺れる。
「さて、僕に狂うまで遊んでくれるよね?」
首を横に振るがシスルは聞く気はないだろう。好きに身体を弄ばれて、結局、泣くことになるのだ。
片方の胸を指で辿られ、あいている方を舌で辿られて、セインは背を反らせる。
「……ああっ……やっ……」
「いいね。敏感だ。何に感じているんだろうね。力かな」
「やめ……」
舌の先でつつかれるだけで、腰が浮く。身体を強い刺激が流れてピリピリする。直接神経を撫でられているようだ。
まったく、力を押さえる気のない国主をセインは下から睨みあげるが、過剰な刺激に首がのけ反ってうまくいかない。
「こっちはどうかな」
腕を伸ばして、シスルはセイン自身に指を絡めた。
「ぐっ……やっ……」
やわやわと揉まれて、指先から放出される力がちくちくとセイン自身を刺激した。痛みとそれを上回る快楽にセインの口から悲鳴が上がる。
「ああぁぁっ……シスル……やめて」
指が先端を擦るともう耐えられなかった。粘膜を刃物で貫かれるような痛みと背筋を駆けあがる強い痺れにセインのスミレ色の瞳が潤んで、溢れた。
「痛い?」
冷たい声が耳元で囁く。
こくこくと頷くと目尻から涙が伝った。
「これは罰だよ。ずっと僕を放っておいた君へのね」
「もう、やめて。シスル……」
「この痛みは僕の心の痛みだ。誰もが僕を通り過ぎていく。そうだろう?君も例外でなかった」
シスルの指がセイン自身の先端を辿るとセインは叫ぶ。
「力は益々、強くなる。自分でも制御できないくらい。そしてみんな僕をバケモノ扱いするんだ」
「違う」
「違わないよ。セイン。創国主に匹敵する力と表向きはあがめても、みんな僕を怖がっている。大きすぎる力は災いしか呼ばないとね」
シスルがセイン自身を握った手に力を入れた。セインは身体を跳ねさせた。意識が飛んでしまえばいいとさえ思う。なのに、痛みが強くてそれすらままならない。
シスルはセインの目尻を舌で舐めた。涙がすくわれて、シスルの舌に溶けた。
「僕に心も身体も開いて。隠さず全部だ」
涙を舐めとりながらシスルは囁く。
「セインが側にいてくれたら、僕をここに繋ぎ止めてくれたら、僕は留まれるかもしれない」
シスルには何が視えているのだろう。予見で国を救った英雄だというのに。国中がそう思っているのに。だれも国主を尊敬こそすれ、バケモノだなんて思ってないのに。
「でも、対等じゃないんだよ、セイン」
心を読んで、答えたシスルにああとセインは思う。あがめられるのも嫌なのだと。自分一人だけが他と違ってしまう恐怖にシスルが怯えているのがわかってしまう。
セインは腕をあげる。耳元に唇を寄せているシスルの頭を抱きよせた。
「シスル……」
髪を指で梳いて名を呼ぶ。
「セインですら僕を怖がっている。そうだろう?」
セインは頷く。確かに畏敬の念が強い。年を追うごとに強大な力を得、それに反するように精神を病んでいくシスルが怖い。
かつて愛していた人が、壊れて行くのを見るのは怖い。
「全てを忘れて僕を受け止めて。セイン」
囁かれた言葉にセインは身体の力を抜いた。もう、逆らえないことを知る。いたぶるのではなく悲しみを見てしまったがために。
だが、それはただ単にこれから始まる悪夢の饗宴への諦めだったのかもしれない。
深い口付けを受けながら、セインはうつろな瞳をベッドの天蓋へと投げた。

国主の渇きは深い。もう、どれだけここでこうしているかもわからない。
日が落ちて、朝日が昇ったかもしれないが、薄闇が広がるこの寝室では何も掴めない。セインは身体の中を貫く灼熱に身悶えながら、シーツを握りしめた。羞恥も屈辱もどこかへ行ってしまった。
ひどい恰好をさせられ、言いたくない言葉をいくつも言わされて、意識が残っているのが不思議なくらいだ。
手放してしまえば楽になるのに。
頭の片隅で思うが、それは許されないことに嘲う。
意識が遠くなるとシスルの力で引き戻された。精神まで深く合わせられて、彼にできないことは何一つない。
頭の中さえもそのたおやかな指で触れるほどだ。
「ああ。セイン」
背中から、シスルの満足げな吐息が聞こえた。
