スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←発覚(1) →いつも更新時間が遅くて・・・・・
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png はじめに
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
もくじ  3kaku_s_L.png Novel lists
もくじ  3kaku_s_L.png 奇跡の刻
もくじ  3kaku_s_L.png 平行線の恋
もくじ  3kaku_s_L.png 煉獄の恋
総もくじ  3kaku_s_L.png 天空国の守護者
総もくじ  3kaku_s_L.png 巡る季節と恋の順番
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 山神の花嫁_昔話
もくじ  3kaku_s_L.png 告白の向こうへ
もくじ  3kaku_s_L.png 空の月を恋う
総もくじ  3kaku_s_L.png おまけ番外編ショート
もくじ  3kaku_s_L.png 遠回りの片恋
もくじ  3kaku_s_L.png 腕の中の迷い猫
総もくじ  3kaku_s_L.png 蒼い闇の化身
  • 【発覚(1)】へ
  • 【いつも更新時間が遅くて・・・・・】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「天空国の守護者」
天空国編

発覚(2)

 ←発覚(1) →いつも更新時間が遅くて・・・・・
からんと地面を固いものが叩く音がし、キリスエールはふわりと後ろから抱き締められた。眩暈がする。
「まったく、相変わらず無茶をするね。キリスエール」
ほっとしたような呆れたような声にキリスエールは瞑っていた瞳をあけた。銀の流れが見える。
顎を上げて上を見ると、スミレ色の瞳が見下ろしていた。
「……セイン様」
「大丈夫?怪我はない?」
セインの声にキリスエールは瞬きで答えた。
「キリスエール」
震える声に視線を向けるとかなり離れたところで、自分を見つめるレイラースの瞳とぶつかった。赤と緑の瞳が驚きと怯えで揺れた。
何が起こったかわからない。だが、さっきまで自分がいた場所から離れたところに自分が立っているのだけは認識した。レイラースの手には槍が無い。タミルの剣は地面につき立っていた。
「あの二人が手練でよかった。お前が身を躍らせたと同時に、タミルは剣の切っ先を地面に変え、レイラースは槍を手から離したんだ。僕もとっさだったからね。つい君を抱いて飛んでしまった」
あの眩暈はセインが力をつかったせいなのかとキリスエールはぼんやりと思う。
「どうしてここへ?」
後ろから抱き締めているセインをキリスエールは首を後ろに倒して見上げた。
「お前をトレジャから連れ出したのがレイラースだってわかったから」
優しく微笑まれる。
「お前に会いに来たんだ」
「キリスエールを離せ」
すぐわきで、レイラースの声がした。
「レイラース様」
顔を戻すと怖い顔をしたレイラースがセインを睨んでいた。キリスエールはレイラースに腕を伸ばした。
今度はセインとレイラースが争うんじゃないかとキリスエールは気が気でない。止める意味も込めて、レイラースの腕を掴んだ。
腰を抱いていたセインの腕が解かれる。
「キリスエール」
ほっとしたようにレイラースが囁き、抱きよせられた。
「気配は見えなかったはずだ」
腕にキリスエールを抱き込んで、レイラースはセインを睨みつける。言外にどうしてここがわかったと問うている。
「そうだな。まったくわからなかったよ。だけど、正規の手続きをしただろう?書類とトレジャの監督官に問い合わせれば、だれがキリスエールをトレジャから連れ出したかわかる。あとは、考えればわかることだよ」
セインは静かな瞳でレイラースを見つめた。
「じゃあ。わかっているはずだ。キリスエールは僕のだ。彼は僕を選んだ」
レイラースの言葉にセインはキリスエールを見た。
本当に?とその目が問うている。
キリスエールが微かに頷く。レイラースの抱き締める腕が強くなった。
「だけど、天空国内での守護者同士の刃傷沙汰は禁じられている。知らないはずはないだろう。黄軍隊長」
「ああ。それでも、タミルがキリスエールにしたことは許せない」
セインからも近づいてきたタミルからも遠ざけるようにレイラースはキリスエールを腕に抱きこむ。
「確かに生気をキリスエールから奪った行為はやり過ぎだと僕も思う。そのための罰もタミルは受けている」
ちらりとタミルを見て、セインは苦く言う。
「生気を奪った?それだけ?」
知らないのかと言外に含ませて、レイラースはタミルを睨みつけた。タミルはレイラースから視線を外した。
「なんだ?」
「よく落ち着いていられる。タミルはキリスエールを無理やり……」
「やめてください。もう、いいんです。もう……」
レイラースの怒りに震える声をキリスエールは遮った。聞きたくなかった。思い出したくもない。守護者が自分を贄として見ているとはっきり聞かされたくなかった。
「……キリスエール」
優しくレイラースはキリスエールを抱き締める。
「……どういうことだ?」
セインはレイラースとタミルを交互に見た。タミルは視線を上げない。レイラースは左手でキリスエールの腰を抱き、右手で頭を撫でてますますキリスエールを守るように抱きこむ。キリスエールの頬がレイラースの胸にあたった。キリスエールは瞳を閉じた。
隠しておきたかったのに。誰にも知られたくなかったのに。
レイラースの言葉で事情を察したらしいセインは怒りを湛えた瞳をタミルに向けた。
「キリスエールを力で犯したのか」
キリスエールの身体がぴくんと跳ねる。タミルは唇を噛みしめて何も言わずに地面を睨みつけていた。
怒りの波動がセインからもレイラースからも立ち上る。キリスエールは、レイラースの胸の中で首を横に振る。
「……キリスエール?」
「……ち……ちがう」
怪訝そうにレイラースはキリスエールを覗き込む。きつく瞳を瞑って、キリスエールは首を横に振り続ける。
「違う。タミル様は……タミル様は……」
「何を言って。あの時……」
「やめてください。言わないで……くだ……」
力づくでされたなんて聞きたくない。抗うこともできずに。悔しい……。思い出したくない。
「キリスエール」
タミルが自分の名を呼んで、キリスエールはさらに首を振る。
「わかった。タミル。お前は部屋から出るな。あとでいいわけくらいは聞いてやる」
怒りを含んだ声でセインが告げる。
「レイラース。キリスエールをこちらに」
セインの声にレイラースが顔を上げた。キリスエールを抱く腕に力がこもる。
「どういう意味だ」
「言葉通りだ。黄軍隊長。言ったろう。天空国内での刃傷は禁じられていると。それも隊長クラスが争うなぞ論外だ」
冷たい声でセインは告げる。
「それなら、勝手に僕の領地に押し入って勝手な行動をしていることは、どう言い訳するつもりだ」
「タミルについては不法侵入もいいところだ。それはきちんと対処しよう。だが、私は緊急事態だっただろう?」
微笑みさえ浮かべたセインにレイラースがぐっと奥歯を噛んだ。
「争いの気配がしたから飛び込んだ。ただ。それだけだ」
セインは手を差し出した。
「おいで。キリスエール」
キリスエールはレイラースを見た。レイラースの瞳が「行くな」と訴える。哀しそうな顔にキリスエールは手を伸ばす。
頬に触れた手をレイラースはぐっと握った。
「キリスエールは僕のだ。僕には守る義務がある。それに従っただけだ。掟を侵害することは何もしていない」
セインを睨みつけながら、レイラースは告げる。
「不法に侵入してきた者を排除しようとしただけだ」
「キリスエールがおまえだけのものだったら確かにいい分は通るだろう。だが、キリスエールはお前の物じゃない。レイラース」
わかっているだろうとセインは笑った。
「印が消えていない」
タミルもレイラースも腕の中のキリスエールも顔を上げた。セインを見る。
「3つの印が見える。レイラースのものなら他の2つは消えなくてはいけない。だが、そうじゃないだろう?」
キリスエールはレイラースを見つめた。自分は確かに自分の意思でレイラースの手をとったはずだ。
ここを閉じるにはキリスエールの同意が必要だとレイラースは告げたじゃないか。そして、セインにすら気配がわからなかったということは、そういうことじゃないんだろうか。
「これ以上、刃向かうようなら投獄も辞さないよ、レイラース」
ひどく平坦なセインの声に、レイラースの身体が震えた。ゆっくり顔を俯けるとレイラースはキリスエールを見つめた。瞳が合う。緑と赤の瞳が濡れて揺れている。
「レイラースさま、俺……」
「知ってた。お前が僕の手をとったのは、タミルから逃げるためだって。それでもいつかって思っていたんだ」
「レイラースさまっ!」
「セインはやるといったらやる。投獄など怖くないが、そうなったら、原因になったおまえもただじゃすまない。守るって約束した。キリスエールをそんな目に合わせられない」
ぐっと抱き締められた。
レイラースはキリスエールを守るために手を離すと言っている。
「なんで。レイラース様。ずっと一緒にいるって」
「愛している。キリスエール。忘れないで」
抱きこまれたまま、唇を合わせられた。深い口づけにキリスエールは言葉を飲む。頬に滴を感じた。レイラースが泣いている。
どうして、こんなことに。俺のせいで3人の関係が壊れて行く。呆然とレイラースの口づけをキリスエールは受けた。最後まで優しい口づけをおくってレイラースはキリスエールから手を離した。
「レイラース……さま……」
背後に気配を感じて、肩に手の重みを感じた。セインだろう。
「キリスエールは、私が預かる。黒軍隊長も黄軍隊長も追って沙汰を待つように」
セインの声をキリスエールは絶望とともに聞いた。
関連記事


にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

総もくじ 3kaku_s_L.png 天空国の守護者
総もくじ 3kaku_s_L.png 巡る季節と恋の順番
総もくじ 3kaku_s_L.png 山神の花嫁_昔話
総もくじ 3kaku_s_L.png おまけ番外編ショート
総もくじ 3kaku_s_L.png 蒼い闇の化身
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png はじめに
もくじ  3kaku_s_L.png リンク集
もくじ  3kaku_s_L.png Novel lists
もくじ  3kaku_s_L.png 奇跡の刻
もくじ  3kaku_s_L.png 平行線の恋
もくじ  3kaku_s_L.png 煉獄の恋
総もくじ  3kaku_s_L.png 天空国の守護者
総もくじ  3kaku_s_L.png 巡る季節と恋の順番
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 山神の花嫁_昔話
もくじ  3kaku_s_L.png 告白の向こうへ
もくじ  3kaku_s_L.png 空の月を恋う
総もくじ  3kaku_s_L.png おまけ番外編ショート
もくじ  3kaku_s_L.png 遠回りの片恋
もくじ  3kaku_s_L.png 腕の中の迷い猫
総もくじ  3kaku_s_L.png 蒼い闇の化身
  • 【発覚(1)】へ
  • 【いつも更新時間が遅くて・・・・・】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【発覚(1)】へ
  • 【いつも更新時間が遅くて・・・・・】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。