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「天空国の守護者」
天空国編

楽園(2)

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セインが扉の内に足を踏み入れると背後で扉が閉まり、わずかにセインの肩が揺れた。それにさらにシスルは笑みを深める。
「で、どうしたの?何の用?」
わざとそっけなく聞くとセインの長いまつげがふるると震えた。
「ちょっとお話が……」
そう言って、セインはちらりと書記官に視線を流した。視線に気づいた書記官がうかがうようにシスルを見る。
それに軽く頷いて、シスルは席から立ち上がった。
「聞かれたくない話みたいだね。いいよ。聞こう」
机を回って、セインのほうに歩み寄るシスルに書記官が頭を下げる。そしてそのまま退出した。
まったく、よく出来た男だと頭の隅で思いながら、目の前のセインにシスルは視線を向けた。
恐れと緊張が伝わってくる。
セインはいつもこういう瞳で僕を見るとシスルは思う。まあそう仕向けているところもあるから仕方がないけどと心の中で肩をすくめて、さらにシスルはセインに近づいた。
「2人になったよ。どうした、セイン?何か問題ごと?」
そんなものはあるわけがない。天空国はいたって平和だ。守護者たちが退屈するほどに。
「わかっているでしょうに」
とがめるような口調にシスルは片眉をあげた。セインは顔をあげるとシスルを睨むように見つめた。紫の瞳とスミレ色の瞳がまっこうからぶつかった。お互いの思惑を探るように。
長い沈黙だった。息すら詰めて、二人は微動だにしなかった。
「何が?」
先に大きく息を吐きだしたのはシスルだった。重い空気を流したくてわざと軽く受ける。
「もう、どうにもならない。全部、あなたのせいだ」
だが、セインはそうさせたくないようだった。詰っているのか愚痴を言っているのかわからない言葉を吐く。しかし、不思議な言葉を聞いた。僕のせいだって?
「僕のせい?」
疑問は口をついていた。軽く首をかしげシスルはセインの目の前に立った。何が僕のせいなんだろう。確かにセインはずいぶん痩せたと目の前のセインを見ながら思った。身体の線が細くなって、かすかに頬がこけた。顔色も良くない。
これが、僕のせいなのか?
「思い人のせいでなくて?」
また、心の声が音になってセインに届き、セインは痛いような顔をする。彼の心の中をキリスエールの面影がよぎって消えた。
やっぱりと思う。セインはキリスエールに心をとらわれている。
「眠れてないの?」
答えないセインに手を伸ばして、そっと頬に触れた。セインの身体がびくりと跳ねる。
「そんなに心配なんだ。キリスエールが」
セインは瞼を閉じて、ひとつ間をおいてから、首を横に振った。
「違うの?」
また、セインは首を横に振る。
珍しいとシスルは思った。いつもの何もかもわかったようなセインはここにはいない。どこか子供のような頑是なさが垣間見られて、シスルはまるで昔のようだと思い出す。
「シスル」
懇願するような瞳にシスルは戸惑う。
目の前のセインからは敬意と恐怖とそして、思慕が感じられる。いままでになかったことだ。
「僕が恋しかったとか?」
わざと口にしたら、頬においた手をはじかれた。
「キリスエールに何をしたんです」
叫んだセインにシスルは怪訝な顔を向けた。心の声と言葉が一致していない。キリスエールは心配のようだが、心にはそれ以外の強い想いが見える。形が定まらない怖れと連結したこれは、欲……?