獣のように這いつくばって、後ろから犯し続けられている。指を動かすことも吐精すらセインの思うままにはならない。
「……もう……シスル……」
「なに?」
「イキたい……」
何度も強請らされた言葉をくり返す。
「辛そうだ。かわいそうな、セイン」
腕を伸ばして、セインの喉へ手のひらを這わせたシスルはうっとりと呟いた。
「でも、まだだ」
セインは首を横に振った。もう耐えられない。
「だって、まだセインは僕を咥えて離さないよ。まとわりつく粘膜を感じるだろう」
力なくセインは首を横に振り続ける。
「もっと求めて。おとなしいだけなのはつまらないよ」
「ああああぁぁ……」
口端を上げて、シスルは腰を進めると同時に力を放つ。身体の中を脳天まで痛みを伴う刺激が駆け抜け、セインはスミレ色の瞳を大きく開いた。
「ああ。力の制御が効かなくなってきたな。これでも押さえてるんだけど」
上体を倒して、セインの耳元に唇を寄せて、シスルは囁く。甘い声は禍々しい色を帯びていた。
「やめ……。シスル……壊れ……」
「大丈夫。壊さないよ。セインは大切だからさ。国の防御の要だもんね。将軍様」
外耳を舌で辿ってシスルは抑えを解除していく。
セインの身体ががくがくと震えた。シーツに突っ張った腕が崩れ、シスルの支える喉に圧迫がかかる。
「うっ……やめっ……」
くぐもった呻きがセインの口から零れて、シスルの口端が上がるのが触れた耳からわかった。
「大丈夫。壊れる端から治すから。僕の治癒能力の高さは知っているでしょう」
「息が……」
喘ぐが気管が圧迫されて、空気が入って来ない。肺が大きく喘いだ。
シーツに身体が沈む。シスルが舌打ちをして、手を離したのだ。埋め込まれた凶器もずるりと抜かれ、セインの体重を受け止めたベッドがぎしりと音を立てた。
「まだだ。寝かさないよ」
髪の毛をわしづかみにされて、顔をのけ反らされた。
「僕が満足するように誘って。そうでないなら、縛り上げて攻め続けようか。力で嬲ったていいんだ」
見せつけるように左手を瞳の前に持ってこられ、その手に細い光の鞭が握られるのを見て、セインは喉の奥がひくりと蠢くのを感じる。
「やめて。それは嫌だ」
シスルの力の具現。身体の表面を叩く鞭じゃないのをセインは知っている。こんなもので、身体の中を神経を掻きまわされたら……。
「ふうん。ちゃんと覚えているんだね。これで、君がどれだけ善がったか。身体の中を縛ってもいいんだよ。快楽神経の根元を絶えず刺激してもいいね。どれだけ射精できるか見ていてあげるよ」
ひどい言葉に身体が震えた。
「望み通り、普通に抱いてあげたよ。だけど僕はまだ満たされない。セイン」
「シスル。やめ………」
「じゃあ、その心に抱えている子を代わりにくれる?」
一気にセインの頭の中が冷えた。氷水でも流し込まれたみたいに。頭と心が冷たさに痛んだ。キリスエールの笑顔がよぎって消える。
「何の話……」
「ごまかせないよ。精神(こころ)も身体も繋げたんだから。セインが誰かにご執心とは珍しいね」
くすくすと国主は楽しそうに笑って、髪から手を離した。慌てて、セインは後ろを振り返る。
「違う。そんなんじゃない」
そう。違う。確かに気に入ってはいるが、それは人間にしては珍しく純粋だからだ。どうでもよかった人間の国を守るという古の契約を守ってみるかと思わせるくらいには、気にかけているが。それだけ。
「ふうん。そう。自分でも気付いていないんだ」
髪をかきあげて、シスルは紫の瞳を細めた。
「どういう意味……?」
妖しげに光る紫の瞳をまともにセインは見つめた。
しまったと思った時には遅かった。くらりと頭の芯が回るのを感じる。深さを増した紫色に魅入られて、セインは強烈な情欲を覚えた。
「どうしたの?セイン?」
甘く微笑むシスルの瞳だけがセインの中で大きくなる。
セインはベッドに膝立ちの国主へ向き直ると、その腕に手を伸ばした。二の腕を掴んで、シスルを引き寄せ、ベッドに押し倒す。組み敷くようにベッドに縫いつけて、身体をかがめると乱暴にシスルの唇を塞いだ。噛みつくようなキス。小さく開いたシスルの口に舌をねじ込み、貪るように舐めまわした。
「ああ……セイン……」
口づけの合間にシスルの吐息が漏れる。甘やかな吐息がセインの思考を溶かしていく。シスルの声すらも吸いつくすようにセインは唇を覆う。シスルの口腔内は熱く、ねっとりとセインを絡め取る。
ゆっくり唇を離し、セインは組み敷いたシスルを見つめた。もう、頭の中はシスルを抱きたいという欲望しかなかった。
「抱きたい」
「だめ」
形の良い瞳を笑みの形に変えて、シスルは告げた。大きく瞳を見開いて、セインはシスルを見る。瞳に落胆の色が浮かんでいることだろう。
シスルはうっとりとした顔でセインのスミレ色の瞳を見つめて、手を伸ばしてくる。頬に手のひらが触れた。ぴくんとセインは頬を震わせた。
「僕は君の中が好き。可愛く感じる君の顔が好きなんだ。だから、逆はだめ」
「でも、シスルが欲しい……」
「牡の顔の君もぞくぞくするほど綺麗だけどね。欲しいなら君が僕を咥えこんで。できるだろう?」
もう何でもよかった。シスルが欲しい。その欲だけが頭の中を支配する。シスルの甘やかな唆しに、セインはシスルを見つめる。飽くことなく見つめた紫の瞳に溺れる。
そそのかされるままセインはシスルを跨ぎ、自らの中にシスル自身を誘導する。身体の中に埋め込まれていくシスルを感じると背が戦慄いた。
「あぁぁ……いいよ……セイン」
「シスル……深い……」
自重で身体の奥まで沈んだシスルを食むように咥えこんで、セインは身体を反らせた。銀の髪がその背の上でうねる。
「動いて」
シスルの言葉しか聞こえない。シスルが欲しくて、身体の奥に感じたくておかしくなりそうだ。
腰を浮かせては落とすと、身体の下でシスルが艶めかしい吐息をはいた。
「ああ……セイン。いいよ。もっとだ……もっと」
セインの口からも甘い吐息が漏れ出し、スミレ色の瞳が潤みだす。
「シスル……あぁぁっ……」
腰を上下させ、セインは喘ぐ。その腰に手を伸ばし、シスルはセインの腰を両手で掴んだ。
起き上がり、シスルはセインを抱き締めた。
「セイン。僕のセイン」
セインも腕を伸ばして、シスルを抱き締め、その名を呼ぶ。
「このまま一つになってしまいたい。君を全て取りこんで」
シスルの声に触れあった肌が溶ける感じを覚え、セインは恍惚の表情を浮かべる。外界と接している全てからシスルが自分の中に侵入し、どこもかしこも犯される。
「ああぁぁぁぁっ……シスル……やあぁっ……」
肌にあてられた指からも力が無理やり皮膚の隙間を縫うように突き入れられた。
ありえない快楽にセインは身を捩る。強すぎる快感は痛みすら伴って、自己が崩壊してしまいそうだ。
「セイン……セイン……」
我を忘れたように名を呼ぶことを繰り返す、シスルは力の限りをセインにつぎ込んでいる。
壊れる……。
それでも、シスルが欲しい……。
悲鳴が口をついてもセインは腰を揺らめかせた。どこまでも貪って貪られたい。
口を口で塞がれ、口腔内を舌が這い、セインはそれにも自分の舌を絡めた。濡れた音が室内に響く。
「いいよ。セイン……ああっ……もっと欲しがって……」
自分の上に乗ったセインを突き上げながら、うわ言のようにシスルは囁く。紫の髪が風もないのに、フワフワと舞いあがった。
シスルの身体が淡く発光する。
身体をぴりぴりとシスルの力が灼いた。神経の上をシスルが撫でさする。
「やあぁぁぁぁっ……シスル……」
痛いのか気持ちがいいのか、もう何もわからない中、ただ、瞼の裏に紫の瞳が躍る。あれを喰らわなければいけない気がして、あれを手に入れなければ死んでしまう気がして、セインは手を伸ばす。
「はあぁぁっ……んっ……セイン……」
ぎりっ。奥歯を噛みしめ、シスルが身体を前に丸めのけ反った。
一気にセインの体内にシスルの精が爆発した。それとともに、抑えられなくなった力も一気に放出される。
「あああああぁぁっ……」
身体を後蕾から脳天まで一気に裂かれながら、セインは悲鳴を上げた。身体中の神経が過剰の刺激に焼き切れるのをセインは自分の絶叫を聞きながら感じた。スミレ色の瞳が涙をこぼし、その色を急速に失った。
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