「何もしていない。彼は壊れてないし、元気で楽しそうだ。そういえば安心する? ちがうよね、聞きたいことはそういうことじゃないって顔だよ」
セインが奥歯を噛みしめた。ぎりりと音がする。
「図星。で何?ぼくのせいってどういうこと?」
軽く首を傾げるとセインがすっと前に動いた。腕を持ち上げるのを見ていたら、傾げた首に腕を回された。セインの身体がシスルの身体に寄り添った。
「セイン?」
あまりに驚いて、シスルは間の抜けた声を上げた。国主になってから、セインが彼自身から身体を寄せてきたことはなかったから。
「怖い」
微かに震える声でセインが囁いた。
「僕はあなたが怖い。怖くて怖くて仕方が無いのに……」
首に絡めた腕に力がこもり、首筋にセインの吐息を感じた。抱き締められていることにもシスルは驚く。
「……忘れられないんだ」
唐突に響いた言葉にシスルは動きを止め、そして腹の底から愉悦が湧いてくるのを感じた。身体の奥底から、笑いがこみあげてくる。喉が鳴った。くつくつと抑えきれないおかしさが、喉を震わせ、シスルは堪え切れずに笑いだした。
「シスル!」
怒りの声を上げるセインの腰に腕を回し、抱き締めた。笑いながら、セインを抱き締め、足を絡ませるとその場に押し倒す。軽く力を使って、セインの背中がそっと毛足の長い絨毯に横たわるように調整した。セインの長い白銀の髪が絨毯にふわりと広がる。
その銀の流れに日の光が当たってきらきらと光り、きれいだとシスルは思った。
セインの身体に乗りあげて、肩を掴んで上から見下ろす。セインの瞳が揺らいでいる。
「僕が欲しいんだ?」
にっこりと微笑むシスルにセインが背を震わせた。
愉悦が止まらない。あの休暇は無駄じゃなかった。ずっと手に入れたかった天使が堕ちてくる。
「いいよ。また可愛がって上げる。セインが気が済むまで遊ぼうよ」
セインが首を横に振る。彼の長い髪が床を打つ。
彼の心の中は怖れと期待が渦を巻いていた。あの日、シスルが植えつけた快楽は恐怖に直結しているのだ。
強い感情は忘れられないものだ。そして、快楽もまた……。
「僕がセインを愛しているってわかってくれたんだ」
シスルの紫の瞳の色がぐっと深くなる。セインが瞳を見開いた。
「眠ると僕を夢に見る?あの身体も心も溶けた夜を思い出す?」
くつくつと喉を震わせて笑いながら、シスルはセインの白い首筋に唇を寄せた。びくんとセインの身体が跳ねる。
「甘い」
囁いて、シスルはセインのシャツの襟元に両手を添えて、一気に左右に引いた。布が裂ける音が響き、セインの肌が露わになる。シスルはセインの首筋に鎖骨にキスを落す。
「……あっ……やっ……」
その度に、セインの口から甘い声が上がり、身体が跳ねる。
力を抑える気なんてさらさらなかった。こんな風にセインを抱けるのは自分だけだ。
いつも嫌がってもがき続けるセインは今日は大人しく、身体の下に組み敷かれている。
「逃げないの?」
口の端を上げて言ってやると苦しげに眉を寄せた。
「心は視えるでしょう」
そう視える。というより感じた。熱い肌、甘い吐息、誘うように絡められた腕。
「そんな風に誘うと手加減しないよ」
“できない”ではなく“しない”と答えた。眩暈がするくらい嬉しい。国主になって全てを失った。何もかも。
誰も彼もが自分を遠巻きにし、敬いながら疎んじた。セインもまた、僕を壊れたと蔑んだ。
そして自分でも自分が怖い。力はますます強くなる。昔はこんな風に誰かを抱いても相手に苦痛なんて与えなかったのに。
痛みではなく、強すぎる快楽を味あわせるように努めながら、シスルはセインのしっとりとした肌に唇と舌を這わした。
「んっ。あぁぁっ……」
セインの背が反った。それを強く抱きしめて押さえながら、シスルはセインの身体を肌を楽しむ。もう、セインを愛しているのかそれとも憎んでいるのかシスルにもわからない。誰よりも近しくて、もしも自分を理解できるとしたらセインだけだとだけ思う。そのセインが自分を選ばなかったことをシスルはたぶん恨んでいる。だが、セインがキリスエールより自分を選んだら、満足するだろうか。
「ま、なってみないとわからないか」
「シスル?」
シスルの呟きが聞こえなかったらしい、セインが訊き返すのに、「なんでもない」と答えて、シスルはセインの胸の尖りを口に含む。
「くっ……やぁっ……」
「セイン」
舌先で尖りを舐めて、囁くとセインが腰を揺らした。下履きの前をはだけて、手を滑り込ませる。セインの熱とその誘いに煽られて、シスルも昂りが止められない。
「はぁぁっ……」
セイン自身を掴むと上下に扱いた。首を左右に振るセインを見下ろす。
「シスル……」
いやいやするように首を振るセインの口元に口づけを落した。
「誘ったのはセインだって忘れないでね」
よがり声を上げるセインに一言告げて、シスルは煽られるまま、セインをかき抱いた。
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